後半に追走集団の先頭を引きまくっていた木村圭祐(京都産業大学)が、最終周回にみずからアタックしてステージ優勝。吉岡直哉(京都産業大学)もステージ4位で個人総合優勝を決めた。

ステージ2 最終周回へ、逃げていた安井雅彦(DE ROSA東京大学)に島田真琴(シマノドリンキング)と木村圭祐(京都産業大学)が合流するステージ2 最終周回へ、逃げていた安井雅彦(DE ROSA東京大学)に島田真琴(シマノドリンキング)と木村圭祐(京都産業大学)が合流する photo:Hideaki.TAKAGI
5月22日(日)、2days race in 木祖村の2日目は朝から雨。午前中はジュニアの単独レース。これには1日目にDNFとなった「残念」選手も参加できる。そして昼からはシニアのステージ2。初日に各賞ジャージを手に入れた京都産業大学勢の戦いが注目された。

ジュニア+残念 ゴール、右の石川海璃(ブラウブリッツェン)が優勝ジュニア+残念 ゴール、右の石川海璃(ブラウブリッツェン)が優勝 photo:Hideaki.TAKAGIジュニア+残念は石川海璃(ブラウブリッツェン)が制する
朝9時からのジュニア+残念レースは音を立てるほどの大雨の中行われた。1周9kmを8周する72kmのレース。この大会がチームとして初の公式戦となるブラウブリッツェン勢と、MTBエキスパートで無敵の横山航太(長野・篠ノ井高校)の走りが注目された。

序盤からその横山とブラウブリッツェン勢が攻撃を仕掛け、常に数人が逃げている状態。ラスト1周で抜け出した石川海璃(ブラウブリッツェン)、横山、木下大輝(Fuji-Cyclingtime.com Japon)の戦いとなり、ゴールは先行した横山にライン上で石川が並び、映像判定のすえ石川の優勝が決まった。

2位となった横山は終始レースを最もリード、MTBで年齢制限のためエキスパートどまりという実力を見せた。「富士見の練習と意識して臨みました。足がつるほど追い込めてよかった」と語る。3位の木下も前半は第2グループだったが、途中で先頭グループへ追いつく脚を見せた。

ステージ2 ローリングスタートは1周半ステージ2 ローリングスタートは1周半 photo:Hideaki.TAKAGI京都産業大学 個人・ポイント・U23ジャージをキープできるか?
シニアクラスのステージ2は昼から。9kmを14周する126kmのレースだ。午前中の時間雨量30mmという大雨でコース上に砂が流出、確認等のために定刻より15分遅れの12時15分にスタート。
見どころは前日のステージ1a、1bで総合ジャージ3枚を手に入れた京都産業大学がどう攻めて、守るかだ。
荒天のためローリングスタートを1周多い1周半としてレースはスタート。すぐに一列棒状になるこのコース、集団があちこちで途切れていく。すぐに25人ほどと35人ほどの2つの集団に前方が分かれる。第1集団に総合2位でU23ジャージを着る木村圭祐(京都産業大学)とポイントジャージを着る鍵本大地(京都産業大学)が入る。リーダージャージの吉岡直哉(京都産業大学)は後方の第2集団に。そのため有力選手も第2集団に混じる。

ステージ2 7周目、最終のスプリントポイントを先頭で通過する島田真琴(シマノドリンキング)。これでポイント賞1位を確定ステージ2 7周目、最終のスプリントポイントを先頭で通過する島田真琴(シマノドリンキング)。これでポイント賞1位を確定 photo:Hideaki.TAKAGI30秒ほどの差で推移するが、5周目には先頭集団が再編成され、3賞ジャージや有力選手はすべて23人の先頭集団へ。これで序盤の態勢が固まった。3周目から7周目まで毎周あるスプリントポイントは、島田真琴(シマノドリンキング)が時にはチームメイトと取りに行き加点していく。ポイントジャージの鍵本は、チームメイトが後方で待機するため単独で取りにいくが、結局島田と同点となり、1位通過の数で島田がポイント賞に輝くことに。

レースが動いたのは8周目。菅野正明(Fuji-Cyclingtime.com Japon)らが仕掛けてこれに数人が合流、最大5名の逃げができる。この逃げは人数を減らし、11周目には安井雅彦(DE ROSA東京大学)と西川昌宏(Esperance Stage/WAVE ONE山口)の2人になるが、リーダージャージ含む追走集団に50秒の差をつける。
いっぽうの追走集団は木村、鍵本ら京都産業大学勢のみが先頭を引く。

ステージ2 10周目、先頭は3人にステージ2 10周目、先頭は3人に photo:Hideaki.TAKAGI12周目に先頭から西川が下がって安井が単独で逃げる。50秒あった差が、京都産業大学勢の引きで縮まり、吸収は時間の問題に。
最終周回へ入る上りの場面で、先頭を走る安井に後続からペースを上げた島田と木村が合流、先頭は3人に。
ふたたび離された集団から単独で吉岡が飛び出ししばらく追うが集団に戻る。そしてゴールへ。木村がそれまで追走集団のほとんどを引いていたとは思えないスピードで坂を駆け上がり優勝。以下、島田、安井、吉岡、鍵本、菅野の順にゴール。吉岡も個人総合優勝を決め、ガッツポーズ。


