10月17日に愛知県で行なわれた渥美半島ぐる輪サイクリング。自転車系ブログ「ツバサンチブログ」を展開するブロガーのツバサさんが、仲間と協力しあって順調に進む先には、ちょっとしたトラブルに出くわす場面も。はたして92kmを無事に走りきることができたのか?

スタート地点にて。愛三サポーターズクラブ、CyclingTeamIgnitionを始めとした仲間たち。頭上には凧があがっていますスタート地点にて。愛三サポーターズクラブ、CyclingTeamIgnitionを始めとした仲間たち。頭上には凧があがっています

仮装したスタッフの方。このまま走るそうです仮装したスタッフの方。このまま走るそうです <約1800名が参加する人気イベント>
一緒に出よう!とメールなどで展開したところ、集まった仲間は愛三サポーターズクラブ、CyclingTeamIgnitionのメンバーなど、男女合わせて総勢20名以上の大所帯となりました。
これが「激坂ツアー!坂を一緒に上りましょう」という企画だと、なかなかメンバーが集まらず困るのですが、こういうサイクリングイベントだと参加率がグン!と上がり、声をかけた側としてはありがたい限りです。

渥美半島ぐる輪サイクリングは愛知の自転車用品の商社、深谷産業さんの主催で行われるサイクリングイベントで今年で6回目。サイクリングイベントの中でも人気が高く、県内はもとより県外からたくさんの方が参加されます。
ちなみに渥美半島というのは、愛知県の東部の三河湾、伊勢湾と遠州灘に面した半島。愛知県はちょうどクワガタが下を向いたような形をしてますが、その右側の角の部分にあたる場所がここ渥美半島です。

今回のぐる輪サイクリングには3つのコースがあり、蔵王山登頂&渥美半島一周コース 約92km のAコース、Aコースから蔵王山登頂を除いたBコース (約65km)小学生からを対象視したファミリーコース (約31km)があります。一緒に参加したメンバーの話によるとBコースからうまっていったとか。やっぱりAコースの目玉?蔵王山は避けたいのかな?(笑)サイクリングイベントは自分や一緒に走る仲間の足に合わせたコースを選ぶことが楽しく走る秘訣ですよね。

スタッフの皆様スタッフの皆様 参加者が多いのでグループ分けをして順次スタートしていきます参加者が多いのでグループ分けをして順次スタートしていきます


で、僕らが選んだのはAコース。せっかくここまで来たら遠州灘、三河湾、伊勢湾を望む蔵王山の展望は捨てがたいし、やっぱりA、B、Cという選択肢があれば、Cではなく Aを選びたい(笑) 私の周囲の仲間もほとんどがAコースだったので一緒に楽しもう!ということでAコースを中心にレポートしていきます。

参加者は全コース合わせて約1800名。時間を空けて順番にスタートしていくのですが、これだけの人数が集まるとスタートにも時間がかかります。ただレースじゃないので慌てない慌てない。サイクリングイベントだとたいていチェックポイントが何箇所か用意されていますので、極端にペースが違わない限りチェックポイントで合流できますし、それがわかっているので自分のペースで走ることができます。

スタート地点にずらりと並んだライダーたちスタート地点にずらりと並んだライダーたち Aコースのスタートの様子Aコースのスタートの様子


大会のスタート地点は白谷海浜公園。三河湾に面した公園で、晴れていれば三河湾の島々や対岸にある知多半島も見えます。この地区はスカイスポーツも盛んなのか、ハンググライダー、パラグライダー、そして凧まで飛んでいました。そして周辺には風力発電の風車。風の強さを象徴するものばかり!当日の天気は曇り。とはいえ当初の予報は雨でしたから救われた感じです。それに暑すぎないのがありがたいかな、なんて思ったり。

このコースの概要ですが、スタートしてまもなく蔵王山をどーんのぼり、あとは平坦基調かと思いきや、長くは無いけど何箇所か急坂があります。伊良湖岬からは多少のアップダウンはあるもののほぼ平坦。序盤に頑張りすぎてしまっても伊良湖まで行けばなんとか帰ってこれるコースです。


<序盤から現れる急勾配にいきなり苦戦>
まずコース序盤にあるのが標高250mの蔵王山。スタートの公園から少し大回りするような形で上り口までアプローチします。この区間で足を暖められるかな。山頂には展望台と風車がそびえており、この日の風車は山頂では強風が吹いているのか、いつもより多めに回っています。そんなことをアプローチ中に確認しつつ、案内表示にしたがって、上り口へ。ここには10%の標識。見ないほうが幸せ?でもここを上らないとチェックポイントにたどり着けませんよ。みんな頑張ろ~!

