4月5日に開催予定の第34回チャレンジサイクルロードレース大会は「日本のプリマベッラ(春)」と呼ばれる春の定番レースである。そこでチャレンジと同じ正周りで行われたJCRC 第2戦の優勝者たちに、日本CSCの攻略法についてコメントしてもらった。

1-2フィニッシュを飾った平塚吉光選手(右)と栂尾大知選手(左)1-2フィニッシュを飾った平塚吉光選手(右)と栂尾大知選手(左) Sクラス優勝 平塚吉光選手 (パールイズミ・スミタ・ラバネロ)
    2位 栂尾大知選手 (パールイズミ・スミタ・ラバネロ)

・ レースを振返って
(平塚選手)今日もいつも通りに積極的に走りました。チームメンバーも多かったので、ラバネロだけで逃げたいと思っていました。上りのいろんなポイントでメンバーが繰返してアタックしましたが、これらは特に事前に決めていたわけではありません。全てレースの状況を見ながら、お互いアイコンタクトで仕掛けました。これからの大きな大会に備える意味でも、今回のようなレースで積極的に走るべきだと思っています。

ランデブーで逃げる平塚、栂尾のコンビランデブーで逃げる平塚、栂尾のコンビ (栂尾選手)今日は3周目の秀峰亭で仕掛けて、これをきっかけに平塚選手との1-2体制のままレースを進めることができました。最終周回の10%上りで吉光が“譲りますよ”って言うから、良くできた後輩だなぁと思いましたが(笑)、結局は2人で真剣勝負しました。そのほうが、レースを見ていてくれる人だって面白いでしょう。
ここのスプリントは苦手ではないので、まくってやろうと思っていましたが、並ぶのが精一杯でした。





平塚吉光選手はウインタロードシリーズ(全2戦)に続いて、日本CSC(修善寺)で3連勝した修善寺マスター(写真はウインタロード第2戦)平塚吉光選手はウインタロードシリーズ(全2戦)に続いて、日本CSC(修善寺)で3連勝した修善寺マスター(写真はウインタロード第2戦) ・ 正周りでのポイント
(平塚選手)無理してはいけないと思います。ヒルクライムレースと同じで軽めのギアを使うべきだと思います。正周りは逆周りよりも上りがきついので、レース後半になると特に秀峰亭では厳しくなってくると思います。軽めのギアで脚に負担を掛けないようにすべきです。

軽めのギアを使うのは下りでも同じ。今日は風も無かったので53×11まで使いましたが、追風になったらこのギアでは全く走れません。下りも状況に応じたギアチョイスが必要です。あと自分に合ったホイールの選定も重要だと思います。今回はチームから支給されているEASTONのEA 90 SLXを使いましたが、とても軽い乗り味で気に入っています。硬いのでコーナーもしっかりと曲ってくれます。平地でも結構走ってくれるし、オールラウンドに使えるホイールだと思います。
平塚選手がお気に入りのホイール EASTON EA 90 SLX平塚選手がお気に入りのホイール EASTON EA 90 SLX
(栂尾選手)レース中、集団がゆるむ時がありますが、そのような時は無理して踏み続けると、脚を使って勝負できなくなってしまいます。むやみにアタックするのではなく、レースの流れを見ることも必要だと思います。

・ チャレンジロードへの意気込み
(栂尾選手)もちろん勝ちに行きますよ。去年はレース1週間前にインフルエンザにかかってしまい、全く勝負になりませんでした。今年は昨シーズン在籍したTEAM NIPPOでお世話になった真鍋さんに、自分が成長した姿を見せたいと思います。

昨年まで自分は、チームの中では若手の存在でしたが、ラバネロは若い選手が多いです。自分も中堅選手としてチームを引っ張っていく立場になりました。今年はラバネロを強くしながら、自分もステップアップしたい思っていますので、その為にもチャレンジロードでは良い走りをしたいですね。


Zクラス優勝 高橋 義博選手 (チームCB)

・ レースを振返って
Zクラスで優勝した高橋義博選手 (チームCB)。昨年のJCRC Sクラス年間ポイントチャンピオンZクラスで優勝した高橋義博選手 (チームCB)。昨年のJCRC Sクラス年間ポイントチャンピオン 昨年はJCRCシリーズ戦を転戦して、Sクラスの年間ポイントチャンピオンを取る事ができました。今年もポイントチャンピオンのV2を狙おうかとも思いましたが、まだ本格的な競い合いをするレベルではないと感じたので、今回は長く走れるZクラスに参加しました。優勝もできたし、次に向けて良いレースになりました。

・ 正周りのポイント
私は上りが得意なタイプなので、正周りの方が良いですね。2号橋から秀峰亭までの上りは距離もあるしカーブが連続しているので、アタックした場合に早く後続の視界から消える事もできます。
恐らくどのカテゴリーも勝負どころはレースの後半でしょうから、そこで自分の力を発揮できるようしておくべきだと思います。機材では今回はこのコース向けに特別な事はしませんでしたが、今日はタイヤをMICHELINのPRO3 Raceを選びました。今までは20Cも使っていましたが、23Cだとコーナーも安心して曲れますね。PRO3 Raceは23Cでも軽いので、上りでも走りは良かったです。
高橋選手が今大会で使ったタイヤ MICHELIN PRO3 Race高橋選手が今大会で使ったタイヤ MICHELIN PRO3 Race

Wクラス優勝 田中木綿子選手 (チームポテト)

Wクラスの表彰台Wクラスの表彰台 ・ レースを振返って
今日は久々のレースでしんどかったですね。でもレースは2周しかなかったし、1周で2人になったので、2周目は秀峰亭で仕掛けようと作戦を立てました。そして秀峰亭手前の左コーナーから一気に加速して、そのままゴールまで思い切って走りました。

・ 正周りのポイント
Wクラスで優勝した田中木綿子選手 (チームポテト)Wクラスで優勝した田中木綿子選手 (チームポテト) 私は正周りのほうがアップダウンのメリハリがあって、走りやすいです。2号橋からはコーナーを曲りながら上るので、ライン取りも重要だと思います。

機材面ではこのコース向けの特別仕様ではありませんが、私は153mmのショートクランクを使っています。大阪のアトリエ・ドゥ・キャファさんで扱っているカスタムメイドで、デュラエース 175mmクランクを加工したものです。このクランクにしてから、上りでもクルクル回せるようになりました。私のような小柄な選手は、1度試してみる価値はあると思いますよ。

・ チャレンジロードへの意気込み
一般女子のクラス(B-7)で参戦します。チャレンジロードは今年で3回目ですが、まだ優勝したことがないんです。今年は3度目の正直で、是非とも優勝したいです。
田中選手が使うデュラエース改造クランク。オリジナル175mmを153mmに加工したもの田中選手が使うデュラエース改造クランク。オリジナル175mmを153mmに加工したもの

チャレンジロードに参戦予定の皆さん、レースでのご健闘をお祈りいたします!

text & photo 福島治男