2015年に現役復帰し、全日本選手権タイムトライアルを2連覇した西薗良太が引退を発表。ラストレースは11月のツール・ド・おきなわとなる見込みだ。



国内屈指のTTスペシャリストとして知られる西薗良太(ブリヂストンアンカー)国内屈指のTTスペシャリストとして知られる西薗良太(ブリヂストンアンカー) photo:Hideaki TAKAGI国内屈指のタイムトライアルスペシャリストが2度目の引退を発表した。チームブログに掲載された西薗の言葉によれば、大きな理由は家族との時間を増やすためという。

「引退の理由は、家族のことが一番大きいですね。昨年に娘が生まれて、いま一歳半なんですが、家族との時間を増やしたいというのがありました。今のライフスタイルでは、鹿児島でトレーニングを積むことが必要です。でも、いろいろあり現状の形を続けていきにくいのが見えてきた。地元で支援してくださる方もいましたし、そういう体制も全てなくなるのはよくないと感じました。今まで、プロコンチネンタルレベルのチームでレベルで走ることを希望して、しっかり走ってきたつもりなんですが、難しかったということもあります。30歳という誕生日も迎えましたので、 次のステップに進むのにいい区切りだなと感じたのはあります」(チームブログから抜粋)。

西薗は鹿児島県霧島市出身の1987年生まれ。東京大学では自転車競技部に所属し、2009年に全日本大学対抗選手権自転車競技大会(インカレ)の個人ロードレースと個人タイムトライアルを制して学生ロードの二冠を達成。卒業後の2011年にはシマノレーシングに加入し、翌年ブリヂストンアンカーに移籍。ここで最初の全日本TTタイトルを獲得した。

今年6月の全日本選手権で2度目の全日本TT王者となった西薗良太(ブリヂストンアンカー)今年6月の全日本選手権で2度目の全日本TT王者となった西薗良太(ブリヂストンアンカー) photo:Hideaki TAKAGI
2013年にはプロコンチネンタルチームのチャンピオンシステムに移籍し、年末のチーム解散と共に現役を引退。しかし海外レースを走る中で感じ取った能力向上を活かすべく2015年に古巣アンカーで現役復帰し、国内を始めヨーロッパやアジアを舞台に戦ってきた。「東大卒レーサー」としてトレーニング理論に精通し、工夫を積み重ねることで2016年、2017年の全日本TTタイトルに結びつけ、直近ではツール・ド・熊野で総合4位、ツール・ド・北海道では総合2位とステージレースでも結果を残した。

西薗の選手契約は12月31日までだが、ラストレースは11月12日に開催されるツール・ド・おきなわ(UCI1.2)となる予定だという。

text:So.Isobe