2008年のツール・ド・フランスでステージ2勝を飾りながらも、レース期間中のCERA(第3世代EPO)陽性が発覚し、のちに薬物使用の事実を認めたリカルド・リッコ(イタリア)。イタリアのガゼッタ紙が伝えたところによると、CAS(スポーツ仲裁裁判所)は2年間の出場停止処分を20ヶ月に短縮した。

大活躍を見せながらもドーピングスキャンダルが発覚したリカルド・リッコ(イタリア)大活躍を見せながらもドーピングスキャンダルが発覚したリカルド・リッコ(イタリア) photo:Cor Vos2008年5月のジロ・デ・イタリアで総合2位に入り、同年7月のツールで難関山岳ステージで2勝を飾ったリッコ。しかしツール期間中のドーピング検査でCERA陽性が発覚し、当時所属していたサウニエルドゥバル・スコットを解雇された。

当初は薬物使用を否認していたリッコだが、7月10日に開催されたCONI(イタリアオリンピック委員会)との聴聞会の中で自供。罪を償い、捜査に協力する姿勢を示した。

CONIの聴問会後に会見を開くリカルド・リッコ(イタリア)CONIの聴問会後に会見を開くリカルド・リッコ(イタリア) photo:Cor Vosリッコの捜査協力を評価したCONIの検察側は、WADA(世界アンチドーピング機構)の規定より4ヶ月短い20ヶ月の出場停止処分を要求。しかし同審議委員会はWADAの規定通り24ヶ月の出場停止処分を下していた。

処分の内訳は、薬物陽性の処分が18ヶ月、サントゥッチョーネ医師(薬物捜査オイル・フォー・ドラッグにおける主犯格の人物)と関わりを持っていたことへの処分が6ヶ月。リッコの弁護側は、1年間の出場停止期間短縮を求めてCASに提訴していた。

イタリアのガゼッタ紙が伝えたところによると、CASが下した判決は20ヶ月の停止処分。弁護側の要求通りでは無いが、当初の停止期間より4ヶ月短縮されたことになる。今回の判決を受けて弁護側は「バランスのとれた判決」とのコメントを残している。

CASのプレスリリースによると、出場停止期間は2008年7月18日にスタートし、2010年3月18日に明ける。つまりリッコは26歳でロードレースに復帰する。

しかしリッコのドーピングスキャンダルがロードレース界に与えた影響は甚大。サウニエルドゥバル・スコットの後継チームとして誕生したフジ・セルヴェットは、ジロに続いてツールの出場も逃している

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