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ブレアサイクリング Briller cycling

南信州エリアのライドの拠点 乗り手にあったポジションチェック、フレーム組が得意なプロショップ
中央道「飯田山本IC」を降りてクルマで約10分。名勝・天竜峡にブレアサイクリングはある。天竜峡温泉宿舎のすぐ隣に、広々としたウッドデッキのあるロッジ風の店舗で「こんちはッ」と明るく迎えてくれるお兄さん、山崎嘉貴(やまざきよしたか)さんが店主だ。

元プロ選手の福島晋一さんのフランスでのレース仲間だったという山崎さんは石川県出身。ここに開店したのは飯田市でツアー・オブ・ジャパンが開催され、町が自転車チームを誘致したことがきっかけだった。エキップアサダのサテライト的なチーム「ボンシャンス飯田」が発足した際、この南信州エリアにはサイクルショップがなかった。そこで山崎さんに声がかかり、ショップを開店することになった。

7年間選手として走り、プロを目指してフランスで活動していたとき、日本とは違う自転車文化に感銘を受けたと言う山崎さん。「モノはたくさん売っていないけど、フランスのサイクルショップは素晴らしいソフトを提供しているんです。すごいなと思いました。僕はもともと商売をしたかったワケじゃなくて、自転車スクールをやりたかったんです。ショップはそのための拠点です。人の集まる場所として、ブレアサイクリングを営んでいます。」

25歳で選手活動をやめ、ヤナセのセールスマンに。外車を扱う仕事を通じて、モノよりも人と人とのおつきあいから生まれる信頼関係がもっとも大事だということを学んだ。6年前に開店した当時はチームのためのサポートショップのようだったが、今ではお客さんのほとんどが自転車初心者だという。「自分がロードレースを走っていたり、雑誌にアドバイザーとしてよく登場するから誤解されるんですが、お客さんの9割以上はサイクリング入門目的で来る方ばかり。初級者の方が多くて、上級者が少ないんです。ブレアサイクリングは、初めての一台を買うためのショップなんです」。
広々としたウッドデッキは自転車仲間の憩いのスペース。週末はとても賑わう
店主の山崎嘉貴さんが「こんにちは」の挨拶とともに迎えてくれる
ショップはこじんまりとした雑貨屋風。店頭に並ぶアパレルはオリジナルブランドのGRIDE(グライド)
山崎さんが心がけているのは、その人のライフスタイルをより高いステージへと引き上げるお手伝いだ。最初はフィットネス目的で自転車を買ってもらう人であっても、その人が上達してロングライド、ブルベ、レースに向かうとき、そのサポートがしっかりとできるようにと考えている。

「ブレア」はフランス語で「輝く、光る」の意味だ。山崎さんは言う。「輝かせたいのはお客さんの生活。平日は一生懸命働いて、週末が待ち遠しい人たちに自転車で思う存分楽しんでもらうお手伝いをすることがお店の役割です」。

初心者が多いから、接し方にも気を配る。わかりやすく、専門用語を使わないような説明を心がけているという。女性の方が一人で来店しても気負わず、"初めての1台を買うのにベストなお店”を、その人の体力レベルや希望に合わせた品物やアドバイスを進めているというから安心できる。

お店自体が小さいので、品揃えはセレクトショップのように厳選したものばかりになる。商品はお客さんの目線になって使ってみて、自分でも納得したものをおススメするようにしているという。まだスキルの少ない方がそのグッズを使い、より楽をして楽しく走れるように吟味されている。

当初は多かった商品数も、研究するにつれ絞れるようになった。将来的には相談に来たお客さんに対してマンツーマンで的確な答えを常に用意できるテーラーメイド店のようなお店を目指したいという。
初級者、入門者にとって初めての一台にふさわしいオススメの車種を取り揃える
フィットネスから入りたい人のためのクロスバイクも山崎さんが厳選したものを揃える
ケミカル、補給食、インソール、アイウェア、シューズのオススメ。そしてGRIDEのアパレル
エントランスを入ってすぐのヘルメットコーナー。ライドのお知らせもここに掲出される
その言葉通り、ブレアサイクリングはオーダーメイドも得意だ。「次のバイクが欲しい」という一言に応える、的確なバイクが提案できる自信が山崎さんにはある。初めてのお客さんでも、自信の選手経験から姿を少し見ただけで、身体の柔軟性や筋力、自転車に対する現在のレベルなどがすぐに分かるそうだ。そしてヒアリングをしながら、オススメできる車種、パーツやホイールの組み合わせを提案していく。

