2月13日、埼玉県吉見運動公園でGPミストラル第5戦が行われ、小坂光(宇都宮ブリッツェン)が独走で優勝しクロスシーズンを締めくくった。全5戦からなる年間総合王者には2勝を挙げた池本真也(和光機器-AUTHOR)が昨年に続き輝いている。

エンジョイライドにはヒーロー・ヒロイン勢揃い!エンジョイライドにはヒーロー・ヒロイン勢揃い! photo:Makoto Ayano全5戦からなるGPミストラルの最終戦となる第5戦。前日に東京・お台場でCyclo Cross Tokyo 2012が開催され、昨今のシクロクロスムーブメントの盛り上がりを象徴するものであったが、関東のシクロクロスシーンを近年盛り上げてきたのはこのGPミストラル。それを表すようにカテゴリー3は募集開始後すぐに満員という盛況ぶりだ。

世界チャンピオンの荻島美香さんにはアルカンシェル色の花束が贈呈された世界チャンピオンの荻島美香さんにはアルカンシェル色の花束が贈呈された photo:Makoto Ayanoお台場のレースを盛り上げた年代別シクロクロス世界チャンピオンの荻島美香さんによるシクロクロススクールの開催や、たくさんの仮装ライダーの参加が目立ったエンジョイライドの開催など、イベントの充実度も増しているGPミストラル。協賛企業によるブースや観客の数も増えており、もはや一定以上に定着した感がある。

C1 一周目から積極的にリードする丸山厚(MASSA-FOCUS-SUPER B)2番手に鈴木祐一(042-703-9122-A)C1 一周目から積極的にリードする丸山厚(MASSA-FOCUS-SUPER B)2番手に鈴木祐一(042-703-9122-A) photo:Makoto AyanoC1には招待選手として関西シクロクロス堺大会優勝の丸山厚(MASSA-FOCUS-SUPER B)が参加。スタートラインに並んだシクロクロス上位の常連、小坂光(宇都宮ブリッツェン)やXCのトップエリート選手である小野寺健(TEAM SPECIALIZED)といった強豪選手を迎え撃つのは、昨年のミストラル総合王者の池本真也(和光機器-AUTHOR)を筆頭とする関東勢。

C1 2周目で丸山に追いついた小坂光(宇都宮ブリッツェン)がマッドセクションを走るC1 2周目で丸山に追いついた小坂光(宇都宮ブリッツェン)がマッドセクションを走る photo:Makoto Ayano暴風と呼べるほどの強い風が吹き荒れ、肌を切るような寒さとなったこの日の吉見運動公園。一日中止むことの無い風と、連続するテクニカルな登り返し、そして足首よりも深く長い泥沼区間がこの日のレースを決めるファクターとなった。

GPミストラル2011-2012シーズン総合表彰台 チャンピオンに輝いたのは池本真也(和光機器-AUTHOR)2位に合田正之(cycleclub 3UP)GPミストラル2011-2012シーズン総合表彰台 チャンピオンに輝いたのは池本真也(和光機器-AUTHOR)2位に合田正之(cycleclub 3UP) photo:Makoto Ayanoスタートダッシュで飛び出したのは丸山。これに続くのは鈴木祐一(042-703-9122-A)、池本、中間森太郎(チーム埼玉県人)、小坂。一周目を終える頃には小坂が単独2番手に躍り出て、2周回目に丸山に合流。先頭パックを形成する。

レースが動いたのは序盤の3周目。丸山との距離を計っていた小坂が飛び出し先頭に立つと、じりじりとその差を開き始める。後方では池本と中間の2名に追い上げてきた合田正之(cycleclub 3UP)が追いつき、3名の追走パックが形成される。小坂は丸山に対して10秒ほどの差を持って4周目に入る。

なおも踏み込み続ける小坂は丸山に20秒の差をつけると、その差が変動せずにレースは残り周回数を減らしていく。後方では池本がパックから抜け出し、合田、中間、江下健太郎(EsperanceStage/WAVE ONE山口)と続く。前日のCyclo Cross Tokyo 2012では海外選手のみならず同世代の全日本チャンピオン竹之内悠(Team EURASIA-FONDRIEST Bikes)にまでラップされ、その悔しい気持ちを力に変えた小坂は、さらに丸山との差を開いていく。

クレバーに走り切った小坂が独走のまま初参加のGPミストラルで優勝を果たした。2位には丸山、3位には池本が入り表彰台を獲得。池本はこれにより今シーズンのGPミストラル全5戦で3位、1位、3位、1位、3位とコンスタントな上位成績を収め、昨年に続き年間総合成績の王者に輝いた。

小坂はこの日、大会の招待選手ではなかったが、前日のCycloCrossTokyoでの自分の走りに不満を持っていた所、ファンの説得でミストラルへの参戦を急遽決めたという。お台場では竹之内悠に周回遅れを喫したが、ここ吉見でその悔しさを晴らすことができた。



クロスシーズン最終戦で優勝を飾った小坂光(宇都宮ブリッツェン)クロスシーズン最終戦で優勝を飾った小坂光(宇都宮ブリッツェン) photo:Makoto Ayano優勝した小坂光(宇都宮ブリッツェン)
「2人になってから余力があったので、昨日のお台場のレースが散々だった悔しさを晴らそうと思って、ガンガン行こうと決めていました。昨日の疲れは無かったです。テクニカルなところ、踏むところがあって楽しいコースでした。泥区間ではバイクを汚さないように担いで走りました。

