第3ステージ終了後、選手たちはチャーター機に分乗してイタリア入り。Bboxブイグテレコムは深夜1時半にクーネオ近郊のホテルに着いた。果たして新城幸也は今後、どのステージで優勝を狙って行くのか? 逃げる気満々のユキヤに今後の展望を聞いた。

Bboxブイグテレコムが休息日を過ごしたルリシア・テルメのホテルBboxブイグテレコムが休息日を過ごしたルリシア・テルメのホテル photo:Kei Tsuji「オランダの第3ステージが終わってからバスに乗って、ベルギーの空港に移動。それから20時半のフライトでイタリアに飛びました。それから空港近くに用意されたテントで、他の全チームが合流して夕食。1000人ぐらいいたんじゃないかな?ホテルに着いたのは日付が変わって夜1時半でした・・・」。

そんな強行スケジュールをこなし、ジロ初出場の新城幸也がイタリア入り。全行程バス移動を免れたことが何よりだ。ちなみに、Bboxブイグテレコムのチームカーが移動中に一台衝突事故を起こし、お釈迦になったそうだ。幸い運転手に怪我は無かった。

イタリアで休息日を迎えた新城幸也(日本、Bboxブイグテレコム)イタリアで休息日を迎えた新城幸也(日本、Bboxブイグテレコム) photo:Kei TsujiBboxブイグテレコムが休息日を過ごすホテルは、第4ステージのゴール地点クーネオからクルマで30分ほど走った山間のルリシア・テルメ。ユキヤは移動の疲れを感じさせない明るい表情でインタビューに応えてくれた。

「オランダはコースが激しかった。海沿いを走っていると思ったら、急に狭くなって街中を走ったり。さすがに『ここを50km/hで大集団が走ったらどうなるのかコースディレクターは分かっているのか?』と思いましたね。でも落車は一回もしていません」。

息子を抱きながらローラー台に乗るトマ・ヴォクレール(フランス、Bboxブイグテレコム)息子を抱きながらローラー台に乗るトマ・ヴォクレール(フランス、Bboxブイグテレコム) photo:Kei Tsujiウィリアム・ボネ(フランス)のサポートのため、オランダでは自ら動くことの無かったユキヤだが、イタリアステージでは自由に動くステージもあると言う。

「逃げに乗りたいと思っています。イタリアに入ったら、逃げにチャンスがあるステージがほとんど。無風の平坦ステージで逃げるのは厳しいけど、逃げと集団のスピードが変わらないような追い風が吹いていれば、逃げグループにもチャンスがある。逃げグループが簡単に形成されやすいのは、むしろ山岳ステージの方ですね」。

では具体的にどのステージがチャンス?一通りコースをチェックしたユキヤは「ザッとコースを見た感じでは、第9、10、14ステージが逃げやすいかなという感じ」。

ユキヤがピックアップした第9・10ステージは、なだらかな起伏のある平坦コース。第14ステージはゴール40km手前に1級山岳モンテ・グラッパが設定された山岳コースだ。「(モンテ・グラッパのプロフィールを確認しながら)これならテンポで上れるので問題ないと思いますよ」。

インタビューの前提にあるのは「完走」。なお、あくまでも全日程の大まかなコースプロフィールを見て判断しただけなので、その日に必ずユキヤが動くわけではないのであしからず。

text&photo:Kei Tsuji