大盛況を見せたCyclo Cross Tokyo2012。エリート男子優勝者ベン・ベルデン(ベルギー、Ops Ale-Stoemper)と2位のティモシー・ジョンソン(アメリカ、キャノンデールpbシクロクロスワールド.com)のCXバイクに迫ってみた。

ベン・ベルデンのアルミクロスマシンStomper Ronny

ベン・ベルデン(ベルギー、Ops Ale-Stoemper)の駆るStomper・Ronnyベン・ベルデン(ベルギー、Ops Ale-Stoemper)の駆るStomper・Ronny

ベルギーのベテランCX選手ベン・ベルデンが駆るのはStoemperのアルミ製シクロクロスバイク「Ronny」。「ベルギーのDNAをもち、アメリカでハンドビルドする」というポリシーを持つ、オレゴン州はスプリングフィールドに工房を構える小さなバイクブランドだ。アメリカに活躍の舞台を移して走るベルギー出身のベン・ベルデンが同工房のバイクに乗るのは、ある意味非常にフィットするスポンサードと言えるかもしれない。

マッシブな上下異形テーパードヘッドチューブを採用するマッシブな上下異形テーパードヘッドチューブを採用する メインバイクのブレーキレバーはシマノとスラムのミックス  フロントメカは抜かれているメインバイクのブレーキレバーはシマノとスラムのミックス フロントメカは抜かれている


ベルデンは今回の来日に2台のバイクを持ち込んだ。クローズアップするのはアメリカでもメインで使用するバイク。スチールとアルミを得意とする工房で、Ronnyは7000系アルミをトリプルバテッド化したチューブを用いる。ヘッドマークにはブランドイニシャルの"S"と、「ゴジラ」そっくりの恐竜がモチーフとなっている。

ハンドル周りはFSA製品で固められる バーテープはフィジークハンドル周りはFSA製品で固められる バーテープはフィジーク ホイールはFSA、タイヤはクレメンのPDX33mmチューブレスホイールはFSA、タイヤはクレメンのPDX33mmチューブレス


カーボン製ガードが備わるチェーンリング 歯数は42Tシングルだカーボン製ガードが備わるチェーンリング 歯数は42Tシングルだ チェーン落ちを防ぐK-edge製アルミガードを使用するチェーン落ちを防ぐK-edge製アルミガードを使用する


特徴的なのはブレーキレバーにシマノとスラムを使用していること。フロントシングルギアのバイクを常用するベルデンにとって、片側レバーはブレーキのみにしか使わない。軽量化のために内部のメカは抜かれている。

本来フロントディレーラーが備わる部分にはK-edge製チェーン脱落防止ガードが取り付けられ、アウターギア板の替わりにカーボン製ガードがセットされる。ホイールにはFSAのカーボンディープを用い、タイヤはサイドにTUBELESSの記載があるクレメンのPDX33mmを使用。

砂地用タイヤを履くベン・ベルデン(ベルギー、Ops Ale-Stoemper)のスペアバイク砂地用タイヤを履くベン・ベルデン(ベルギー、Ops Ale-Stoemper)のスペアバイク

こちらはカラーリング違いのベルデンのサブバイク。こちらのバイクはSRAM・シマノ混成のメインバイクに対して、左右両レバー共にシマノ製だ。メインバイクと同じくフロントシングル仕様で、フロントメカは軽量化のため抜かれている。タイヤはクレメンのコブの低いサンド用タイヤを履く。砂地の多いCyclo Cross Tokyoのコースではこちらのバイクを主に使用していた。ペダルはシマノ・DeoreXT。

K-edge製チェーン脱落ガードを装備するK-edge製チェーン脱落ガードを装備する サンド用バイクを駆るベン・ベルデン(ベルギー、Ops Ale-Stoemper)サンド用バイクを駆るベン・ベルデン(ベルギー、Ops Ale-Stoemper)


Stomper製バイクは日本未入荷だが、リドレーなどの日本代理店を務めるJPスポーツグループで正規輸入が可能とのことだ。




ティモシー・ジョンソンのキャノンデール・スーパーX

ティモシー・ジョンソン(アメリカ、キャノンデールpbシクロクロスワールド.com)のキャノンデール・スーパーXティモシー・ジョンソン(アメリカ、キャノンデールpbシクロクロスワールド.com)のキャノンデール・スーパーX

アメリカのシクロクロス・レジェンド、ティム・ジョンソンが駆るのはキャノンデールが誇る世界最軽量クラスのカーボン製シクロクロスバイク、スーパーXだ。スーパーXは一昨年にアメリカで華々しくデビューしたハイモッド(ハイモジュラス)製のフルカーボンバイクで、振動を吸収するマイクロサスペンション「スピードSAVE」テクノロジーなど、リクイガス・キャノンデールが駆るスーパーシックスEVOと同等クラスの素材とテクノロジーがフルに搭載されている。

特別カラーのグリーンに塗られるスラム・RED特別カラーのグリーンに塗られるスラム・RED Zippサービスクルスステム&カーボンハンドルを使用するZippサービスクルスステム&カーボンハンドルを使用する


シクロクロス用のスラム・REDチェーンリングシクロクロス用のスラム・REDチェーンリング 32cのドゥガスト製ハンドメイドタイヤを採用32cのドゥガスト製ハンドメイドタイヤを採用


採用されているスラム・REDは、キャノンデールのブランドカラーに併せて特別色のグリーン仕様でコーディネイトされている。Zippホイール+Dugastのハンドメイドタイヤ、Zippサービスクルスステム&カーボンハンドル、Zippカーボンピラー、Prorogoスクラッチサドルなど、チーム契約外メーカーのパーツを使わない標準的な仕様だ。ペダルにはシマノXTRを採用する。

ホイールはZipp303を使うホイールはZipp303を使う ボリュームを持たせた作りのヘッドチューブ。ブレーキはSRAMグループのAvidボリュームを持たせた作りのヘッドチューブ。ブレーキはSRAMグループのAvid サドルはプロロゴ・スクラッチサドルはプロロゴ・スクラッチ


日本でのターゲットユーザーが少ないことで2011年度は輸入が見送られた経緯があるが、2012年からはキャノンデール・ジャパンによって輸入が開始されている。


text:Makoto.AYANO、So.Isobe
photo:Makoto.AYANO

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