(今シーズンを振り返って)毎年のことですが、全日本選手権を目標に走ってきました。今年は社会人になった最初の年で、仕事を始めたから弱くなったとは感じていないのですが、それ以上に竹之内が強くなっていて、彼が日本に帰ってきてから差を実感させられ、もっとストイックにやらないといけないと考えさせられました。

(来年の展望)宇都宮ブリッツェンで来年も引き続きサポートしてもらえることになり、仕事も2年目に入り練習のやり方も工夫できるようになるので、全日本での優勝を目指していきたいと思います」

GPミストラル参加者でパチリ。来年が待ちきれない!GPミストラル参加者でパチリ。来年が待ちきれない! photo:Makoto Ayano

GPミストラル2011-2012第5戦結果

【Category Cadet (C-U10+C)】
順位 ゼッケン 名前 チーム名
1 186 綾野 尋 チバポンズ
2 181 中島 瞳 Team the MONKEY’S
3 185 高本 周埜 Team-K

【Category U10 (C-U10+C)】
順位 ゼッケン 名前 チーム名
1 193 高本 亮太 Team-K
2 188 中島 渉 Team the MONKEY’S
3 189 水上 陽登 cycleclub 3UP


【Category 3 (C-3A+U14)】
順位 ゼッケン 名前 チーム名
1 9 大瀬戸芳和 W.V.OTA
2 5 政井 亮一 TEAM 轍屋
3 55 下田 武 サイクルメイトカミヤ
4 41 名原 隆夫
5 7 森下 奏 042-703-9122-A
6 103 山口 大輔 GRUPPO ACQUA TAMA
7 58 嶋田 進 Team 奥州
8 23 森山 勝徳 042-703-9122-C
9 53 関根 玲
10 73 北澤 純 TeamARI

【Category U14 (C-3A+U14)】
順位 ゼッケン 名前 チーム名
1 110 織田 聖 equipe mistral jeune
2 109 川野 太雅 Team-K
3 105 藤垣 人也 MAX SPEED97

【Category L1 (C-M+L1+L2)】
順位 ゼッケン 名前 チーム名
1 115 荻島 美香 アライレーシング
2 114 綿貫 通穂 臼杵レーシング

【Category L2 (C-M+L1+L2)】
順位 ゼッケン 名前 チーム名
1 119 横内 恵 Team Dirty Wheels
2 120 綿野 久美子 kei’spower!
3 124 武田 和美 ARAI MURACA TEAM B
4 128 綾野 桂子 チバポンズ
5 122 藤森 なおみ TEAM宝塚線
6 123 橋口 陽子

【Category Master (C-M+L1+L2)】
順位 ゼッケン 名前 チーム名
1 265 小田島 貴弘 Club SY-Nak
2 248 羽鳥 和重 サイクルクラブ3UP
3 254 富田 道夫 シロクマカフェレーシング
4 261 坂手 潤一 BOUNCE
5 235 米山 修 チーム埼玉県人
6 230 小俣 康司 臼杵レーシング
7 240 巳波 一郎 Euro-Works
8 229 伴 肇 臼杵レーシング
9 225 渡辺 信吾 cycleclub 3UP
10 257 谷 淳一 club SY-Nak

【Category 3 (C-3B+Y)】
順位 ゼッケン 名前 チーム名
1 54 鈴木 卓史 スズパワー
2 6 橋口 潤一郎 TEAM 轍屋
3 100 浅香 隆幸 TeamCUORE
4 22 柳堀 伸 Rise-Ride
5 62 佐藤 修平 SPECIALIZED JAPAN
6 46 塚田 幸司 TeamCUORE
7 10 藤森 義真 チーム埼玉県人
8 43 中島 崇行 equipe mistral
9 78 金子 恵治 TEAM TAMAGAWA
10 16 吉本 司 synerzy

【Category Junior (C-2+J)】
順位 ゼッケン 名前 チーム名
1 176 前田 公平 HARO/ENDLESS/ProRide
2 175 山田 誉史輝 HAPPYRIDE
3 178 木下 大輝 千葉経済大学附属高等学校

【Category 1 (C-1)】
順位 ゼッケン 名前 チーム名
1 292 小坂 光 宇都宮ブリッツェン
2 208 丸山 厚 MASSA-FOCUS-SUPER B
3 224 池本 真也 和光機器-AUTHOR
4 196 合田 正之 cycleclub 3UP
5 222 江下 健太郎 EsperanceStage/WAVE ONE山口
6 201 中間 森太郎 チーム埼玉県人
7 220 小野寺 健 TEAM SPECIALIZED
8 198 大江 良憲 TEAM 轍屋
9 199 鈴木 祐一 042-703-9122-A
10 210 中里 仁 湘南ベルマーレ
11 205 山川 惇太郎
12 215 代田 和明 VOLCAオードビーBOMA・UVEX
13 200 北島 篤志 042-703-9122-A
14 195 三上 和志 cycleclub 3UP
15 206 矢野 大介 八ヶ岳CYCLOCROSS CLUB
16 217 佐復 真人 WildBoars加波一族
17 212 竹田 佳行 kei’spower!
18 172 安藤 光平 TeamCUORE
19 207 向山 浩司 EsperanceStage
20 219 柏崎 裕紀 TEA&SHU~CREAM
text:Yufta Omata
photo:Makoto Ayano
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