イタリア3大バイクブランドの一角とも称されるコルナゴから、最新規格を搭載したTTバイクK.ONEが登場。UAEチームエミレーツによりトップレースに投入されているスピードモデルを紹介しよう。



コルナゴ K.ONEコルナゴ K.ONE (c)エヌビーエス
溶接工として働いていたエルネスト・コルナゴが1954年に創業したバイクブランド、コルナゴ。3大イタリアンバイクの一角として、これまでの60年以上の歴史の中で7000勝以上という実績を重ねてきたレーシングブランドである。そんな同社のタイムトライアルバイクK.ZEROがフルモデルチェンジ。最新規格を投入した「K.ONE」として新たに登場している。

時速50kmにも及ぶスピードを維持するタイムトライアル競技では、エアロダイナミクス性能が重要なポイントになってくる。K.ONEはコルナゴのエアロロードバイクである「CONCEPT」の開発において得られた空力に関するデータや経験を元に、風洞実験施設でよりエアロ形状に磨きをかけたバイクとなる。

そのため、フレーム形状はCONCEPTに類似しており、そこからジオメトリーをより前傾姿勢のDHポジションに合致させるよう調整している。加えてブレーキやヘッド周りなどを昨今のタイムトライアルバイクの最新スペックへ変更することで、よりハイパフォーマンスな1台に仕上がっている。

空力性能を意識したフレーム形状を随所に採用空力性能を意識したフレーム形状を随所に採用 (c)エヌビーエスフロントブレーキはカバーで覆うことでエアロ性能を向上させるフロントブレーキはカバーで覆うことでエアロ性能を向上させる (c)エヌビーエス


ハンドル・ステム部分は前作K.ZEROを踏襲したフラットなインテグレーテッドデザインを採用。ワイヤー類は新たに完全内装仕様へ更新され、ハンドル周りのシステム全体で空気の乱流を抑える仕組みとなっている。

またボトルケージ装着位置をフレームの下部に設定し、くぼみを持たせることでダウンチューブとボトルケージ、およびボトルがシームレスに続くデザインを採用。これによりフレームとボトルの表面積が広がり、エアロ効果を最大化させるなど、随所にエアロダイナミクスを考慮した工夫が見られる。

フロントブレーキは前作となるK.ZEROではフォーク裏に装着されていたのに対し、K.ONEではフォーク前部分に配置。カバーで完全に覆うことで空力効果を高める設計となっている。リアブレーキに関しては位置こそBB下部分と変わりないものの、Vブレーキタイプからダイレクトマウントブレーキタイプに変更されており、制動力の強化を図っている。

電動コンポーネントの充電などに便利なコントロールパネルをトップチューブに装備電動コンポーネントの充電などに便利なコントロールパネルをトップチューブに装備 photo:Makoto.AYANOインテグレーテッドデザインのステムを採用するインテグレーテッドデザインのステムを採用する photo:Makoto.AYANO

リア三角はコンパクトな形状となり空力性能を強化リア三角はコンパクトな形状となり空力性能を強化 photo:Makoto.AYANOエアロ形状のボトルを装着することにより、ダウンチューブの面積を広げ空力効果を上げるエアロ形状のボトルを装着することにより、ダウンチューブの面積を広げ空力効果を上げる photo:Makoto.AYANO


完璧なトータルインテグレーテッドデザインが求められるタイムトライアルバイクにおいて、配置に困る電動コンポーネントのジャンクションはトップチューブ内に収納。充電時などには透明な蓋を開けることで簡単にアクセスできるコントロールパネルとなっている。

BBは横幅を広げることで剛性を高めるBB86規格を採用。タイムトライアルレースに求められるハイパワーを効率よく推進力に変えるとともに、プレスフィット規格の中でも汎用性の高い規格に準拠することでメンテナンス性を向上させている。

フレームサイズはXS、S、M、Lの4サイズを展開しており、一番小さいサイズはホリゾンタルトップチューブ長が495mmと日本人にも合うサイズが用意されている。カラーはブラックベースにレッドの差し色を加えたKOBR(ブラック/レッド)のワンカラーのみとなる。販売はフレームセットのみで価格は620,000円(税抜)。取り扱いはエヌビーエス。

UAEチームエミレーツによりトップレースシーンに投入されている「K.ONE」UAEチームエミレーツによりトップレースシーンに投入されている「K.ONE」 (c)エヌビーエス


コルナゴ K.ONE
フレーム:カーボンモノコック
素材:ハイモジュラスカーボン
BB:BB86
サイズ:XS、S、M、L
カラー:KOBR(ブラック/レッド)
価格:620,000円(税抜)

リンク