もちろんビギナーだけでなく、乗り慣れている人にも、『サドルが3mm高い、ハンドル幅を1センチ広くした方がいい』といった、的確なアドバイスが評判を呼んでいる。フィッティングシステムを用いない分、「儀式的には物足りない感があると思いますけどね」と山崎さんは笑う。聞けば練習会では常にハンドルやサドルの高さを変えるアドバイスをし、それも乗り込み具合や体調如何で判断してくれるそう。しかも親身になってくれるから、完全オマカセなのも気が楽だろう。さながら”敷居の低いオーダー屋さん”と言ったところだろうか。

重視しているのが週末のライドだ。まず初心者のお客さんを「山のパン屋さんライド」と呼ぶ往復2時間半ほどのライドに誘っている。距離は約50km。最後に急な坂を上ったところに美味しいパン屋さんが待っている。
それに満足したら、次は「峠ライド」。山がちな地域なので、4、5時間も走ればいくつも峠を越えることができる。「峠ライドを普段走っている人は、どんなグランフォンド大会に出ても平気になります(笑)」と山崎さん。「一緒に走ることで、その人のポテンシャルを最大限引き出せるようにアドバイスできます。そのためのアドバイザーでありたい」。

お店の前ではパンク修理や洗車などの講習会を随時開催して、一人で走るとき困らない知識と快適に走るためのセルフメンテナンス方法を教えている。また、すぐ隣の温泉会館の会場を借りて、ストレッチやローラー台の乗り方スクールなどを開催している。汗をかいた帰りには温泉も楽しめる。

山崎さんは言う。「商品はほぼ定価で売っているので、アドバイスやソフトをコミコミで提供することに全力を尽くしています。自分のソフトに自信と責任感があるので、そこは譲れない点です。でも、お店は自分が中心じゃなく、お客さんたちが中心となって活用していただいて、仲間づくりをしてもらう場なんです。そのお手伝いができるように考えています。お休みが多いのも、自転車に乗る時間をつくるため。この地域一帯は本当の田舎なので、乗るには最高の環境です。ぜひいらして下さい」。
初級者ライドの一コマ。天竜峡一帯は「サイクリング天国」だという
店舗前で開催している洗車講習会。ひとりでできるメンテナンス方法をレクチャー
好評の手組みホイール。「この地域の環境に合わせたり、パワーメーター用になど、用途に合わせて組みます」
南信州一帯の気候に合わせられるよう、アパレルやアクセサリー類のバリエーションを幅広く用意
アパレルブランド ”GRIDE(グライド)”の展開

山崎さんが関わるアパレルブランド「 ”GRIDE(グライド)」の紹介もしよう。着ているだけで楽しそうに見える、”らしくない”サイクルウェアだ。選手をやめた時「自分の着たいウェアがなかった」と感じた山崎さんが、飯田の仲間たちと始めたのがきっかけだ。アメカジ=アメリカのカレッジ柄テイストや、Tシャツやカーディガンなど普段の私服のようなデザインで人気が高まっている。お店は半分がGRIDEのショースペースのようだ。

「普段の洋服を観察して、それをどれだけサイクルジャージに落とし込めるかを考えてデザインしています。ロードバイクを買っても、サイクルウェアが嫌いだからTシャツで乗るという人が多い。でもそれは僕らが考える楽しい自転車生活ではない。普段着感覚で着れるデザインのGRIDEのジャージは行き帰りのクルマや電車のなかでも恥ずかしくないという人が多いですね。自転車を生涯スポーツとして楽しんでもらうためのアパレルとして、GRIDEの役割は大きいと思っています」。
水玉模様にスカルのロゴが楽しい(写真は代官山でのショーにて)
GRIDEオンラインストアには全国から注文が届く
GRIDE(グライド)はサイクルウェアらしくない、普段着感覚のアパレルだ
店舗情報
アクセス 
中央道「飯田山本IC」下車、三遠南信道で「天竜峡」まで6km、約10分
諏訪方面よりお越しの場合:飯田ICの次が飯田山本IC
名古屋方面よりお越しの場合:恵那山トンネルを抜けて阿智PAより3kmで飯田山本IC

※カーナビは隣の「天竜峡温泉宿舎」に設定すると迷いにくい。
天竜峡温泉宿舎 電話:0265-27-2104 住所:長野県飯田市川路4992-1 で検索・設定する。
スタッフからのメッセージ
山崎嘉貴(やまざきよしたか)さん
ブレアサイクリングはロードバイクを少しでも快適に・速く乗ることができるようにアドバイスさせていただくお店を目指しています。せっかくロードバイクを購入されても、思ったよりもキツい、長距離が走れない、膝や腰を痛めてしまう方もいらっしゃいます。

ロードバイクは買って終わりではなく、その方の体型や柔軟性に合わせてポジションを出したり、乗りやすいフレームに替えることで、今までの自己流とは違い乗りやすさが格段にアップします。個人のプロショップというと敷居が高いと感じる方がいらっしゃるようですが、個人個人に合わせた提案がしっかりできますので、お気軽にお越しください。

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