11月29日にミラノで開催されたジロ・デ・イタリアのコースプレゼンテーションにクリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ)がビデオメッセージを送り、その中で2018年ジロへの出場を明言した。フルームのジロ出場は8年ぶりとなる。


クリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ)クリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ) photo:Kei Tsuji / TDWsport
4度のツール・ド・フランス覇者がマリアローザを狙う時がやってきた。「自分のキャリアはイタリアで始まったと言っていい。プロ1年目から3年間イタリアに住んでいたし、常々ジロに戻りたいと思っていたんだ」と、ビデオメッセージの中でフルームは語った。

「チームは(ジロ出場について)慎重に考え、何度も話し合いを行なってきた。近代ロードレースにおいて、1シーズンにジロとツールで総合優勝することは偉業。(ツールとブエルタを制した)今シーズンの経験から、2つのグランツールで結果を残すことに自信を得ている」。これまでジロとツールのダブルツールを達成しているのは7名(コッピ、アンクティル、メルクス、イノー、ロッシュ、インデュライン、パンターニ)しかおらず、1998年のマルコ・パンターニ(イタリア)以降、19年間誰も達成していない。なお、ツールとブエルタの同年制覇は3名(アンクティル、イノー、フルーム)で、ジロとブエルタの同年制覇は3名(メルクス、バッタリーン、コンタドール)。

例年ジロ閉幕からツール開幕まで5週間しかないが、2018年はサッカーワールドカップ開催の影響でツール開幕が1週間先延ばしされているため6週間に。つまり例年よりもジロからのリカバリー期間が1週間長くとることができる。「エキストラな1週間のおかげで、良い状態で2つのレースに挑めるはず」とフルーム。2018年ジロ期間中に33歳の誕生日を迎えるフルームは当然ツール5勝目も狙う。

ツール・ド・フランスで4度目の総合優勝を果たしたクリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ)ツール・ド・フランスで4度目の総合優勝を果たしたクリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ) photo:Kei Tsuji / TDWsportブエルタ・ア・エスパーニャを制したクリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ)ブエルタ・ア・エスパーニャを制したクリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ) photo:CorVos

仮にフルームがジロで総合優勝すると、2017年のツールから数えて3連続グランツール制覇。さらにダブルツールは4連続グランツール制覇を意味する。「ツールとブエルタで優勝した今、3連続グランツール制覇という珍しい機会を得た。今まで誰も想像できなかったような新しいチャレンジに挑むのはいつだって刺激的。素晴らしいシーズンにするために、完全に新しいモチベーションを得ている」。

フルームはバルロワールド時代の2009年のジロに初出場して総合36位完走。チームスカイに移籍した2010年にも出場したが、モルティローロ峠を走る第19ステージで膝の痛みのためグルペットから脱落。リタイアするために警察モーターバイクに捕まって補給ポイントに向かっていたが、違反行為であるとしてリタイア扱いではなく失格処分を受けている。それ以降フルームはジロには出場していないが、ツールとブエルタでは毎年欠かさず総合表彰台に登っている。2011年ブエルタ総合2位、2012年ツール総合2位、2013年ツール総合1位、2014年ブエルタ総合2位、2015年ツール総合1位、2016年ツール総合1位&ブエルタ総合2位、そして2017年ツール総合1位&ブエルタ総合1位。

チームスカイはこれまでグランツールで合計6勝しているが、決して相性の良くないジロでは0勝。リゴベルト・ウラン(コロンビア)が2012年総合7位、2013年総合2位という成績を残し、2015年にレオポルド・ケニッグ(チェコ)が総合6位。2017年はミケル・ランダ(スペイン)の総合17位が最高位だった。

text:Kei Tsuji

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