蔵王山の登り口。10%の標識に心理的ダメージを受ける!?蔵王山の登り口。10%の標識に心理的ダメージを受ける!? 蔵王山の中腹辺り。今のところまだ自力で頑張っているうちの嫁蔵王山の中腹辺り。今のところまだ自力で頑張っているうちの嫁


山頂までは約3.5kmですが、平均斜度が約7%弱だから結構きついですね。押して歩く人たちもいましたし、うっかりAコースにエントリーしたうちも奥さんは必死の形相で上ってます。出場が決まった時からあれほど「少しは乗っておけよ」と忠告したのに言わんこっちゃない。ここでへばられては先が思いやられるので背中を押してアシストします。

山頂には前述の通り展望台と風力発電の風車があり、展望台からは三河湾、伊勢湾、遠州灘の素晴らしい眺めを望むことができます。天気が良ければ富士山も見ることができます。愛知には蔵王山よりも高い山は多くあります(それでもあまり高い山はないですが)が、展望に順位をつけるとしたらここはかなり上位に入るのではないかと思います。愛知で富士山が見えるポイントはなかなかないですから。しかし今回は残念ながら雲が多かったため、富士山は見えず。見られなかった皆様、是非再チャレンジを!

蔵王山から遠州灘を望む蔵王山から遠州灘を望む 晴れた日の蔵王山からの眺め、遠くに富士山がみえる….かな(10/10撮影)晴れた日の蔵王山からの眺め、遠くに富士山がみえる….かな(10/10撮影)


蔵王山で三河湾をバックに仲間と蔵王山で三河湾をバックに仲間と 晴れた日の蔵王山からの眺め(10/10撮影)晴れた日の蔵王山からの眺め(10/10撮影)


さて、この頂上にはこの日最初のチェックポイントがあります。スタンプを教えもらい、水、チョコを補給。そうしているうちに途中遅れてしまった仲間も追いついてきたので、いるメンバーだけで記念撮影。晴れていればバックに三河湾がバッチリなんですが...。

蔵王山を下った後のきつい上り坂の山頂にて。最近乗ってなくて~と言いながら速いsomeさん(笑)蔵王山を下った後のきつい上り坂の山頂にて。最近乗ってなくて~と言いながら速いsomeさん(笑) 蔵王山の次のチェックポイントは半島南側の海岸。その名も「太平洋ロングビーチ」。外海に面したこの浜は波も強くサーフィンのメッカ。この日も多くのサーファーたちが波乗りを楽しんでいました。このチェックポイントまでのアプローチがなかなか大変。
蔵王山を気持ちよく下り一旦三河湾側に出てそのあと半島を横切る形で太平洋側にむかうのですが、そこにけっこうな坂が出現。蔵王山越えでホッとしていたメンバーには足と心に結構なダメージ。もしかしたら蔵王山よりもきついのではなんて意見も。それもそのはず。距離は1kmもないのに80mほど上っています。ってことは平均斜度は10%近いってこと?でもみんななんとか脚を付かずに上り切りました。まだ先は長いけどとりあえずお疲れ!!


<サポートカーに助けられ、あとは順調にゴールを目指す>
途中マシントラブルに見舞われ、シマノのサポートを受ける仲間途中マシントラブルに見舞われ、シマノのサポートを受ける仲間 太平洋ロングビーチではちょっとしたトラブルがありました。仲間の自転車のクランクが回らなくなってしまい、一時はリタイヤかと思われたのですが、そこにシマノのサポートカーが来てクランクをはずしてBBを増し締め。サイクリングに復帰できました。こういうサポートも準備して下さるとはありがたいですね~。

一安心したところでチェックポイントでスタンプをもらって再スタート。渥美半島自転車道に出てしまえばあとは自転車道終盤の坂まではほとんど平坦。少し向かい風なので先頭交代しながら、時々出現する車止めを後続にサインを出し注意しを促しつつ、太平洋を横目にしばらくは淡々と伊良湖岬を目指します。

そしてあと少しで伊良湖岬だ、というところで坂道が出現します。約1kmで平均約4%。ここまでくるともうみんな坂に対して免疫ができてます。文句泣き言も言わずのぼります。それどころか勝負を仕掛けてくる女子も!!みんななんとなくゴールが見えて安心したのかな?ほんとのゴールはスタート地点なんだけど...。

坂を上りきると、そこからは伊良湖岬に続く恋路ヶ浜を見下ろすすばらしい展望が。止まって記念撮影をする方も多く、ぼくらも後続の邪魔にならないようにササッと記念撮影を済ませてすぐに再スタートし伊良湖岬を通過。この付近でもサーフィンを楽しむ方たちが多く見られますが、ぐる輪が開催されるこの時期は、鷹の渡りの時期でもあり、超望遠レンズを携えたたくさんのバードウォッチャーの方がみえました。ぼくらも肉眼で鷹を追ってみましたが、飛んでいるところが高すぎてとんびか鷹か区別がつきませんでした。

