森林限界を越える山頂ゴールで開催国トルコのチームに所属するイヴァイロ・ガブロフスキー(ブルガリア、コンヤ・トルク)が独走勝利し、リーダージャージも獲得した。宮澤崇史(サクソバンク)はグルペットで完走し、明日からのレースに備える。

美しいトルコ南部を走る選手たち美しいトルコ南部を走る選手たち (c)Sonoko.TANAKA

海沿いのアンタルヤから第3ステージがスタート海沿いのアンタルヤから第3ステージがスタート (c)Sonoko.TANAKA海沿いのアンタルヤから標高1,850mまで駆け上がる

トルコ南部の山岳地帯をいく選手たちトルコ南部の山岳地帯をいく選手たち (c)Sonoko.TANAKAアンタルヤからエルマリまで153kmで開催された第3ステージは、2級山岳、1級山岳を越えたあとに、大会史上初となる標高1,850m、1級山岳での頂上ゴールが用意された。事前情報に乏しく、どのようなコースなのか、選手たちは少しの不安を抱えながら、ビーチサイドに設置されたスタートラインに立った。

スタート直後から、昨ステージに引き続いて逃げに乗りたいアレクサンドル・ヴィノクロフ(カザフスタン、アスタナ)らがアタックを仕掛けて、序盤に5人の逃げが形成された。しかし9km地点、1つ目の山岳ポイントを越えると5人は集団に吸収されて、あっという間にレースは振り出しに戻った。

集団前方で山岳ポイントをめざすマシュー・ゴス(オーストラリア、グリーンエッジ)集団前方で山岳ポイントをめざすマシュー・ゴス(オーストラリア、グリーンエッジ) (c)Sonoko.TANAKA30km地点を前に、マルコ・バンディエラ(イタリア、オメガファーマ・クイックステップ)、トニー・ユレル(フランス、ユーロップカー)、レオナルド・ジョルダーニ(イタリア、ファルネーゼヴィーニ)ら6選手が先行し、これがこの日の決定的な逃げとなった。40km地点で集団との差は2分30秒、最大タイム差は本格的な上りを前にした60km地点で5分ほどをマークした。76km地点の1級山岳ではバンディエラが首位通過し、山岳賞2位に浮上する。その後も果敢に逃げ続けるが、山頂ゴールに向けての本格的な登坂区間を前に、活発に動き始めた集団に吸収された。

レースは終盤に向け、山岳民族が住む美しい岩山に囲まれ始めた。険しい切り立った山のなかを貫く細い一本道がレースのコース。沿道にはたくさんの住民たちがトルコ国旗を持って集まっていた。


集団内で走る宮澤崇史(サクソバンク)集団内で走る宮澤崇史(サクソバンク) (c)Sonoko.TANAKAトルコ国歌が響くなかガブロフスキーが独走フィニッシュ

そして総合順位に大きく影響するクイーンステージで、早くも動いたのは34歳、開催国トルコのコンチネンタルチームに所属するイヴァイロ・ガブロフスキー(ブルガリア、コンヤ・トルク)。ゴールまで8kmを残して単独でアタックをかけると、追走を許さなかった。「ほかの選手たちは残り3kmまで動かないと思っていたので、自分の運を試すことにしたんだ」とガブロフスキーは振り返る。

独走で第3ステージを制したイヴァイロ・ガブロフスキー(ブルガリア、コンヤ・トルク)独走で第3ステージを制したイヴァイロ・ガブロフスキー(ブルガリア、コンヤ・トルク) (c)Sonoko.TANAKAその後、集団からアレクサンドル・ディアチェンコ(カザフスタン、アスタナ)やロメン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼル)が追走するが、ガブロフスキーはその差を広げながら、単独で多くの観客が集まったフィニッシュラインに飛び込みステージ優勝を挙げ、リーダージャージをマシュー・ゴス(オーストラリア、グリーンエッジ)から奪った。その後、1分29秒差でディアチェンコ、1分32秒差でダニエル・アンドロフ(ブルガリア、カハルラル)が続いた。


ガブロフスキーの勝利を疑問視する声も…

新しくレースリーダーとなったイヴァイロ・ガブロフスキー(ブルガリア、コンヤ・トルク)新しくレースリーダーとなったイヴァイロ・ガブロフスキー(ブルガリア、コンヤ・トルク) (c)Sonoko.TANAKA自国トルコのチームがクイーンステージを制したことで、観客やレース主催者は大喜びで勝者を迎え入れたが、ジャーナリストのあいだでは、多くのプロチームやプロコンチネンタルチームが集うハイレベルなレース、そしてそのクイーンステージでコンチネンタルチームに所属する選手が、これだけのタイム差をもって制したことに、いくらかの疑いの目が向けられていることも事実だ。

ガブロフスキーはこれまでに国際レースで48勝を挙げているが、その一方で血液ドーピング検査で異常値が検出された過去をもつ。現在はコンチネンタルチームに所属するため、バイオロジカルパスポートを提出する必要はない。レース後に「自分を信じてくれたチームやチームのオーナーに感謝したい」と述べている。この勝利がクリーンであることを祈るばかりだ。

そして明日からはリーダージャージを守る立場になる。「持っている力をすべて使って、ジャージを守りたい」と話すガブロフスキー。主要チームがゴールスプリントの展開を望んでいるため、比較的守りやすいかと思われるが、格下チームに総合優勝させたくないと思う強豪チームの意地もあるだろう。第4ステージはフェトヒイェからマルマリスまでの132km、基本的にフラットだが、前半に2級山岳が含まれる。

ポイント賞はマシュー・ゴス(オーストラリア、グリーンエッジ)がキープポイント賞はマシュー・ゴス(オーストラリア、グリーンエッジ)がキープ (c)Sonoko.TANAKAグルペットでゴールした宮澤崇史(サクソバンク)グルペットでゴールした宮澤崇史(サクソバンク) (c)Sonoko.TANAKA

ツアー・オブ・ターキー2012 第3ステージ結果
1位 イヴァイロ・ガブロフスキー(ブルガリア、コンヤ・トルク)4h21'09"
2位 アレクサンドル・ディアチェンコ(カザフスタン、アスタナ) +01'29"
3位 ダニエル・アンドロフ(ブルガリア、カハルラル) +01'32"
4位 エイドリアン・パロマルス(スペイン、アンダルシア) +01'34"
5位 ロメン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼル) +01'51"
6位 アレクサンドル・エフィムキン(ロシア、タイプ1) +02'13"
152位 宮澤崇史(サクソバンク)+31'07"

個人総合成績
1位 イヴァイロ・ガブロフスキー(ブルガリア、コンヤ・トルク)10h43'04"
2位 アレクサンドル・ディアチェンコ(カザフスタン、アスタナ) +01'33"
3位 ダニエル・アンドロフ(ブルガリア、カハルラル) +01'38"
4位 エイドリアン・パロマルス(スペイン、アンダルシア) +01'44"
5位 ロメン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼル) +02'01"
6位 アレクサンドル・エフィムキン(ロシア、タイプ1) +02'23"
133位 宮澤崇史(サクソバンク)+31'17"

ポイント賞
マシュー・ゴス(オーストラリア、グリーンエッジ)

山岳賞
イヴァイロ・ガブロフスキー(ブルガリア、コンヤ・トルク)

ターキッシュビューティ賞
マッテオ・フェディ(イタリア、ユナイテッドヘルスケア)

チーム総合成績
アスタナ


photo & text : Sonoko.Tanaka

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