2012年1月18日、起伏に富んだ周回コースにゴールするツアー・ダウンアンダー第2ステージで、チャンピオンシステムに所属するウィリアム・クラーク(オーストラリア、UniSAオーストラリア)が独走勝利を飾った。スプリントポイントを獲得したマルティン・コーラー(スイス、BMCレーシングチーム)が総合首位に立っている。

ブドウ畑を縫って進むプロトンブドウ畑を縫って進むプロトン photo:Kei Tsujiダウンアンダー第2ステージはロベサルからスターリングまでの148km。丘陵地帯を駆けるコースは常に緩やかなアップダウンの繰り返し。最後は21kmの周回コースを3周する。

スターリング周回コースの終盤8kmは概ね上り基調で、最終ストレートも勾配3%ほどの上りが続く。毎年ピュアスプリンターを苦しめるダウンアンダーの定番コースだ。

逃げるマルティン・コーラー(スイス、BMCレーシングチーム)とウィリアム・クラーク(オーストラリア、UniSAオーストラリア)逃げるマルティン・コーラー(スイス、BMCレーシングチーム)とウィリアム・クラーク(オーストラリア、UniSAオーストラリア) photo:Kei Tsuji曇り空が覆うロベサルをスタート後、数分も経たないうちにこの日最初のアタックが決まる。飛び出したのはマルティン・コーラー(スイス、BMCレーシングチーム)とウィリアム・クラーク(オーストラリア、UniSAオーストラリア)の2人。メイン集団は特に抵抗することなくこの動きを見送ったため、タイム差はすぐに10分を超えた。

46km地点の2級山岳フォックス・クリークロードは、クラークが先頭通過。一方、23km地点と62km地点のスプリントポイントはいずれもコーラーが先頭通過する。

メイン集団を牽引するのはロビー・マキュアン(オーストラリア、グリーンエッジ)メイン集団を牽引するのはロビー・マキュアン(オーストラリア、グリーンエッジ) photo:Kei Tsujiスプリントポイントで合計6秒のボーナスタイムを獲得したコーラーは、暫定で総合首位アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル)を2秒上回って総合トップに。つまりグライペルと同集団内でゴールすれば、リーダージャージはコーラーの手に移る。

役目を終えたコーラーは、ゴールまで80kmを残してスローダウン。クラーク一人に先行させ、自らメイン集団に吸収される道を選んだ。

思わぬ形で独走となったクラークは、スターリングの周回コースに入っても踏み続けた。クラークは「彼(一緒に逃げたコーラー)は逃げる価値は無いと判断したのかも知れない。僕が先頭で単独になると、メイン集団はさらに大きなタイム差を容認した。『みんな今ペースを上げるべきじゃないの?』と思った」と振り返る。

大きなタイム差を得て独走を続けるウィリアム・クラーク(オーストラリア、UniSAオーストラリア)大きなタイム差を得て独走を続けるウィリアム・クラーク(オーストラリア、UniSAオーストラリア) photo:Kei Tsuji

スターリングの周回コースに入ったメイン集団スターリングの周回コースに入ったメイン集団 photo:Kei Tsuji結局10分前後のリードを得たまま独走を続けるクラーク。チームスカイやラボバンク、グリーンエッジがメイン集団のペースアップを図ったが、タイム差の縮小は鈍い。ゴールまで2周を残してタイム差は10分のまま。最終周回に差し掛かってなお7分20秒。

メイン集団は猛烈にペースを上げて追い上げるも、ラスト10kmで4分20秒、ラスト5kmで3分。先頭クラークは結局1分02秒のリードを保ったまま独走でゴールに飛び込んだ。ステージ2位には、昨年の同コースで優勝したマイケル・マシューズ(オーストラリア、ラボバンク)が入っている。

独走のまま最終周回に入るウィリアム・クラーク(オーストラリア、UniSAオーストラリア)がボトルをキャッチ独走のまま最終周回に入るウィリアム・クラーク(オーストラリア、UniSAオーストラリア)がボトルをキャッチ photo:Kei Tsujiステージ優勝を飾ったクラークはオーストラリア・タスマニア島出身。今年レオパード・トレックから中国のUCIプロコンチネンタルチーム・チャンピオンシステムに移籍した26歳。