ステージ2 11周目、追走集団のペースを上げる木村圭祐(京都産業大学)ステージ2 11周目、追走集団のペースを上げる木村圭祐(京都産業大学) photo:Hideaki.TAKAGI完璧だった京都産業大学
光ったのは京都産業大学の各メンバー。中盤までは鍵本がアタックのチェックとポイント賞争いに単独で加わった。同点ながら島田に奪われたのが唯一の残念なところ。木村はほとんど1周を引く場面もあったほど集団を引きながらもステージ優勝で力を見せた。リーダージャージの吉岡もみずから追走集団を引き、ジャージをキープ。個々の力と結束力で、攻めながらも守るステージレースを展開できた。初日の1bステージで、リーダージャージを剥ぎ取られる高岡亮寛(イナーメ・アイランド信濃山形)の姿を眼前で目撃していただけに、一歩違えば同じことがという恐怖感もあった。
総合優勝の吉岡は「後半に動こうと思った。木村をはじめチームが動いた結果です。できればこのステージも勝ちたかったのですが、木村のほうが強かったです」と語る。
ステージ2 12周目、先頭は安井雅彦(DE ROSA東京大学)単独に。あと2周ステージ2 12周目、先頭は安井雅彦(DE ROSA東京大学)単独に。あと2周 photo:Hideaki.TAKAGIステージ優勝の木村は「リーダーの吉岡のためにも自力で先行選手をつかまえるべく引きました。個人的にはもっと先行できれば自分が総合優勝でしたが、そこまでの力は無かったです」

60kmを先頭で逃げ続けた安井雅彦(DE ROSA東京大学)
敢闘賞があるならばその受賞者は安井だ。8周目の逃げに始まり、ゴール手前まで先頭を走り続けた。その距離じつに60km。この日の重要なポイントは、最終周回へ入るときの3人の逃げができた瞬間だった。先行していた安井が吸収されるとき、上がってきた島田と木村に合流してふたたび逃げ続けたのだ。通常の脚ならばここで付くことは難しい。ここで耐えたことがステージ3位、総合4位に結びついた。惜しむらくはそれ以前の逃げメンバー5人の脚が揃っていなく、同等だったのは西川だけだったことだろう。

ステージ2 木村圭祐(京都産業大学)がステージ優勝ステージ2 木村圭祐(京都産業大学)がステージ優勝 photo:Hideaki.TAKAGIその安井は「タイム差がある自分には逃げることしかなかった。5人で逃げ出してから最低でもステージ優勝を狙ったのですが」と語る。また「じつは今年に入ってから一時期、実家の京都周辺で練習していました。今回出走した他大学の何人かと宇治川ラインなど一緒に走らせてもらいました。それが良かったのかもしれません」と言う。西薗良太は卒業したが、今年は安井の走りに注目したい。

結果
ジュニア+残念 72km
1位 石川海璃(ブラウブリッツェン)1時間57分05秒
2位 横山航太(長野・篠ノ井高校)
3位 木下大輝(Fuji-Cyclingtime.com Japon)+12秒

ステージ2 完璧なチーム布陣で勝利の京都産業大学ステージ2 完璧なチーム布陣で勝利の京都産業大学 photo:Hideaki.TAKAGIシニア 
ステージ2 126km
1位 木村圭祐(京都産業大学)3時間17分19秒
2位 島田真琴(シマノドリンキング)+07秒
3位 安井雅彦(DE ROSA東京大学)+09秒
4位 吉岡直哉(京都産業大学)+20秒
5位 鍵本大地(京都産業大学)+23秒
6位 菅野正明(Fuji-Cyclingtime.com Japon)+27秒
7位 西谷雅史(オーベスト ジーニアス)+30秒
8位 西川昌宏(Esperance Stage/WAVE ONE山口)+33秒

個人総合
1位 吉岡直哉(京都産業大学)5時間16分56秒
2位 木村圭祐(京都産業大学)+14秒
3位 西川昌宏(Esperance Stage/WAVE ONE山口)+1分02秒
4位 安井雅彦(DE ROSA東京大学)+1分03秒
5位 鍵本大地(京都産業大学)+1分53秒
6位 西谷雅史(オーベスト ジーニアス)+2分00秒
7位 菅野正明(Fuji-Cyclingtime.com Japon)+2分05秒
8位 島田真琴(シマノドリンキング)+2分33秒
9位 辻浦圭一(ラヴニールあづみの)+4分17秒
10位 田中良忠(シマノドリンキング)+4分58秒

個人総合ポイント賞
1位 島田真琴(シマノドリンキング)12点
2位 鍵本大地(京都産業大学)12点
3位 小原賢介(オーベスト アンビシャス)6点
 1位2位は1着通過数による

個人総合U23賞
吉岡直哉(京都産業大学)

個人総合O40賞
西谷雅史(オーベスト ジーニアス)

photo&text:高木秀彰
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