8月17日、第45回ツール・ド・リムザン(UCI2.HC)の最終ステージで新城幸也(ユーロップカー)とジェレミー・ロワ(フランス、FDJ・ビッグマット)が終盤にアタック。後続を振り切った両者による総合争いは、同タイムで並ぶ接戦の末、ユキヤに軍配が上がった。

ツール・ド・リムザン2012で総合優勝した新城幸也(ユーロップカー)ツール・ド・リムザン2012で総合優勝した新城幸也(ユーロップカー) photo:Miwa.IIJIMA

補給スタッフからサコッシュを受け取る新城幸也(ユーロップカー)補給スタッフからサコッシュを受け取る新城幸也(ユーロップカー) photo:Miwa.IIJIMAフランス中南部、リムザン地域圏を舞台に、4日間の日程で開催されるツール・ド・リムザン。初開催は1968年で、現在はUCIヨーロッパツアーの中で最高カテゴリーであるHC(超級)ステージレースとして開催されている。

初日から3日間連続で先頭集団ゴールしたユキヤは、ステージ2勝&総合首位のユーレ・コチャン(スロベニア、チームタイプ1)から30秒遅れの総合37位で最終日を迎えた。

手を振る新城幸也とチームユーロップカーの選手たち手を振る新城幸也とチームユーロップカーの選手たち photo:Miwa.IIJIMA最終第4ステージはヴァレッツからリムザン地域圏の首府リモージュに至る173.9km。前半から常時アタックがかかるハイスピードな展開で、ユキヤもアタックで揺さぶる。最後の周回コースに入り、メイン集団から1分のリードを得た7名ほどの先頭グループから、ゴールまで10kmを残してロワとユキヤが飛び出した。

ラスト6km地点でロワはユキヤを引き離して先頭独走開始。ユキヤは諦めずに単独で追走する。ロワはそのまま先頭でゴールし、ステージ優勝を飾るとともにボーナスタイム10秒を獲得。ユキヤは21秒遅れのステージ2位に入り、ボーナスタイム6秒を獲得した。

これによりロワとユキヤは総合16時間48分30秒で並んだ。ステージレースで同タイムに並んだ場合は、それまでのステージ順位を積算し、より少ない選手が上位となる。これによりユキヤの総合優勝が決まった。

ユキヤは2006年と2008年大会で総合3位。2008年にはステージ優勝を飾っており、その時の走りが当時Bboxブイグテレコム移籍に繋がったとも言われる。

「チームは毎日的確な逃げに選手を送り込んできた。昨日もヨアン・ジェーヌがラスト300mで吸収されるまで150kmにわたって逃げている。今日ユキヤは勇敢な走りを見せた。その報いが総合優勝だ」。ユーロップカーのモティエ・イスマエル監督はユキヤの走りを賞賛する。


新城幸也のコメント
「2006年、21歳の僕はレースで新人賞、そして、総合3位。2008年にヨーロッパでプロ初勝利もこのレース。そして、
6年経って総合優勝することが出来ました!!本当にうれしいです。
ゴールした時には区間優勝ではなかったので総合2位だと思っていたのですが『総合優勝はユキヤアラシロ』ってアナウンスを聞いた時は鳥肌がたちました(笑)。
今回のリムザンは僕たちのチームが一番きちんと機能していたと思います。毎ステージ、必ず誰かが逃げに乗り、第2ステージはセバスチャン・チュルゴーが残り2km、第3ステージはヨハン・チョップが残り300mまで粘りました。区間優勝こそなかったものの、最終日のこの総合優勝という一番大きな勝利がチームが機能していた証です。
今週は連日38℃を超え、体力の消耗も激しかったですが、ボトルを運んでくれたり、動いてくれたみんなに感謝します。そして、いつも応援してくださっている皆さんに、良い報告ができることが本当にうれしいです。この勢いで、26日のGPプルエーと世界選手権まで狙っていきたいです。」

スタート前に特別賞を受け取る新城幸也(ユーロップカー)スタート前に特別賞を受け取る新城幸也(ユーロップカー) photo:Miwa.IIJIMA第3ステージを33位でゴールする新城幸也(ユーロップカー)第3ステージを33位でゴールする新城幸也(ユーロップカー) photo:Miwa.IIJIMA


