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スポーツサイクル サカモト

オークリーの品揃えは圧巻! 金物工業の街、三条にあるプロショップ
包丁や工具などの金物の工業が盛んなことで全国的に名の知れた新潟県三条市。弥彦線が分岐する信越本線東三条駅や上越新幹線燕三条駅からクルマで10分ちょっと、昔ながらの街並が続く住宅街の中にプロショップ、「スポーツサイクルサカモト」はある。

道を挟んで左側にはショップと駐車場で、右側にあるちょっと(かなり?)古めかしい建物はメカニック棟。何とも良い感じの雰囲気を漂わせる佇まいだが、創業は戦後まもなくと相当に長い歴史を持つ。元々クルマやオートバイの修理販売も行っていたが、45年前からスポーツサイクルに重点を置き、15年前から完全な スポーツサイクル専門店として舵を切り替えたそうだ。

お店を切り盛りするのは3代目の坂本聡さんを筆頭に、5名のスタッフさん(と、"店長"と親しまれている接客係の三平ちゃん)。坂本さんは「自転車は機材スポーツだから、ランやスイムと違って部品を交換すれば順位が逆転することもある。そんな面白さを突き詰めていったら自然とスポーツサイクル専門になったんですよね」と往時を振り返る。

店内には所狭しと自転車やパーツが並べられ、ロードを中心にブロンプトンやモールトンといった小径車も合計すると在庫数は200を優に越えるという。かのランス・アームストロングがツール・ド・フランスで優勝したときの記念モデル3台が飾られているほか、スカピンやコロッシ、マニア歓喜のデッドストックなどなど、店内を見て回るだけでも軽く半日は掛かってしまいそうだ。

そしてサカモトで忘れてはならないのは、もはやミュージアムと称すべきほどにズラリと並ぶオークリー製品の数々。オークリージャパン設立以前から幅広いラインナップを取り扱ってきたというが、現在はサイクルショップでは希有な正規ディーラーとして、圧倒的な量のストックを求めて訪ねるユーザーを迎えている。アイウェアはもちろんアパレル、スキー用ゴーグル、交換レンズ、補修パーツなどその在庫数は半端ではなく、筆者も数々のショップを訪問しているが、オークリーの什器が8つも並んでいるショップは初めてだ(笑)。
数多くのアイテムが詰め込まれたサカモト店内。ゆっくり見てまわれば軽く半日は掛かりそうだ
サイクルスポーツサカモトの3代目、坂本聡さん
ランス・アームストロングがツール優勝時に発売された限定モデル
開口一番「うちは敷居が高いって思われてるんですよね(笑)」とは坂本さん。どういうことだろう?と聞くと、これはサカモトでは10万円そこそこの自転車は取り扱っておらず、20万円からの自転車をオススメしていることに理由があると言う。この意味は、購入後のお客さんどうしがサイクリングに出かけた際に、性能差が大きく出ないようにして、気持ちよくサイクリングを楽しんで欲しいということにある。

「もちろん高価な商品をオススメする以上、初来店の際にその理由までキッチリと説明しますし、"他のお店も見てきた方が良いよ"とお伝えするんです。お店の合う合わないは絶対誰にもあるでしょう?その上でサカモトを選んでくれれば全力でサポートします。もちろん一見さんを断る気もさらさらありません(笑)。シューズやウェアの在庫も多いですから、気になるものがあれば思う存分試着してほしいんです」と、屈託なく話す坂本さん。

そんなサカモトのモットーは「家族ぐるみで自転車を楽しむこと」。坂本さんが目指すのは、一緒にお酒を飲んだり、自転車関係無く遊びにいったり、自転車を通した仲間の輪を作ることだという。だからある程度通ってくれた方は、美容室のようにご指名のスタッフが自然とつくようになっているのだそうだ。

そんなポリシーが最も反映されているのが、毎年秋に開催されている感謝祭(一大BBQ大会で、参加は無料!)だ。「ここでは奥さんの顔が見えるし、知り合いになれるんです。"いつもお世話になっております〜"って会話が、旦那さんが趣味を続ける上で必要じゃないですか。たまに家族を顧みないで没頭しちゃうひともいるけど、家族の理解あってこその趣味ですから」。

通じて週末のツーリングも午前中に終わるようにして、午後は家族サービスの時間を取れるようにしているという。坂本さんが言うに、お店とお客様もギブアンドテイクだし、自転車趣味と家庭もギブアンドテイク。仲間や家族との繋がりを大事にする、サカモトならではのポリシーと言えそうだ。
シマノのバイクフィッティングシステムを導入している
半端ではないオークリーの在庫量。RAZORBLADEのオリジナル品を発見
クランク長を試せる「レンタルクランク」も準備している
オークリー製品はウェアやシューズ、バッグといったアクセサリーまで幅広い
サカモトの方針でもう一つユニークなのが、定価販売にこだわっていること。そう言うとまたしても敷居が高く感じてしまうかもしれないが、これにだってちゃんと理由がある。

