10月14日、東京オリンピックの会場となる伊豆ベロドロームで、「トラックパーティー2017in伊豆ベロドローム」が開催された。緊張感漂う公式戦とは違うショーアップされたトラックレースの模様をレポートする。



「トラックパーティー2017in伊豆ベロドローム」音楽ライブさながらの会場内「トラックパーティー2017in伊豆ベロドローム」音楽ライブさながらの会場内 photo:Satoru Kato
2020年の東京オリンピック自転車競技の会場となる伊豆ベロドロームは2011年にオープン。以降、国内唯一の250m板張りバンクとして国内の選手権大会や国際大会など多くのレースが開催されるほか、選手強化のための施設としても活用されている。

勝負のかかる周回はライティングが変化して盛り上げる勝負のかかる周回はライティングが変化して盛り上げる photo:Satoru Kato
そうしたストイックなイメージのある伊豆ベロドロームだが、今回の「トラックパーティー2017in伊豆ベロドローム」は、自転車だけでなく、参加型イベントやお笑い芸人のライブ、小室哲哉のスペシャルライブなどを盛り込み、「フェス型サイクルイベント」と銘打つ。もちろん、メインとなるレースはテオ・ボス(オランダ)を始め、国内外トップクラスの選手が出場しての“ガチレース”が繰り広げられた。

ちなみに、ベロドロームが完成した2011年にも同様なトラックパーティーが開催されており、6年ぶりのイベントとなる。

選手権などの公式戦とは違った雰囲気選手権などの公式戦とは違った雰囲気 photo:Satoru Kato
エリミネイションにはロードレースでもおなじみの選手や大学生が出場エリミネイションにはロードレースでもおなじみの選手や大学生が出場 photo:Satoru KatoDJ が音楽でレースと場内を盛り上げるDJ が音楽でレースと場内を盛り上げる photo:Satoru Kato

にぎやかな場内の片隅で女子ケイリン決勝を待つ選手にぎやかな場内の片隅で女子ケイリン決勝を待つ選手 photo:Satoru Katoレースの合間には「我が家」などお笑い芸人のライブが繰り広げられるレースの合間には「我が家」などお笑い芸人のライブが繰り広げられる photo:Satoru Kato


種目は、スプリント、ケイリン、スクラッチ、エリミネーションなど6種目。中距離系の種目には、ロードレースでもお馴染みの選手らも出場。競輪学校在学中の橋本英也も出場し、エリミネイションとテンポレースで優勝した。

「競輪学校と違って刺激のあるイベントを走らせてもらって良かったです。こういう雰囲気で走れるのは楽しいですね。世界レベルではこれがトラックレースのスタンダードでもあるので、こういうイベントがもっと増えてくれると良いですね」と、トラック パーティーの感想を話す。

エリミネイションとテンポレースで優勝した橋本英也(日本競輪学校)エリミネイションとテンポレースで優勝した橋本英也(日本競輪学校) photo:Satoru Kato3種目に出場した中村龍太郎(イナーメ信濃山形)3種目に出場した中村龍太郎(イナーメ信濃山形) photo:Satoru Kato


このイベントの直前に結婚を発表したばかりの中村龍太郎(イナーメ信濃山形)も、スクラッチ、エリミネイション、テンポレースに出場。「オーストラリアの選手が速すぎて歯が立ちませんでしたね・・・」と、レースの結果については苦笑い。

「2011年のトラックパーティーの時も呼んで頂いて、その時はまだ学生だったんですけれど、走らせてもらって嬉しかったですね。今回は直前に連絡頂いたので、トラックレースの準備が出来ずにレースする事になってしまいましたが、普段のレースにない盛り上げ方は良いですよね」と、話してくれた。

フィックスドギアバイクムーブメントを起こした「MASH SF」と対戦した一般参加者がレース後に健闘をたたえ合うフィックスドギアバイクムーブメントを起こした「MASH SF」と対戦した一般参加者がレース後に健闘をたたえ合う photo:Satoru Kato観戦者とハイタッチするマシュー・グレーツァー(オーストラリア)観戦者とハイタッチするマシュー・グレーツァー(オーストラリア) photo:Satoru Kato

様々なライティングがベロドロームの天井やバンクを走り回る様々なライティングがベロドロームの天井やバンクを走り回る photo:Satoru Kato
今回のトラックパーティーでは、一見してわかりやすい種目(トップでゴールした選手が優勝、あるいは最後に残った選手が優勝)を選び、トラック種目に詳しくなくても楽しめる設定となっていた。ロードレースと違い、スタートからゴールまでの勝負をつぶさに見られるのもトラックの良いところ。屋内会場の利点をフルに活かし、ライティングや音楽で勝負の山場を盛り上げるなど、まさに「フェス型サイクルイベント」だ。

トラックレースは敷居が高いと思わず、次に開催される際はぜひ足を運んで頂きたい。

text&photo:Satoru Kato