ロンドンパラリンピック自転車トラック競技2日目の31日、藤田征樹は個人追抜〔男子C3〕に出場し9位、石井雅史は1kmTT〔男子C4〜5〕に出場し6位となった。

■藤田の個人追抜、終盤伸びず9位

個人追抜を走る藤田征樹個人追抜を走る藤田征樹 (c)Yuko SATO

藤田は6組中3組目のスタート。個人追抜の男子C3クラスは3kmで行う。区間タイムは1kmで1分17秒081、2kmで1分16秒404、3kmで1分18秒258と終盤減速、順位は9位にとどまった。

■石井の1kmTT「負傷後の自己ベスト」

男子C4C5をひとつのレースとし、係数採用レースとなったロンドン大会の1kmTT。出場者22名が並ぶスタートリストを見ると「うわあ、このメンバーか…」と思うような手強い面々がずらり。

1kmTT(男子C4〜5)を走る石井雅史は6位に1kmTT(男子C4〜5)を走る石井雅史は6位に (c)Yuko SATO

2009年、イタリア・ボゴーニョでのロード世界選手権レース中の落車で重傷を負い、回復してまた競技に戻ってきたが思うようにタイムが出ず苦しんでいた石井。「今の状態で一から再スタートのつもりで」と語っていた石井は、事故後の「新生石井」にとってのベストタイムでフィニッシュ。自分との戦いである1kmTTという種目で、彼はしっかり結果を出した。男子C4クラスだけで見れば、このレースでのメダルが確実視されていた英国のジョディ・カンディのDNFという事態はあったにせよ、3位に相当するタイムだ。

審判の裁定に抗議する英国のスター選手ジョディ審判の裁定に抗議する英国のスター選手ジョディ (c)Yuko SATO■ジョディDNFの衝撃、英国を走る

1kmTT〔男子C4〜5〕では、英国のスター選手ジョディがスタートでスリップ。機材故障も、審判へのアピールもなかったとして再出走を認められずDNFに。英国側は発送機のトラブルを主張したが認められず、4年間の夢が一瞬で消えてしまったジョディは、カメラの前でボトルを投げ罵声をあびせ指を立て怒りをぶつけた(のちこのふるまいを謝罪した)。
この予想外の展開に英国メディアは騒然となった。この件は朝からBBCのニュースでもとりあげられていた。パラサイクリングの選手をクリス・ホイのようにひとりのスター選手として扱う、メディアのスタンスの違いを見せつけられる事件だった。

個人追抜〔男子C3〕

1位 Joseph BERENYI(米国)3分36秒148(世界記録)
2位 ショーン・マキュアン(英国)3分36秒427
3位 デヴィッド・ニコラス(オーストラリア)3分36秒757

9位 藤田征樹 3分51秒743


1kmTT〔男子C4〜5〕係数はC5=100%、C4=99.40%

1位 Alfonso CABELLO(スペイン)〔C5〕/実タイム1分05秒947(世界記録)/係数計算後タイム1分05秒947
2位 ジョン-アラン・バタワース(英国)〔C5〕/1分05秒985/1分05秒985
3位 リウシンヤン(中国)〔C5〕/1分07秒638/1分07秒638

6位 石井雅史〔C4〕/1分09秒659/1分09秒241

4年間の夢が一瞬で消えたジョディが悲しみにくれる4年間の夢が一瞬で消えたジョディが悲しみにくれる (c)Yuko SATO会場には石井雅史の応援旗が掲げられた会場には石井雅史の応援旗が掲げられた (c)Yuko SATO



Photo&Text Yuko SATO