オンセへの機材サポートが進化を推し進めた

オンセの活躍がジャイアントが提唱するコンパクトロードの先進性を証明することになったオンセの活躍がジャイアントが提唱するコンパクトロードの先進性を証明することになった
2009年、ジャイアントはUCIプロツアーチームのラボバンク(オランダ)への機材スポンサードを開始する2009年、ジャイアントはUCIプロツアーチームのラボバンク(オランダ)への機材スポンサードを開始する
ジャイアントのロードバイクの進化の過程を語るに欠かせないのが、プロサイクリングチーム"ONCE(オンセ)"への機材供給だ。フランスの英雄ローラン・ジャラベールやホセバ・ベロキ(スペイン)らが所属し、ツール・ド・フランスなど世界のビッグレースで活躍したことでジャイアントのロードバイクは飛躍的な革新を遂げることになる。

当時のロード界に大きなインパクトを与えたのがジャイアントが提唱したコンパクトロードという概念だ。フレームの前三角が小さく、スローピングしたトップチューブをもつそのフレーム形状は、オンセによってデビューした当時、そのインパクトある形状がゆえに好奇の目を持って迎えられたが、フレーム構成材料が少ないことで明らかな軽量化につながり、かつ剛性の向上、さらに重心が低いことでの取り回しの良さ等、運動性能の向上につながるいくつものメリットがあった。その後多くの他メーカーが追従し、模倣したことが、ジャイアントの先見性を証明する結果となった。

オンセチームの活躍によりツール・ド・フランスでの表彰台や、ロード世界選手権タイムトライアルでの勝利など、数々の栄光を獲得。素材もアルミからカーボンへと移行してゆく。ジャイアントはオンセのトップライダーから得られるフィードバックを元に、そのバイクを絶え間なく進化させてきたのだ。その後もTモバイルやチームコロンビアなど世界のトップチームに機材供給することでその性能に磨きをかけている。


カーボンバイクさえ自社開発できる強み

糸の選定からのカーボンシート製作、成型、焼成まで、カーボンフレーム製作のすべての工程を一貫生産できる体制を持つのがジャイアントの強みだ糸の選定からのカーボンシート製作、成型、焼成まで、カーボンフレーム製作のすべての工程を一貫生産できる体制を持つのがジャイアントの強みだ
ジャイアントの強みのひとつが、カーボンフレームを完全に自社内で開発・製造できることが挙げられる。カーボンを構成する糸の選定からカーボンシートの製造、パイプ成型、金型の設計と製作、フレームの焼成など、製造工程のすべてを自社工場内で完結できるジャイアントの設備とノウハウと工場規模は、数多くのスポーツバイクメーカーのなかで唯一無比といっていいほどのものだ。多くのブランドのOEM生産をこなしてきたことで集積された技術力や、開発に意欲的な若きエンジニアたちもジャイアントの進化を支える原動力となっている。




軽く、強く、快適なバイクへの挑戦

自社ブランドとOEM生産を合わせた膨大な生産量が技術力とノウハウの集積を生んだ自社ブランドとOEM生産を合わせた膨大な生産量が技術力とノウハウの集積を生んだ ロードバイクフレームに求められる性能は、大きく言って重量の軽さ、剛性の高さ、振動吸収性の良さの3要素だ。その3要素をいかに高い次元でバランスさせるか、それが各メーカーの開発者の腕の見せ所だ。
今日のカーボンの性能向上と普及により、剛性感の向上と軽量性はある程度達成できた感がある。ツール・ド・フランスに参戦するようなバイクメーカーの製品はどこも高いレベルでそれを満たし、もはやトップライダーからその性能に不満の声があがることは皆無になったほどだ。

ジャイアントが2009年モデルでロードバイクのラインナップを一新するにあたって設定した目標とは、軽量性と剛性をより高めつつ、振動吸収性をも高いレベルでバランスさせることだった。3つの性能が形成するバランスを三角形チャートに表すなら、それをより大きなものとすること。軽いままで剛性を上げるという常識的な従来のアプローチに対し、適度な快適性を加えることことがジャイアントのトライだったのだ。

「200、300kmを走ってなおペダルが踏める性能。真にレベルの高いフレームとは、エンジンである人間のパワーを無駄なく活かしてくれる懐の深さをもつものだ」というのが、ジャイアントの技術者たちが目指した理想のバイクだ。

創業37年におよぶジャイアントの歩みは、絶え間ない技術と生産性、品質の向上という情熱に支えられてきた創業37年におよぶジャイアントの歩みは、絶え間ない技術と生産性、品質の向上という情熱に支えられてきた


完璧なラインナップを目指して

全20モデルを超えるラインナップを誇るジャイアントのロードバイク。2009年モデルへの刷新においてはハイエンドからミドルグレードのカーボンバイクのリニューアルと、DEFYシリーズ新設によるエントリーグレードのボトムアップが大きな変革だった。世界のトッププロチーム"ラボバンク"(オランダ)に供給する"TCRアドバンスドSL"をはじめとしたハイエンドバイクの、より一層の熟成。ロングライドを快適かつ速く走るカーボンバイク"DEFYアドバンスド"。カーボンとアルミを適材適所でミックスしてワンクラス上の走りの性能を追求した"アライアンス"。そしてツール・ド・フランスも走ったALUXX SLアルミフレームを贅沢にもちいたハイコストパフォーマンスモデル"DEFY”。ジャイアントはクラスに応じて最適な素材と設計でサイクリストたちの要求に応えるべく、完璧なラインナップを提供するつもりだ。

ISP(インテグレーテッド・シートポスト)フレームの最高峰となるTCRアドバンスドSLはジャイアントの技術力の結晶だ。2009年度はラボバンクに供給されるISP(インテグレーテッド・シートポスト)フレームの最高峰となるTCRアドバンスドSLはジャイアントの技術力の結晶だ。2009年度はラボバンクに供給される
"ALUXX SL"はアルミの可能性を追求した完成度の高さを誇るフレーム素材。そのコストパフォーマンスの高さは他の追従を許さないだろう"ALUXX SL"はアルミの可能性を追求した完成度の高さを誇るフレーム素材。そのコストパフォーマンスの高さは他の追従を許さないだろう


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