ローターから新型のクランクセット「ALDHU 3D+」が登場。ロード用クランクとしてはブランド初となる4アームデザインを採用するとともに、スパイダーアーム一体型のチェーンリングを用いたダイレクトマウント方式とすることで軽量化も追求。より細かな調整を可能としたOCPシステムも搭載されている。



ローター ALDHU 3D+(ユーロバイク2017にて撮影)ローター ALDHU 3D+(ユーロバイク2017にて撮影) photo:Makoto.Ayano
アルミのCNC切削による高い軽量性と剛性を両立した「3D+」、そこからエアロ性能を高めた「FLOW」、アクスル内にセンサーを内蔵したパワーメーター型の「INPOWER」と各種クランクセットを展開しているローター。そんな同社のラインアップに完全新作となる軽量クランクセット「ALDHU 3D+(アルデュー)」が登場した。

特徴的な製品名は、ローターのQ-RINGSを使用し2008年ツール・ド・フランス総合優勝を果たしたカルロス・サストレ(スペイン)が、マイヨジョーヌに袖を通す勝利となった第17ステージのラルプデュエズ(L'Alpe-d'Huez)の略語に由来しているという。

3D+をベースとしたクランクアームに、スパイダーアームと2枚のチェーンリングが一体となった独自の「SPIDERING(スパイダーリング)」、30mm径のアルミニウム製アクスルを組み合わせた製品となる。同社としては全く新しい4アームデザインを採用した点は大きなポイントだろう。スパイダーとクランクの各アームには流れるようなライングラフィックもレーザー加工によって施されている。

スパイダーアームとチェーンリングが一体化した専用のSPIDERINGを採用スパイダーアームとチェーンリングが一体化した専用のSPIDERINGを採用 スパイダーリングがアクスルにダイレクトマウントにて装着されるスパイダーリングがアクスルにダイレクトマウントにて装着される
アクスルのスプライン軸部分で調整する新設計のOCP MOUNTシステムアクスルのスプライン軸部分で調整する新設計のOCP MOUNTシステム スパイダーリングに目盛りが記されており、OCPを0.25刻みで調整が可能スパイダーリングに目盛りが記されており、OCPを0.25刻みで調整が可能

クランクアームには7055番アルミ合金を使用し、3D+と同じく3本のドリリング加工をアーム内に施すことで軽量化を追求。加えて素材を7075番アルミ合金に変えた専用のスパイダーリングは、アームとチェーンリング2枚を一体化させながらも全て削り出し加工によって成形することで1枚に仕上がり、パーツ点数の削減に成功している。これにより従来の同社クランクセットよりも約50gの軽量化を達成。ローターにおける最軽量クランクとして誕生している。

またスパイダーリングはもちろんローターの代名詞とも言える楕円チェーンリングのQ-RINGSタイプとなっており、効率的なペダリングをサポートしてくれる設計だ。ノーマルなQ-RINGSが楕円率10%なのに対し同製品は12.5%となっており、よりその効果を大きく体感できるだろう。

アルミの一体削り出しにより高い軽量性と美しいデザインを獲得アルミの一体削り出しにより高い軽量性と美しいデザインを獲得 内部に肉抜き加工を施し軽量に仕上がる3D+をベースとしたクランクアーム内部に肉抜き加工を施し軽量に仕上がる3D+をベースとしたクランクアーム
専用工具無しで六角レンチにて取り付けが可能だ専用工具無しで六角レンチにて取り付けが可能だ 7075番アルミ合金を使用し、スペイン本国にて製造される7075番アルミ合金を使用し、スペイン本国にて製造される

チェーンリングが一体形状となった新構造に伴い、仮想最大歯数位置を調整できるOCP(OPTIMUM CHAINRING POSITION)も「OCP MOUNT」と名付けられた新たなシステムへ変更されている。従来はチェーンリングのみを回転して好みのOCPに設定していたが、今作ではスパイダーリングをマウントするアクスルのスプライン軸部分で調整する仕様となる。

5本のスパイダーアームで調整していた時と異なり360度にメモリを刻むことが可能となり、従来以上に細かく調整できるようになったのが大きな特長。1~5までのポジションは従来通りだが、さらにプラス0.25刻みで位置調整が可能となっており、自身のペダリングに合わせたシビアなセッティングとより効率的なペダリングをライダーにもたらしてくれるだろう。

バイクに新たなルックスをもらたす4アームのロータークランク ALDHU 3D+バイクに新たなルックスをもらたす4アームのロータークランク ALDHU 3D+ (c)rotorbike.com
クランク長は170/172.5/175mmの3種類、チェーンリングは53/39T、52/36T、50/34Tの3タイプがラインアップする。またアクスル長もスタンダードとディスクの2種類から選択可能だ。クランクアーム、アクスル、スパイダーリングのセットで販売され価格は59,800円(税抜)。取り扱いはダイアテック。



ローター ALDHU 3D+
素材:7055番アルミ合金(クランクアーム)、7075番アルミ合金(スパイダーリング/アクスル)
クランク長:170、172.5、175mm
チェーンリング:53/39T、52/36T、50/34T
Q-ファクター:148mm(スタンダード)、153mm(ディスク)
チェーンライン:43.5mm(スタンダード)、46mm(ディスク)
重量:599g(170mm、50/34T)
価格:59,800円(税抜)

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