NIPPOヴィーニファンティーニがイタリアにてミーティングキャンプを実施し、初山翔、吉田隼人、西村大輝ら新加入選手も参加。吉田は「NIPPOジャージを着用して勝つ初めての日本人選手になりたい」と意気込んでいる。



U23チームを含め、25名の選手が参加したミーティングキャンプU23チームを含め、25名の選手が参加したミーティングキャンプ photo:NIPPO Vini Fantini
第3スポンサーを迎え、来季「NIPPOヴィーニファンティーニ・ユーロッパオヴィーニ」として活動するチームがミーティングキャンプを開催。ゆかりの深いイタリア中部アブルッツォ州には、新加入の初山翔(チームブリヂストンアンカー)、吉田隼人(マトリックスパワータグ)、西村大輝(シマノレーシング)を含む、来季の所属選手19名が顔をそろえた。

4日間の日程で行われたキャンプでは、キエーティスポーツ医学大学にて負荷心電図や骨のスキャン、肺活量測定といったメディカルチェック、多くのプロ選手が通うトスカーナのバイクフィッターを訪問してのフィッティングも行った。5名の監督、2名のトレーナーとともに選手が一人ずつ面談を行い、時間を掛けて来季のレーススケジュールや目標、トレーニングプランを話し合ったという。

乳酸値を計測する登坂テスト。トレーナー陣と話す吉田隼人乳酸値を計測する登坂テスト。トレーナー陣と話す吉田隼人 photo:NIPPO Vini Fantiniメディカルチェックを受ける内間康平メディカルチェックを受ける内間康平 photo:NIPPO Vini Fantini

理学療法士による身体検査を受ける小林海理学療法士による身体検査を受ける小林海 photo:NIPPO Vini Fantini日本でも有名なパスタメーカー、ディチェコを表敬訪問日本でも有名なパスタメーカー、ディチェコを表敬訪問 photo:NIPPO Vini Fantini


プレスリリースによれば、「12月にもトレーニングキャンプが予定されていますが、そのキャンプに先駆けて、11月という早い時期から、充実したプログラムのキャンプを行ったことで、各選手が来季へのより具体的なイメージをもって準備を進めていきたい」とのこと。

また、アブルッツォに工場を構える高級パスタメーカーとして日本でも有名な「ディチェコ」を表敬訪問。キャンプにはU23チームも合流し、イタリアらしい賑やかな雰囲気で行われたという。

初山翔のコメント
キャンプに参加して、スタッフの多さなどからプロコンチネンタルチームの規模の大きさを感じました。今回、監督やトレーナーとのミーティングで、シーズンの初戦や年間レーススケジュールについて話ができて良かったです。来季はテレビやインターネットで観ていたレースに自分が出場することができるので、それがモチベーションに繋がっています。またイタリアのレースでは、アマチュア時代に観に行ったレースに10年経ってプロとして参加できるのは本当に嬉しいこと。長いシーズンになると思うので、このオフにしっかりと準備をしていきたいと思います。

理学療法士によるペダリングチェックを受ける初山翔理学療法士によるペダリングチェックを受ける初山翔 photo:NIPPO Vini Fantini
これまでは特定のレースに絞って、そこで結果を出すことを目標にしていましたが、シーズンを通して自分にとってもチームにとっても大事なレースが続くので、コンディションを落とすことなく、最初から最後まで良い走りをして、活躍することが目標です。もちろんクライマーとしてチームに期待をしてもらっているので、アジアのレースでは自らUCIポイントを獲得する走りを、そしてヨーロッパの厳しい山岳レースでは、勝負所まで残って、そこからチームのエースを助ける走りができるようになりたいと思います。

吉田隼人のコメント
来る前は長いと思っていたキャンプでしたが、じっさいに来てみると充実した内容で、あっという間に終わってしまった印象です。とにかく環境の良さに驚きました。それぞれの分野のプロフェッショナルなスタッフがたくさんいて、選手は自転車に乗ることに集中できて、強くなれる環境があると感じました。たとえばフィッティングにしても、これまでは見てもらっても、馴染みのフォームに戻してもらうこともありましたが、今回はとてもフィーリングが良いです。来季は自転車だけでなくペダル等も変わりますが、不安な気持ちはなく、問題なくやっていけそうです。

多くのプロ選手が通うトスカーナのバイクフィッターを訪問多くのプロ選手が通うトスカーナのバイクフィッターを訪問 photo:NIPPO Vini Fantini
日本で走っていると、年間数えられるだけのUCIレースしかありませんが、来季、出場するレースはすべてUCIレースであるし、ヨーロッパでは1クラス以上になります。この環境が当たり前だと思わないように、チャンスを生かすように頑張りたいと思います。

自分に与えられた目標は明確なもの。チームはUCIポイント獲得を期待していますが、これまで今の体制になって勝った日本人選手はいないので、自分がNIPPOのジャージを着て勝つ最初の日本人選手になりたいと思っています。とくに3月に出場予定のツール・ド・台湾(UCIアジアツアー2.1)では、区間優勝した経験があり、いままで以上に強いチーム力もあるので、必ず勝利を狙いたいと思います。

福島晋一監督のコメント
選手の入れ替えが多く、チームが大きく変わりましたが、チームとして上をめざしていくためには、このような入れ替えは必要なことで、今年は11月という早い段階でミーティングや計測を目的としたキャンプが実施できて良かったと思います。選手たちは明確に与えられた役割や目標を理解して、イメージをもって来シーズンを迎えてほしいです。

監督やトレーナーとともに2018シーズンのレーススケジュールや目標について話し合う中根英登監督やトレーナーとともに2018シーズンのレーススケジュールや目標について話し合う中根英登 photo:NIPPO Vini Fantini
新しく加入する日本人メンバーたちは高い目標を持っている反面、不安もあります。彼らを目標に向かって軌道に乗せるのが自分の仕事。全員が生き残れる世界ではないので、まずはここに留まること、そして上に上がっていくことをめざしてほしいと思います。

また、チームはまだ日本人選手による勝利がありません。新加入の吉田や初山には、UCIポイント獲得だけでなく、勝てる選手としての期待もかかっています。来年は日本人選手だけをみてもバランスのとれたチームになると思います。それぞれに修羅場をくぐり抜け、苦労や努力を重ねてきた選手たちだと思うので、協力し合い、いい結果を出してほしい。すべての選手にとって、大きなチャンスに満ちたシーズンになると思うので、良いシーズンになるように支えていきたいと思います。

report:NIPPO Vini Fantini

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