ツアー・オブ・カリフォルニア第2ステージは、リーダージャージを着るペーター・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール)が集団スプリントで勝利。中盤での落車をものともしない圧倒的な爆発力でステージ2連勝を飾った。

ゴールデンゲートブリッジを背景にスタートしていくゴールデンゲートブリッジを背景にスタートしていく (c)Mark Jonson/CorVos5月14日に開催されたツアー・オブ・カリフォルニア第2ステージは、アメリカ西海岸を代表する世界都市の一つサンフランシスコから南下し、モントレー湾に面した港町サンタクルス-カウンティへと至る188.5kmだ。

カリフォルニア西海岸を走るメイン集団カリフォルニア西海岸を走るメイン集団 (c)Mark Jonson/CorVosコースは中盤までフラット基調だが、124km地点に1級山岳エンパイアグレードと、155km地点に2級山岳ベアークリークを控える重量級ライダーにとっては苦しいステージだ。ダウンヒルを経て最後は再び平坦となるため、山岳を生き残ったスプリンターによるゴール勝負が繰り広げられるものと予想された。

太平洋を望むカブリロ・ハイウェイを南下する太平洋を望むカブリロ・ハイウェイを南下する (c)Mark Jonson/CorVos曇り空のロサンゼルス。サンフランシスコの象徴であるゴールデンゲートブリッジを背後に128名の選手がスタートを切った。

逃げグループを率いるアレクサンドル・ジェニエ(フランス、アルゴス・シマノ)逃げグループを率いるアレクサンドル・ジェニエ(フランス、アルゴス・シマノ) (c)Mark Jonson/CorVosこの日は序盤からアタックが決まる。アレクサンドル・ジェニエ(フランス、アルゴス・シマノ)とトム・ザーベル(アメリカ、オプタムプロサイクリング)が集団から抜け出し1分半ほどのタイム差をつけたものの、協調体勢の取れない2名はやがて吸収。

ガーミン・バラクーダやレディオシャック・ニッサンがペースを挙げるメイン集団ガーミン・バラクーダやレディオシャック・ニッサンがペースを挙げるメイン集団 (c)Mark Jonson/CorVos西海岸に沿って走るカブリロ・ハイウェイを南下する集団からは、ロイド・モンドリー(フランス、アージェードゥーゼルラモンディアール)、ブラッドリー・ホワイト(アメリカ、ユナイテッドヘルスケア)ら6名が新たなる抜け出しに成功。この中には序盤逃げていたジェニエの姿もあった。

逃げる6名は協力して8分ほどのタイム差を稼ぎだしたが、メイン集団ではカテゴリー1級のエンパイアグレードに至る上りでガーミン・バラクーダ勢がコントロールを開始。

他チームのスプリンターを引き離しハインリッヒ・ハウッスラー(オーストラリア)を勝利へ導くためのこの動きによって、タイム差は徐々に縮小していく。やがて先頭からはこの動きを嫌ったジェニエが飛び出し、単独先頭に立った。

ロビー・マキュアン(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)らが脱落していく集団では落車が発生し、リーダージャージを着るサガンもこの中に。幸い大きなアクシデントにはならず、追走の後集団復帰を果たした。

続く2級山岳ベアークリークでもこのレースの構図は変わらず。トム・ボーネン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)はここでメイン集団から脱落した。

60名程度にまで人数を減らした集団は、ゴールまで35kmを残して単独粘っていたジェニエをキャッチし徐々にゴールスプリント体勢へ。

残り10kmを切ると、サガンの2連勝を狙うリクイガス・キャノンデールがトレインを形成してペースコントロールを開始。土井雪広(アルゴス・シマノ)もクーン・デコルト(オランダ)の位置取りため集団前方で積極的に動きを見せる。

ゴールスプリントを制したペーター・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール)ゴールスプリントを制したペーター・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール) (c)Mark Jonson/CorVosラスト2.6km地点でのロリー・サザーランド(オーストラリア、ユナイテッドヘルスケア)のアタックをきっかけに集団の統率は崩れ、各チーム入り乱れる混沌とした状態に。

そしてラスト200mで表れた直角右コーナーをベストラインで通過したのはサガン。一気に先頭に踊り立つと、コーナー出口でついた2車身ほどの差は最後まで縮まらなかった。後ろを振り返る余裕を見せたサガンが余裕のガッツポーズ。開幕からステージ2連勝を達成し、ボーナスタイムで総合リードを広げることにも成功した。


ステージ2連勝を飾ったペーター・サガン(イタリア、リクイガス・キャノンデール)のコメント
「カリフォルニアでの成績はとても嬉しいよ。スタートからとてもうまく行っているね。僕のために良い働きをしてくれたチームメイトへ感謝したい。厳しい山岳ステージが始まる前にもう1勝できるのではと思っているよ。山岳ではニーバリをチーム全員でフォローしていく。

ステージ2連勝を飾ったペーター・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール)ステージ2連勝を飾ったペーター・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール) (c)Mark Jonson/CorVos1位ペーター・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール)、2位ハインリッヒ・ハウッスラー(オーストラリア、ガーミン・バラクーダ)、3位リー・ハワード(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)1位ペーター・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール)、2位ハインリッヒ・ハウッスラー(オーストラリア、ガーミン・バラクーダ)、3位リー・ハワード(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) (c)Mark Jonson/CorVos


同タイムのステージ28位でゴールした土井雪広(アルゴス・シマノ)は、自身のTwitterで次のようにコメントしている。
「調子もどった(^^)最後はクーンのスプリントで行ったから前に連れて行って僕はスプリントしなかったけど、調子は良い(^^)明日は山がちょっと長いからどうなるかわからないけど、頑張りますー!リエージュぶりの強度で足が筋肉痛(・_・;笑」



ツアー・オブ・カリフォルニア2012第2ステージ結果
1位 ペーター・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール) 5h02'00"
2位 ハインリッヒ・ハウッスラー(オーストラリア、ガーミン・バラクーダ)
3位 リー・ハワード(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
4位 クーン・デコルト(オランダ、アルゴス・シマノ) 
5位 フレッド・ロドリゲス(アメリカ、チームエクセルジー)
6位 フレフ・ファンアフェルマート(ベルギー、BMCレーシング)
7位 ローソン・クラドック(ボントレガー・リブストロング)
8位 マーク・デマール(オランダ、ユナイテッドヘルスケア)
9位 トム・デュムラン(オランダ、アルゴス・シマノ)
10位 ペーター・ベリトス(スロバキア、オメガファーマ・クイックステップ)

個人総合成績
1位 ペーター・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール) 9h44'15"
2位 ハインリッヒ・ハウッスラー(オーストラリア、ガーミン・バラクーダ) +08″
3位 リー・ハワード(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) +13″
4位 ジェフリー・ラウダー(アメリカ、ユナイテッドヘルスケア) +14″
5位 フレッド・ロドリゲス(アメリカ、チームエクセルジー) +16″
6位 ベンジャック・メイネス(アメリカ、ビッセル) 
7位 マーク・デマール(オランダ、ユナイテッドヘルスケア) +17″
8位 マルケル・イリサール(スペイン、レディオシャック・ニッサン) +19″
9位 ジョシュ・アトキンス(ニュージーランド、ボントレガー・リブストロング)
10位 フレフ・ファンアフェルマート(ベルギー、BMCレーシング) +20″

山岳賞
デイヴィッド・ボイリー(カナダ、スパイダーテック)

ポイント賞
ペーター・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール)

新人賞
ペーター・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール)

チーム総合成績
BMCレーシング


text:So.Isobe
photo:Mark Jonson/CorVos

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