3月28日、クリテリウム・アンテルナシオナル(UCI2.HC)第2ステージでラッセル・ダウニング(イギリス、チームスカイ)が勝利。ダウニングは大集団でのスプリント勝負を制し、今シーズン初勝利を飾った。

コルシカ島南部の海岸近くを走るコルシカ島南部の海岸近くを走る photo:A.S.O.2日間という短期間に3ステージを消化するクリテリウム・アンテルナシオナル。2日目は午前に第2ステージ(ロードレース)、午後に第3ステージ(個人タイムトライアル)が行なわれた。ロードレースのコース全長は75kmと短く、難易度の低いカテゴリー山岳が1つ設定されただけのフラットコース。ゴール前はジワリと上り基調だ。

午後に個人タイムトライアルが控えているため、スタート時間は早めの午前9時21分。スタート後すぐ、3.5km地点で6名の逃げが決まった。

エゴイ・マルティネス(スペイン、エウスカルテル)やユッシ・ヴェッカネン(フィンランド、フランセーズデジュー)を含む6名の逃げグループエゴイ・マルティネス(スペイン、エウスカルテル)やユッシ・ヴェッカネン(フィンランド、フランセーズデジュー)を含む6名の逃げグループ photo:A.S.O.集団から飛び出したのはエゴイ・マルティネス(スペイン、エウスカルテル)やデミトリ・フォフォノフ(フランス、アスタナ)、ユッシ・ヴェッカネン(フィンランド、フランセーズデジュー)、ティエリー・ウポン(フランス、スキル・シマノ)、ルノー・ディオン(フランス、ルーベ・リール)、エデュアルド・ゴンサロ(スペイン、ブルターニュ・ブルターニュ・シュレー)。

しかしコース全長が短いことと、総合27位・2分02秒遅れのマルティネスが入っていたことが影響して、逃げグループのタイム差は上限1分。レース後半に入るとチームHTC・コロンビアとチームスカイによる強力な集団ペースアップが始まり、逃げグループはゴール5km手前で全て吸収された。

チームメイトに守られて走るピエリック・フェドリゴ(フランス、Bboxブイグテレコム)、その後方にランス・アームストロング(アメリカ、レディオシャック)チームメイトに守られて走るピエリック・フェドリゴ(フランス、Bboxブイグテレコム)、その後方にランス・アームストロング(アメリカ、レディオシャック) photo:A.S.O.最後はHTCコロンビアトレインが先導するカタチで集団スプリントに突入。トレインに発射されたミハエル・アルバジーニ(スイス)の後方からスプリントを仕掛けたダウニングが先頭に立つと、そのままリーダージャージのピエリック・フェドリゴ(フランス、Bboxブイグテレコム)らを抑え込んでゴール。接戦のスプリント勝負を制した。

これまでイギリスやアメリカの格下チームを渡り歩き、今年プロツアーチームのチームスカイに移籍したダウニング。トラック競技でも好成績を残す小柄なスプリンターだ。

集団でのスプリントを制したラッセル・ダウニング(イギリス、チームスカイ)集団でのスプリントを制したラッセル・ダウニング(イギリス、チームスカイ) photo:A.S.O.「クリテリウム・アンテルナシオナルにはこの第2ステージを狙って出場したんだ。見事その目標を達成出来た。最後の15kmはチームスカイの選手たちが力を尽くしてポジションを守ってくれ、ラストの数キロはコロンビアトレインに乗った。向かい風だったのでギアを1つ落としてスプリントへ。その対応が功を奏したよ」。ダウニングにとってはこれがチームスカイ移籍後初勝利だ。

総合リーダージャージはフェドリゴがキープ。ステージ3位に入ったフェドリゴはボーナスタイム2秒を獲得し、総合リードを広げることに成功している。

ステージ優勝を飾ったラッセル・ダウニング(イギリス、チームスカイ)が表彰台に上るステージ優勝を飾ったラッセル・ダウニング(イギリス、チームスカイ)が表彰台に上る photo:A.S.O.フェドリゴは総合2位のティアゴ・マシャド(ポルトガル、レディオシャック)から17秒、サムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル)から23秒、その他ライバルたちから27秒のリードを得て最終個人タイムトライアルに挑むこととなった。

この日、土井雪広(日本、スキル・シマノ)は20秒遅れの集団でゴール。このクリテリウム・アンテルナシオナルはツール・ド・フランスと同じASO主催レースであり、7月のツール出場を目指すスキル・シマノは、連日逃げグループに選手を送り込む積極性を見せている。

レース展開、選手コメントはレース公式サイトより。


クリテリウム・アンテルナシオナル2010第2ステージ結果
1位 ラッセル・ダウニング(イギリス、チームスカイ)           1h42'20"
2位 ミハエル・アルバジーニ(スイス、チームHTC・コロンビア)
3位 ピエリック・フェドリゴ(フランス、Bboxブイグテレコム)
4位 レオナルド・ドゥケ(コロンビア、コフィディス)
5位 フロリアン・ヴァション(フランス、ルーベ・リールメトロポル)
6位 アルノー・モルミ(フランス、ルーベ・リール)
7位 ジェレミー・ギャラン(フランス、ソール・ソジャサン)
8位 ジミー・アングルヴァン(フランス、ソール・ソジャサン)
9位 ビエル・カドリ(フランス、アージェードゥーゼル)
10位 マッテーオ・カラーラ(イタリア、ヴァカンソレイユ)
70位 土井雪広(日本、スキル・シマノ)                    +20"

個人総合成績
1位 ピエリック・フェドリゴ(フランス、Bboxブイグテレコム)      7h01'53"
2位 ティアゴ・マシャド(ポルトガル、レディオシャック)           +17"
3位 サムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル)            +23"
4位 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム)       +27"
5位 マッテーオ・カラーラ(イタリア、ヴァカンソレイユ)
6位 クリストファー・ホーナー(アメリカ、レディオシャック)
7位 ダビ・ロペスガルシア(スペイン、ケースデパーニュ)
8位 ベン・ヘルマンス(ベルギー、レディオシャック)
9位 マイケル・ロジャース(オーストラリア、チームHTC・コロンビア)
10位 マキシム・モンフォール(ベルギー、チームHTC・コロンビア)      +31"

ポイント賞
ピエリック・フェドリゴ(フランス、Bboxブイグテレコム)

山岳賞
ピエール・ロラン(フランス、Bboxブイグテレコム)

新人賞
ティアゴ・マシャド(ポルトガル、レディオシャック)

チーム総合成績
レディオシャック

text:Kei Tsuji
photo:A.S.O.

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