渥美サイクリングロードの唯一の階段ポイント渥美サイクリングロードの唯一の階段ポイント 伊良湖岬と恋路ヶ浜をバックに。ここも晴れていれば最高伊良湖岬と恋路ヶ浜をバックに。ここも晴れていれば最高


晴れた日の伊良湖岬、恋路ヶ浜の眺め晴れた日の伊良湖岬、恋路ヶ浜の眺め 伊良湖チェックポイントで別コースの仲間と合流できた伊良湖チェックポイントで別コースの仲間と合流できた


コース上にあるチェックポイントとしては最後になる、伊良湖岬のチェックポイントに到着しました。Bコースを走っていた仲間たちとも合流し、一緒にゴールを目指すことになりました。ゴールまでの距離は約35km。もう半分以上走ってしまっているのでみんな少しは気が楽なようです。もう山もありません。ひたすら走ってゴールを目指すのみです。体をいたわってのんびり行くか、残りの距離をガンガン行くかはあなた次第(笑)

伊良湖岬から海岸沿いのひたすら真っすぐな道。車通りほぼゼロで仲間と写真タイム伊良湖岬から海岸沿いのひたすら真っすぐな道。車通りほぼゼロで仲間と写真タイム 伊良湖からゴールの道中。行列のできるタイ焼き屋さんで補給伊良湖からゴールの道中。行列のできるタイ焼き屋さんで補給


半島の三河湾側は交通量のやや多い区間がありますが、それでも半分以上が田園地帯や海沿いを走る道。合流して仲間が増えたこともあり、写真を撮ったり、途中のたい焼きやさんに寄ったりとわいわいやりながら帰ってきました。こちら側は太平洋側と違ってコンビニも数箇所あるので補給はしやすいと思います。

そしてゴール。最後のチェックポイントで台紙にスタンプをもらって、ぐる輪サイクリングは無事終了!!頑張って走ったライダーにはおにぎりと地元の方たちが作ってくださった具沢山の豚汁が振舞われました。

ゴールまであと少しの海岸線の道。日中よりもやや天気が回復してきたゴールまであと少しの海岸線の道。日中よりもやや天気が回復してきた ゴール地点にて。「ひと足お先にトン汁食べてまーす」ゴール地点にて。「ひと足お先にトン汁食べてまーす」



<巧みなコース設定と運営スタッフに感謝!>
走り終えた感想ですが、コースについては地図をみると一見遠回りに見えるコースも、出来るだけ交通量の少ないところを選んでいるという配慮が読み取れました。コース上には大変ありがたいことに、各所でスタッフの皆さんが道案内をしてくれていたので、終始道をロストすることなくゴールまでたどり着けました。

コース全般が海に近いところを走るので、時には向かい風になることもありました。なるべくなら仲間と走ったほうが無駄に体力も使わず楽に楽しく走れるかなと思いました。仲間が多いと楽しいのはいつでもどこでも同じかもしれませんね。今回はいつもよりも大勢の仲間たちと走ることができたこともあり、特にそう思いました。

中学生も完走!途中の走りも素晴らしかった。将来有望だなぁ中学生も完走!途中の走りも素晴らしかった。将来有望だなぁ 完走の証。スタンプがそれぞれのチェックポイントの特徴を示してます。蔵王山なら風車、太平洋ロングビーチならサーファー、伊良湖は灯台など完走の証。スタンプがそれぞれのチェックポイントの特徴を示してます。蔵王山なら風車、太平洋ロングビーチならサーファー、伊良湖は灯台など


チェックポイントについては水、バナナ、チョコ、パンなどが用意されており、コンビニなどの少ないこのコースではオアシスのような存在でした。特に水が汲めるのはありがたいなと思いました。気温が高くないながらも意外にボトルの水を消費しましたので。
食べ物に関しては地元の食べ物が食べたい!と思いました。伊良湖岬では焼き大アサリとか温室メロンとか希望!ぜいたく?(笑)

愛知県では自転車のイベントがまだまだ多いと言えないのが現状です。参加する私たちがマナーを守って走り、地元の方たちからも「また来てもらいたい」と思ってもらう事で、大会の継続に繫がると思いました。
またこのような大会が今後も継続される事で、自転車にまだ興味を持っていない方達にも興味を持ってもらって参加者の裾野が広がればと思いました。

みんなで完走できました。お疲れ様!!みんなで完走できました。お疲れ様!!

最後にみんなと丸一日、楽しく走れたことと楽しいイベントを企画、運営して下さった主催者、スタッフ、地元の皆様に感謝したいと思います。

ありがとうございました。


text&photo:ツバサ