2011年3月24日、ボルタ・シクリスタ・ア・カタルーニャ(UCIワールドツアー)第4ステージが行なわれ、ペタッキを欠く集団スプリントでマヌエル・カルドソ(ポルトガル、レディオシャック)が勝利。今シーズンまだ結果を出せていなかった元ポルトガルチャンピオンがチームメイトの働きに報いた。

アンドラ公国を離れ、地中海に向かうプロトンアンドラ公国を離れ、地中海に向かうプロトン photo:www.voltacatalunya.cat第4ステージはアンドラ公国との国境に近い北部のラ・セウ・ドゥルジェイをスタートし、なだらかな下りと3級山岳パッサナント峠を経てエル・ベンドレイにゴールする195km。登りの難易度は低く、スプリンター有利のコースレイアウトだ。

しかし第2ステージで優勝したアレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、ランプレ・ISD)が53km地点でリタイア。ランプレ・ISDは持病の喘息がリタイアの原因であると発表している。

リーダージャージを着て走るアルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・サンガード)リーダージャージを着て走るアルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・サンガード) photo:www.voltacatalunya.cat長時間のアタック合戦の末に、56km地点でメイン集団から抜け出したのはルーベン・ペレス(スペイン、エウスカルテル)、マウリシオアルベルト・アルディラ(コロンビア、ジェオックス・TMC)、ホセビセンテ・トリビオ(スペイン、アンダルシア・カハグラナダ)、マティアス・フランク(スイス、BMCレーシングチーム)、アレクサンドル・プリウスチン(モルドバ、カチューシャ)。

タイム差は最大3分20秒まで広がり、レース後半に入るとモビスターとコフィディスがサクソバンク・サンガードに代わって集団牽引。タイム差が縮まり始めると、ゴールまで40kmを残して逃げグループからプリウスチンが飛び出した。

終盤に独走したアレクサンドル・プリウスチン(モルドバ、カチューシャ)終盤に独走したアレクサンドル・プリウスチン(モルドバ、カチューシャ) photo:www.voltacatalunya.cat昨年ジャパンカップにも出場したプリウスチンはメイン集団を引き離す勢いで独走したが、スプリンターチームには対抗できず、ラスト19km地点で吸収される。完全に集団の主導権を握るスプリンターチームが現れないまま、混戦状態でエル・ベンドレイのゴール地点に突っ込んだ。

好位置でスプリントしたホセホアキン・ロハス(スペイン、モビスター)の後方から早めに飛び出し、ジャコモ・ニッツォロ(イタリア、レオパード・トレック)とかわして先頭でゴールしたのはカルドソ。元ポルトガルチャンピオンが大集団スプリントを制した。

両手を広げてゴールするマヌエル・カルドソ(ポルトガル、レディオシャック)両手を広げてゴールするマヌエル・カルドソ(ポルトガル、レディオシャック) photo:Cor Vos「チームは僕のために走ってくれた。総合上位のクリストファー・ホーナーまでも、僕のために走ってくれたんだ。ラスト1kmでHTC・ハイロードが先頭に立ち、ラスト500mでロハス擁するモビスターが先頭に立った。僕はそのロハスの後ろからラスト300mで仕掛けた。全力で踏み続けた結果、誰も追いつくことができなかった。僅差だったけど、本当に嬉しい勝利だ」。

昨年フットオン・セルヴェットに所属していたカルドソは、1月のツアー・ダウンアンダーでエヴァンスやバルベルデらをスプリントで沈めている。今年レディオシャックに移籍。カルドソは「これがプロ34勝目。シーズン序盤は緊張して結果を出せなかった。アームストロングのチームと契約したというプレッシャーに負けていたんだ。この勝利でチームに報いることができた。これから勝利を量産したい」と意気込んだ。

この日はほぼ全ての選手が集団内でゴール。総合順位に変動は無く、アルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・サンガード)が総合リードを守った。総合争いは翌第5ステージと第6ステージの山岳で決する。

レース展開はレース公式サイト、選手コメントはレディオシャック公式サイトより。

ボルタ・シクリスタ・ア・カタルーニャ2011第4ステージ結果
1位 マヌエル・カルドソ(ポルトガル、レディオシャック)       4h33'02"
2位 ジャコモ・ニッツォロ(イタリア、レオパード・トレック)
3位 ホセホアキン・ロハス(スペイン、モビスター)
4位 アイトール・ガルドス(スペイン、エウスカルテル)
5位 フランティセク・ラボン(チェコ、HTC・ハイロード)
6位 サミュエル・ドゥムラン(フランス、コフィディス)
7位 ウィリアム・クラーク(オーストラリア、レオパード・トレック)
8位 ミシェル・クレダー(オランダ、ガーミン・サーヴェロ)
9位 ミカル・ゴラス(ポーランド、ヴァカンソレイユ・DCM)
10位 ダニエル・マーティン(アイルランド、ガーミン・サーヴェロ)

個人総合成績
1位 アルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・サンガード)  17h38'57"
2位 リーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、レディオシャック)        +23"
3位 ミケーレ・スカルポーニ(イタリア、ランプレ・ISD)
4位 ダニエル・マーティン(アイルランド、ガーミン・サーヴェロ)       +35"
5位 クリストファー・ホーナー(アメリカ、レディオシャック)
6位 リゴベルト・ウラン(コロンビア、チームスカイ)             +38"
7位 イヴァン・バッソ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)
8位 シャビエル・トンド(スペイン、モビスター)
9位 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム)       +50"
10位 バウク・モレマ(オランダ、ラボバンク)               +1'12"

山岳賞
アルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・サンガード)

チーム総合成績
レディオシャック

text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos, www.voltacatalunya.cat

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