「調子の良さは感じていたけど、本当にこれは信じられないこと。ワールドツアーレースでの初勝利で、間違いなくキャリアで一番大きな勝利だ。ペースを維持する走りは得意だけど、さすがに最後の10kmは苦しんだよ。逃げを得意とする選手にとって、逃げ切りはアメイジングだ」。

逃げ切りでステージ優勝を果たしたウィリアム・クラーク(オーストラリア、UniSAオーストラリア)逃げ切りでステージ優勝を果たしたウィリアム・クラーク(オーストラリア、UniSAオーストラリア) photo:Kei Tsujiクラークはステージ優勝に加えて山岳賞ジャージとポイント賞ジャージ、そして敢闘賞を獲得。チーム総合成績でもUniSAオーストラリアは首位に立っている。

しかしクラークは前日の第1ステージで1分40秒遅れたため、総合上位に絡むことは出来なかった。リーダージャージは、狙い通りメイン集団内でゴールしたコーラーの手に。総合首位を明け渡したグライペルが2秒差の2位、そして集団先頭でゴールしたマシューズが4秒差の3位につけている。逃げ切りが決まったものの、総合上位のタイム差はまだまだ小さい。

宮澤崇史(チームサクソバンク)は前日の落車の影響が心配されたが、レース中盤に発生したスプリントポイント絡みのアタックに反応するなどチームとしての仕事をこなし、13分27秒遅れの104位でゴールしている。

祝福のキスを受けるウィリアム・クラーク(オーストラリア、UniSAオーストラリア)祝福のキスを受けるウィリアム・クラーク(オーストラリア、UniSAオーストラリア) photo:Kei Tsujiリーダージャージに袖を通したマルティン・コーラー(スイス、BMCレーシングチーム)リーダージャージに袖を通したマルティン・コーラー(スイス、BMCレーシングチーム) photo:Kei Tsuji


レースの模様はフォトギャラリーにて!

ツアー・ダウンアンダー2012第2ステージ結果
1位 ウィリアム・クラーク(オーストラリア、UniSAオーストラリア)     3h58'35"
2位 マイケル・マシューズ(オーストラリア、ラボバンク)           +1'02"
3位 サイモン・ジェランス(オーストラリア、グリーンエッジ)
4位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)
5位 エドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームスカイ)
6位 オスカル・フレイレ(スペイン、カチューシャ)
7位 フレフ・ファンアフェルマート(ベルギー、BMCレーシングチーム)
8位 ルーク・ロバーツ(オーストラリア、チームサクソバンク)
9位 ゲラルド・チオレック(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ)
10位 ハインリッヒ・ハウッスラー(オーストラリア、ガーミン・バラクーダ)
104位 宮澤崇史(日本、チームサクソバンク)                +13'27"

個人総合成績
1位 マルティン・コーラー(スイス、BMCレーシングチーム)       8h33'05"
2位 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル)           +02"
3位 マイケル・マシューズ(オーストラリア、ラボバンク)          +04"
4位 サイモン・ジェランス(オーストラリア、グリーンエッジ)        +08"
5位 ローハン・デニス(オーストラリア、UniSAオーストラリア)       +09"
6位 エドゥアルト・ヴォルガノフ(ロシア、カチューシャ)          +10"
7位 シャビエル・フロレンシオ(スペイン、カチューシャ)          +12"
8位 ジョナサン・キャントウェル(オーストラリア、チームサクソバンク)
9位 ヤン・バケランツ(ベルギー、レディオシャック・ニッサン)
10位 ルーク・ロバーツ(オーストラリア、チームサクソバンク)
119位 宮澤崇史(日本、チームサクソバンク)              +12'37"

山岳賞
ウィリアム・クラーク(オーストラリア、UniSAオーストラリア)

ポイント賞
ウィリアム・クラーク(オーストラリア、UniSAオーストラリア)

新人賞
マイケル・マシューズ(オーストラリア、ラボバンク)

チーム総合成績
UniSAオーストラリア

text&photo:Kei Tsuji in Adelaide, Australia

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