ツール・ド・リムザン2012ステージ結果

8月14日(火)第1ステージ リモージュ〜ラ・ストゥレーヌ 162.1km
1位 ユーレ・コチャン(スロベニア、チームタイプ1)              3h50'23"
2位 ジュリアン・シモン(フランス、ソール・ソジャサン)
3位 エドゥアルド・セプルベダ(アルゼンチン、FDJ・ビッグマット)
4位 グレゴリー・アボー(ベルギー、アクセントジョブス)
5位 ファビアン・シュミット(フランス、ルーベリール)
20位 新城幸也(日本、ユーロップカー)                       +10"
67位 ジェレミー・ロワ(フランス、FDJ・ビッグマット)

ツール・ド・リムザン2012 第1ステージを制したユーレ・コチャン(スロベニア、チームタイプ1)ツール・ド・リムザン2012 第1ステージを制したユーレ・コチャン(スロベニア、チームタイプ1) photo:Miwa.IIJIMA第1ステージを20位でゴールする 新城幸也(日本、ユーロップカー)第1ステージを20位でゴールする 新城幸也(日本、ユーロップカー) photo:Miwa.IIJIMA


第2ステージを制したエヴァルダス・シスケヴィシウス(リトアニア、ラポム・マルセイユ)第2ステージを制したエヴァルダス・シスケヴィシウス(リトアニア、ラポム・マルセイユ) photo:Miwa.IIJIMA8月15日(水)第2ステージ オラドゥール・シュル・グラヌ〜サンジュニアン 186km
1位 エヴァルダス・シスケヴィシウス(リトアニア、ラポム・マルセイユ)     4h17'49"
2位 ステヴォン・トロネ(オベール93)
3位 ジュリアン・シモン(フランス、ソール・ソジャサン)
4位 ジェレミー・ギャラン(フランス、ソール・ソジャサン)
5位 レイネ・ホーニグ(オランダ、ランドバウクレジット)
49位 新城幸也(日本、ユーロップカー)
86位 ジェレミー・ロワ(フランス、FDJ・ビッグマット)              +28"

8月16日(木)第3ステージ ジュミアック・ル・グラン〜トレリサック 189.1km
1位 ユーレ・コチャン(スロベニア、チームタイプ1)              4h36'32"
ツール・ド・リムザン2012 第3ステージを制したユーレ・コチャン(スロベニア、チームタイプ1)ツール・ド・リムザン2012 第3ステージを制したユーレ・コチャン(スロベニア、チームタイプ1) photo:Miwa.IIJIMA2位 アルミンド・フォンセカ(フランス、ブルターニュ・シュレー)
3位 ジュリアン・シモン(フランス、ソール・ソジャサン)
4位 フレディ・ビショ(フランス、ヴェランダリドー)
5位 ニコライ・トルソーフ(ロシア、ルスヴェロ)
33位 新城幸也(日本、ユーロップカー)
41位 ジェレミー・ロワ(フランス、FDJ・ビッグマット)

8月17日(金)第4ステージ ヴァレッツ〜リモージュ 173.9km
1位 ジェレミー・ロワ(フランス、FDJ・ビッグマット)             4h03'21"
2位 新城幸也(日本、ユーロップカー)                       +21"
3位 アントニー・ジェラン(フランス、FDJ・ビッグマット)             +26"
4位 ジェレミー・ギャラン(フランス、ソール・ソジャサン)             +28"
5位 ステヴォン・トロネ(オベール93)                       +30"

カテゴリー2級の山岳最後の周回までは集団で冷静に走る新城幸也(ユーロップカー)カテゴリー2級の山岳最後の周回までは集団で冷静に走る新城幸也(ユーロップカー) photo:Miwa.IIJIMAユーロップカーのチームメイトと乾杯する新城幸也ユーロップカーのチームメイトと乾杯する新城幸也 photo:Miwa.IIJIMA


最終総合成績
1位 新城幸也(日本、ユーロップカー)                    16h48'30"
2位 ジェレミー・ロワ(フランス、FDJ・ビッグマット)
3位 ファビアン・シュミット(フランス、ルーベリール)               +02"
4位 マチュー・ペルジェ(フランス、アージェードゥーゼル)             +06"
5位 ステファン・デニフル(オーストリア、ヴァカンソレイユ・DCM)        +07"
6位 アントニー・ジェラン(フランス、FDJ・ビッグマット)
7位 ステヴォン・トロネ(オベール93)                       +09"
8位 ジェレミー・ギャラン(フランス、ソール・ソジャサン)             +13"
9位 アレクセイ・サラモティンス(ラトビア、コフィディス)             +15"
10位 ギヨーム・フォーコン(フランス、オベール93)                +17"

text:Kei Tsuji,Miwa.IIJIMA 
edit:Makoto.AYANO
photo:Miwa.IIJIMA

最新ニュース(全ジャンル)