2012年1月7日から10日にかけて、オーストラリア南部のビクトリア州にて、オーストラリアナショナル選手権が開催中だ。新生グリーンエッジに所属するサイモン・ジェランスとアマンダ・スプラットがそれぞれ男女エリートロードを制した。男子U23はジェイコ所属のローハン・デニスが優勝している。

メイングループを率いるリッチー・ポルト(チームスカイ)メイングループを率いるリッチー・ポルト(チームスカイ) photo:Cycling Australiaナショナルタイトルを争う場に選ばれたのは、ビクトリア州バララット。一昨年世界選手権が行われたジーロングから80kmとほど近い場所にある、オーストラリアで最もロード競技が盛んな地域だ。

エリート男子のレースは上りを含む1周10.2kmの周回コースを16周回する計163.2kmで争われ、140名のライダーがスタートラインに並んだ。

ロングスプリントを制したサイモン・ジェランス(グリーンエッジ)ロングスプリントを制したサイモン・ジェランス(グリーンエッジ) photo:Cycling Australiaスタート直後から激しいアタック合戦が繰り広げられ、周回を重ねるたびに選手の数が減っていく非常にサバイバルなレースとなる。残り10kmの時点で集団の人数は23名にまで激減した。

最終周回の上りで集団からゲランスがアタックを仕掛けると、ついていくことができたのはリッチー・ポルト(チームスカイ)とマシュー・ロイド(ランプレ・ISD)の2名のみ。最後はゴールへと続く上りで得意のロングスプリントを決めたジェランスが先頭でゴールへと飛び込んだ。

男子U23ロードレース表彰台男子U23ロードレース表彰台 photo:Cycling Australia31歳のジェランスは、オーストラリア人選手で唯一ジロ・デ・イタリア、ツール・ド・フランス、ブエルタ・ア・エスパーニャの3大グランツール全てでステージ優勝経験を持つ選手。ナショナル選手権の優勝は自身初めてで、また新たなビッグタイトルを手中に収めることとなった。

「これからの1年間、オーストラリアチャンピオンとして、国旗があしらわれたジャージを着てヨーロッパのビッグレースを走ることができるのはとても名誉なこと。グリーンエッジチームは僕のために素晴らしい働きをしてくれた。とても誇りに思うよ。」

独走勝利を果たしたアマンダ・スプラット(グリーンエッジ)独走勝利を果たしたアマンダ・スプラット(グリーンエッジ) photo:Cycling Australiaジェランスは1月15日から始まるUCIワールドツアー第1戦ツアー・ダウンアンダーに参加する。2006年以来2度目の総合優勝を見据え、得意の短い上りを含むステージでは確実に勝負に絡む走りをしてくるだろう。

U23男子を制したローハン・デニス(ジャイコ)は、2011年にオーストラリアチームがチームパーシュートで世界タイトルを獲得した時のメンバーだ。残り2周地点から飛び出しを成功させ、トラック競技で養った爆発力で2名によるマッチスプリントを制した。

102kmで争われたエリート女子は男子と同じく、グリーンエッジのアマンダ・スプラットが残り30km地点からアタックし独走勝利。2004年ジュニアポイントレース世界チャンピオンに次ぐビッグタイトルを手に入れている。

ロードレースは新生プロツアーチームであるグリーンエッジの活躍が非常に目立った。9日に休息日を挟み、10日には各カテゴリーのタイムトライアル選手権が行われる。エリート部門では2連覇中のキャメロン・マイヤー、昨年2位のジャック・ボブリッジの若手グリーンエッジ勢に注目だ。マイケル・マシューズ(ラボバンク)なども上位に絡む走りを見せてくれるだろう。

レース展開と選手コメントはオーストラリア自転車競技連盟公式サイト(Cycling Australia)より.

エリート男子ロードレース
1位 サイモン・ジェランス(グリーンエッジ)
2位 マシュー・ロイド(ランプレ・ISD)
3位 リッチー・ポルト(チームスカイ)
4位 アダム・ハンセン(ロット・ベリソル)
5位 ウィリアム・クラーク(チャンピオンシステム)
6位 スティール・ヴォンホフ(ジェネシス・ウェルスアドバイザーズ)
7位 クリストファー・サットン(チームスカイ)
8位 バーデン・クック(グリーンエッジ)
9位 アンソニー・ジャコッポ(ジェネシス・ウェルスアドバイザーズ)
10位 バーナード・サルツバージャー(Vオーストラリア)

U23男子ロードレース
1位 ローハン・デニス
2位 エリック・シェパード
3位 カルヴァン・ワトソン

エリート+U23女子ロードレース
1位 アマンダ・スプラット
2位 ティファニー・クロムウェル
3位 レイチェル・ネイラン

オーストラリア選手権ダイジェストムービー(Jumpmedia制作)


text:So Isobe

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