モンテグラッパ山岳でのバトルで優勝候補たちが激しくぶつかり合い、リクイガスがバッソとニーバリという2枚のカードを切った。下りで逃げたニーバリが大きくタイム差を返し、バッソが2位でゴールし、リクイガスのワンツーフィニッシュを決めた。

始まったジロ最終週の最初の山岳で動いたレースは、今後のジロの展開が大きく変わることを予想させる結果になった。

独走でゴールに向かうヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス)独走でゴールに向かうヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス) photo:Riccardo Scanferla

笑顔でシャンパンを開けるヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス)笑顔でシャンパンを開けるヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス) photo:Kei Tsujiヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス)    
本当に今を楽しんでいるよ。当初はこのジロを走るとは思っていなかったけれど、今日素晴らしい勝利を挙げることができた。僕にとって、リクイガスにとって素晴らしい一日だった。
この勝利はチームの士気をさらに高めてくれるね。タイムを失ったラクイラへのステージはミスだったけれど、その後も僕らは希望を失わなかった。ジロは今日変わったと思う。

僕はちょっとした下りのスペシャリストなんだ。前を行けば僕にチャンスが有ると思っていた。だからアタックしたんだ。

今日かなりのエネルギーを使ったけれど、明日のゾンコランステージはもっとハードだ。ジロ最終週がすべてを決める。僕がどのような走りができるかは様子を見なければいけない。僕にとってはたった2度目のジロ。
僕とイヴァン(バッソ)は今日お互い目で見合うだけで完璧な働きをした。ステージ勝利を挙げられてすでに十分嬉しいけれど、もし足があるなら、さらに行くよ!

メイングループのペースを上げるミケーレ・スカルポーニ(イタリア、アンドローニ・ジョカトーリ)メイングループのペースを上げるミケーレ・スカルポーニ(イタリア、アンドローニ・ジョカトーリ) photo:Riccardo Scanferla沢山の人が僕に期待をしてきたけれど、やり遂げることが出来たよ。バッソがチームリーダーとしてこのジロをスタートしたけれど、僕も彼とともに上がってきた。今日は長い下りがあったから僕が勝ちに行った。イヴァンは明日アタックして、僕らがまた勝つだろう。今日披露することができたように、僕らなら何でもできる。


ステファノ・ザナッタ監督(リクイガス)
我々は今日ジロを蘇らせたと思う。ラクイラへのステージで我々は振り出しに戻された。ヴィノクロフはあの日マリアローザを取ったけれど、我々は彼らがそうするよりももっとそのジャージを守るものだと思っていた。あのステージがジロを変えたし、我々もプランを変更せざるをえなかった。

我々は今日したことをこれからも続けなければならない。ニバリは素晴らしかった。総合を狙ううえで我々にはニバリとバッソという2つの選択肢がある。


派手にシャンパンを開けるダビ・アローヨ(スペイン、ケースデパーニュ)派手にシャンパンを開けるダビ・アローヨ(スペイン、ケースデパーニュ) photo:Kei Tsujiダビ・アローヨ(スペイン、ケスデパーニュ)
今日はとても特別な日だ。キャリアの中で最高の日だ。今まで僕は他の選手のアシスト役として走ってきた。今日チームは僕のために100%で走ってくれた。僕は彼らを遅れさせたくはなかった。マリアローザは僕のキャリアに起こった最高のこと。今日の最大の目標はマリアローザを手にいれることだった。これを一日でも長くキープできるようにしたい。

総合優勝できるかって? 強い選手が一杯いるから一日一日様子を見ていかなくてはいけない。レースリーダーとして走ることを知っている強いチームが僕を助けてくれる。うまくやれると思う。


カルロス・サストレ(スペイン、サーヴェロテストチーム)  
今日は僕にとって重要な日だった。今日僕はできるだけうまく走ろうとした。僕は登りで100%ではなかった。でもベストに近づきつつあるから、次の一週間に対してすごいモチベーションが沸いてきた。下りはとても危険だったし、後ろから別のグループがきていることも知っていた。我々は多くのタイムを失いはしなかったから、最終週にはすべてが可能だと思う。


モンテ・グラッパでメイン集団から飛び出したブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ)モンテ・グラッパでメイン集団から飛び出したブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ) photo:Riccardo Scanferlaブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ)
アタックしたわけじゃない。リクイガスがハードに引き始めてガルゼッリとクネゴが苦しんでいるの見ていた。彼らが休みはじめたとき、僕は自分のペースを保ちたかったし、彼らを置き去りにできればと思った。僕は彼らを離して行ったけど、ここが僕の出番じゃなかった。まだ頂上までは遠かったし、彼らが僕を捕まえるまでのペースで登ったんだ。


ショーン・イェーツ監督(チームスカイ)
チームはよくやった。スティーブ(クミングス)が逃げに乗り、ブラドレー(ウィギンズ)がすごい仕事をした。勾配がきつすぎるジロの登りは彼にフィットしていないにもかかわらず。


ソースは現地取材、記者会見、チーム公式ウェブサイト、主催新聞ガゼッタ・デッロ・スポルト紙、選手個人のウェブサイトおよびTwitterなど。

text:Makoto.AYANO
photo:Kei.TSUJI、CorVos