8月17~20日の4日間に渡って開催されたUCIウィメンズワールドツアー第17戦、レディース・ツアー・オブ・ノルウェーは、新ヨーロッパ王者として臨んだマリアンヌ・フォス(オランダ、WM3エネルジー)が総合優勝。與那嶺恵理(エフデジヌーヴェル・アキテーヌフチュロスコープ)はチーム員をアシストしつつ、総合46位でレースを終えた。



初日のプロローグを走る與那嶺恵理(エフデジヌーヴェル・アキテーヌフチュロスコープ)初日のプロローグを走る與那嶺恵理(エフデジヌーヴェル・アキテーヌフチュロスコープ) photo:CorVos
ノルウェー南部に位置するエストフォル県全土を舞台に、4日間に渡ってステージレースが繰り広げられたレディース・ツアー・オブ・ノルウェー。開催国であるノルウェーナショナルチームを含む全23チームが出場し、世界選手権に向けて調整を行う與那嶺恵理(エフデジヌーヴェル・アキテーヌフチュロスコープ)もそのスタートラインに立った。

初日のプロローグは町中心部に引かれたわずか3.4kmのタイムトライアルで争われ、ヨーロッパTTチャンピオンのエレン・ファンダイク(オランダ、サンウェブ)が2位のマリアンヌ・フォスに対し0.64秒差で優勝。対して與那嶺はレース中にリアブレーキが破損する機材トラブルもあり、トップから27秒差の117位からのスタートとなった。

2日目からのロードレースは各所細かいアップダウンはあるもののいずれも平坦基調のレイアウト。第1から第3までの3つのステージともに、最後は市街地に引かれた周回コースフィニッシュとされたスプリンター向きの設定であった。

3.4kmのタイムトライアルを制したヨーロッパTT王者のエレン・ファンダイク(オランダ、サンウェブ)3.4kmのタイムトライアルを制したヨーロッパTT王者のエレン・ファンダイク(オランダ、サンウェブ) photo:CorVos第1ステージはベルギーチャンピオンのジョリーン・ドール(ウィグル・ハイファイブ)が優勝第1ステージはベルギーチャンピオンのジョリーン・ドール(ウィグル・ハイファイブ)が優勝 photo:CorVos

そのため與那嶺はよりステージ勝利が狙える、同チーム員のロキシー・フルニエ(フランス)とロキシー・クネットマン(オランダ)という2人のロキシーのアシストを努めることに。他チームの逃げに反応するべく、與那嶺自身も積極的にプロトン前方で展開し時には集団を牽引する姿も見られた。

第1ステージはベルギーチャンピオンのジョリーン・ドール(ウィグル・ハイファイブ)が集団スプリントを制す中、ポジションを上げ切れなかった與那嶺はタイム差なしの集団内ゴールに。続く第2ステージはゴール前5km地点で、船が通るためにコース上の橋が跳ね上がり一時通行不可になるハプニングも。完全に足止めをくらい、レース再開後は1つの大きな集団のままフィニッシュを目指す展開となる中、猛プッシュをかけた與那嶺はチーム員のロキシー・フルニエをステージ6位に送り込む働きを見せた。

第2ステージ マリアンヌ・フォスとの一騎打ちを制したクロエ・ホスキング(オーストラリア、アレ・チッポリーニ)第2ステージ マリアンヌ・フォスとの一騎打ちを制したクロエ・ホスキング(オーストラリア、アレ・チッポリーニ) photo:CorVos第3ステージ メーガン・ガルニエ(アメリカ、ブールス・ドルマンス・サイクリングチーム)が僅差で勝利第3ステージ メーガン・ガルニエ(アメリカ、ブールス・ドルマンス・サイクリングチーム)が僅差で勝利 photo:CorVos

最終第3ステージでは、序盤に決まった逃げとのタイム差を気にしたリーダーチームのWM3エネルジーが強烈な集団牽引を開始。メインのプロトンに終始食らいついた與那嶺は、最終周回で2つに分裂した先頭集団の後ろのグループにて、先頭から41秒差でゴールした。130人が出走し最終的に97人が完走したこのレースで與那嶺はほぼ真ん中に当たる総合46位でレースを終えている。

4日間の中で終始安定した強さを見せたのは元世界王者、現ヨーロッパ王者であるマリアンヌ・フォス。初日から順にステージ2位、5位、2位、3位とステージ優勝こそなかったもののほぼ表彰台を逃さない完璧な走りで総合優勝に輝いている。

総合優勝を果たしイエロージャージを着用するマリアンヌ・フォス(オランダ、WM3エネルジー)によるシャンパンファイト総合優勝を果たしイエロージャージを着用するマリアンヌ・フォス(オランダ、WM3エネルジー)によるシャンパンファイト photo:CorVos
與那嶺恵理コメント
「久しぶりのワールドツアーステージレースを終え、心地よい疲労感とまだまだ改善する点が多いなぁと感じています。マウンテンバイクの世界選手権に出場した時以来、久しぶりに上陸したノルウェーはとても綺麗な国でした。物価の高さには震えましたが…。9月に行われる世界選手権へ向けて、モチベーションも高まってきました。次のレースは今週末のワールドツアー、フランスのGPプルエ。登りが厳しいので入賞を狙い、最後まで粘れるように。応援、よろしくお願いいたします!」
レディース・ツアー・オブ・ノルウェー2017 個人総合成績
1位 マリアンヌ・フォス(オランダ、WM3エネルジー) 10:10:19
2位 メーガン・ガルニエ(アメリカ、ブールス・ドルマンス・サイクリングチーム) 0:13
3位 エレン・ファンダイク(オランダ、サンウェブ)
4位 カトリン・ガーフット(オーストラリア、オリカ・スコット) 0:26
5位 リサ・クライン(ドイツ、サーヴェロ・ビグラ・プロサイクリング)
6位 クロエ・ホスキング(オーストラリア、アレ・チッポリーニ) 0:27
7位 クリスティーヌ・マジェルス
(ルクセンブルク、ブールス・ドルマンス・サイクリングチーム)
0:28
8位 ロッタ・レピスト(フィンランド、サーヴェロ・ビグラ・プロサイクリング)
9位 ラボウス・ジュリエット(フランス、サンウェブ) 0:29
10位 アレクシス・ライアン(アメリカ、キャニオン・スラム) 0:30
46位 與那嶺恵理(エフデジヌーヴェル・アキテーヌフチュロスコープ) 1:48
text:Yuto.Murata
photo:CorVos