「申し訳ないんだけど、割引はしていないんです。その定価の中には全てのサービス料が含まれているから」と坂本さん。簡単なメンテナンスや調整は永久無料だし、お店でパンク修理をしない代わりに購入から2年間はチューブが無料(もちろんパンク修理を無難にこなせるまでの講習付き)で、店頭に並んでいるチューブ(350円)とCo2ボンベ(300円)だって出血覚悟の大サービス価格だ。

また、納車の際には3時間(!)も掛けるマンツーマン講習会を欠かさない。取材した際もたまたまその場面に出くわしたが、ホワイトボードを使って丁寧に説明を行う様は、まるで学校の授業のような…。手間の掛かることではあるが、その人その人に合わせて教えるため、決してグループ講習という形にはしないのだそうだ。

そして週末のライドに参加してくれた方のために、駐車場におしゃべりを楽しむログハウスを用意してしまったという話も面白い。さらに年に一回、スノーピークの敷地をレンタルした大試乗会も開催し、山も含んだ試乗コースが大人気を博しているというのだ。これは全てお客さんに楽しんで欲しいという気持ちから。

もちろん技術的な面に関しても一切の妥協は無し。完成車の場合はフレームまで全バラにし、BBやヘッド、フォークも全て調整とグリスアップを徹底する。「当たり前にやっていることですから、こだわりというこだわりは特に無いんですけどね」とはにかむメカニックさん。自分でメカ作業を行いたい方にはスペースや工具などをフリーで貸し出し、肝心な部分はメカニックが仕上げと確認を行っている。
接客担当の山田さん。楽しいマシンガントークで退屈させてくれない
納車時には3時間のマンツーマンレッスンを行っている
売れっ子看板店長の三平ちゃん。とてもかわいいです
シューズのラインナップも圧巻のひとこと。他にもストックがたくさんあった
信濃川からすぐ近くのショップの周囲には、少し走れば交通量の少ないサイクリングにはうってつけのロケーションが広がっている。サカモトではロードバイクが主流ながら、MTBだって忘れてはいない。冬期こそ雪に閉ざされてしまうが、30分も走ればMTB遊びに最高のフィールドだ。存分に遊びつつ。MTBが大好きな有志で、近くのフィー ルドの草刈りや山の掃除などを通し、積極的に地元の人と交流を図っているという。

お店のルールがその地域の自転車乗りのルールになる。そう坂本さんは言う。「だから自転車で来たのにヘルメットを被らないお客さんは入店をお断りすることもあります。もちろんヘルメットを買いにきた人は別ですよ(笑)。それに整備に預ける場合でも、あまりに汚い自転車はちょっと…。歯医者に行く時に歯を磨かない人はいないじゃないですか。それと一緒だと思うんです。お客さんにも、気持ちをもって自転車と接してあげて欲しいんです」。

誰しもをウェルカムとしないやり方には賛否両論があるかもしれない。しかし来店したお客さんの相談に、真摯に、そして楽しそうに乗っている坂本さんはじめスタッフや、お客さんの笑顔を見れば自ずとその方針も理解できる。ちょっと敷居が高いと感じてしまうその部分にこそ"お客さんを一人前の、ルールやモラルを当たり前に守れる自転車乗りに育てたい"という思いが込められているのだ。

「高いお金を出して自転車を買ってくれた方に失礼が無いように、これからもお店の方向性を変えちゃいけないと思っているんです。例えば転勤とか、結婚とかで乗れなくなってしまった人が戻ってきた時に、"これこれ、この感じ!"と言ってもらえるようにね」。
店舗向かいのクラシックな建物はメカニック棟とバックヤード
工場時代の渋い雰囲気が色濃く残るメカニックスペース
無数の自転車に魂を宿らせてきた場所。専任のメカニックが黙々と作業を続けていた
店舗情報
郵便番号 
955-0842
住所 
新潟県三条市島田1-2-14
営業時間 
月曜~水曜 9:00~19:00
木曜 9:00~21:00
金曜 9:00~22:00
土曜 9:00~18:00
日曜・祝日 13:00~18:00
定休日 
不定休
TEL 
0256-32-5348
ブログ更新情報
アクセス 
燕三条駅、東三条駅から車で約10分ほど
スタッフからのメッセージ
スポーツサイクル サカモト スタッフの皆さん
新潟県三条市にあるスポーツサイクルサカモトです。ちょっと分かりにくい場所にありますが、勇気を出して入って下さい(笑)。初めてマウテンバイクやロードバイクに乗る人の為にマンツーマンで3時間講習を実施しています。毎週末のツーリングはもちろん、レースイベントやロングライドに大人数で参加したり、試乗会やBBQ大会など楽しいイベントも開催しています。自転車に興味がある方は是非ご来店ください。

スポーツサイクル サカモト