Litespeed(ライトスピード)社を離れたデヴィット・リンスキー氏が設立したのがLynskey Performance Designs社。新ブランドながら高い工作精度と話題性でチタンバイク界で一躍脚光を浴びるリンスキーが、そのラインナップに共通の高い品質を維持しつつ作製したチタンフレームのエントリーモデルが“Cooper(クーパー)”だ。

Lynskey Cooper(1)Lynskey Cooper(1) photo:Makoto.AYANO

Lynskey/Cooper(クーパー)


クーパーは、オーバーサイズの異型ダウンチューブ、オーバーサイズの左右対称チェーンステイやストレートのチェーンステイにより、必要なフレーム剛性を確保している。

造形的に特徴的なのはエンド部分。クローバーの凝った彫刻調の細工がしてあるデザインだ。フレームサイズは6サイズ有り、トップチューブ実効長500(XS)からとラインナップも豊富。小柄な日本人のニーズを満たすラインナップだ。

基本の仕上げは「マットサテン・ステッカー」。渋めのルックスは、マニアックなバイカー心をくすぐるだろう。
エンド部分には凝った彫刻調の細工エンド部分には凝った彫刻調の細工 photo:Makoto.AYANOBB周りBB周り photo:Makoto.AYANO


細部のスペックはシートポスト31.6mm、フロントディレイラーバンド径34.9mm、11/8ヘッドチューブ、68mmJIS ボトムブラケット。定評のあるアルファQのストレートブレードカーボンフォークが付属|している。
アルファQのストレートブレードカーボンフォークが標準装備となるアルファQのストレートブレードカーボンフォークが標準装備となる photo:Makoto.AYANO


「長く付き合える、キビキビ走る軽快スポーツバイク」綾野 真cyclowired.jp「長く付き合える、キビキビ走る軽快スポーツバイク」綾野 真cyclowired.jp

インプレッション


踏んだパワーをしっかり受け止めるコシの強さ



カーボンバイク全盛の近年。あえて今、チタンフレームに求めるものは、金属フレームならではのしなり感や、タフさ、振動吸収性(快適性)だろうか。チタンバイクは錆や劣化に強く、永久品ともいわれている。

クーパーに乗って感じるのは、しっかり感だ。上級モデルに比べると、ある程度肉厚のあるフレームで、BB周りのしなり感はあまりない。むしろ、踏んだパワーをしっかり受け止めるコシの強さがある。加速感も程よく、とくに金属フレームだからといって遅いということもなく、きびきび走る。エントリーライダーならレーシングバイクとしても不満はとくにないだろう。

フォークは、アルファQのストレートブレードがセットされている。このフォークが頑強で優れもの。そして、メインフレームのキャラクターによくマッチしていて、バランスがいい。

インプレ車両が、トップチューブ長500mmのXSサイズ。その小ささゆえの剛性感もあるのだろうが、大きなフレームサイズの特性やバネ感が出るのかどうかも知りたいところ。

フレーム表面は梨地仕上げで、渋めのチタンバイクらしいフィニッシュだ。エンド部分には凝った彫刻調の細工がしてあり、購買意欲がそそられる。

価格は20万円を切っており、ライバルはパナソニックやヴァン・ニコラスだろう。創業者の出身社であるライトスピードは近年、高価格路線を突っ走っているイメージなので対抗しないとして、それらのなかではかなり健闘する価格設定だと感じる。

Lynskey CooperLynskey Cooper photo:Makoto.AYANO

Lynskey Cooper


価格:¥199,500(フレーム+Alpha Q CS-10 フォーク付属)
カラー:マットサン・ステッカー仕上げ
サイズ:XS・S・M・ML・L・XL
シートポスト内径:31.6mm
フロントディレイラーバンド径:34.9mm
11/8ヘッドチューブ
ボトムブラケット:68mmJIS

impression&photo:MakotoAYANO/cyclowired.jp