2007年のツール・ド・フランス覇者カルロス・サストレ(スペイン、サーヴェロ)が、2010年のスケジュールを明らかにした。コース発表を終えた3つのグランツールのコースを吟味した結果、サストレはジロ・デ・イタリアへの出場を決めた。

ジロで2つの頂上ゴールを制したカルロス・サストレ(スペイン、サーヴェロ)ジロで2つの頂上ゴールを制したカルロス・サストレ(スペイン、サーヴェロ) photo:Kei Tsuji「昨年(2009年)はジロで素晴らしい時間を過ごした。またジロに戻りたい」。サストレはサーヴェロ・テストチームのウェブサイトの中でコメントを発表した。「3つのグランツールのコースを精査し、チームマネージャーたちと相談した結果、ジロへの出場を決めた」。

サストレは2009年ジロでモンテ・ペトラーノヴェスヴィオの2つの頂上ゴールを制覇。持ち前の登坂力を遺憾なく発揮し、総合4位(ディルーカ降格によって順位繰り上げの可能性有り)に入った。

「まだジロで総合優勝していないということも大きなモチヴェーションの一つ。それに、2010年のコースは、僕のような(クライマー系の)脚質にぴったりなんだ。重要なチャンスだと思っているよ」。

その一方で、2007年に総合優勝を果たしたツール・ド・フランスや、ブエルタ・ア・エスパーニャの出場は未定だと言う。「現段階で出場が確定しているのはジロだけ。他のレースについては、感覚に頼りながら選んで行くことにする。どのレースを選ぶべきかというプレッシャーは感じていないよ」。

ツールでは総合17位に沈んだカルロス・サストレ(スペイン、サーヴェロ)ツールでは総合17位に沈んだカルロス・サストレ(スペイン、サーヴェロ) photo:Makoto Ayanoチームウェブサイトによると、サストレは1月10日にポルトガル・アルガルヴェでトレーニングを開始し、2週間ポルトガルに滞在する。シーズンのデビュー戦はボルタ・ア・カタルーニャ(3月22日〜28日)になる予定だ。その後「一番好きなクラシックレース」と言うアムステル・ゴールドレース(4月18日)とリエージュ〜バストーニュ〜リエージュ(4月25日)に出場する。

サストレは34歳ながら未だに世界最高クラスの登坂力を誇る生粋のクライマー。2005年ブエルタで標高1907m/1時間というグランツール歴代最高登坂記録を打ち立て、さらに2009年ジロのヴェスヴィオで標高1745m/1時間をマークしてジロ最高記録を塗り替えた。

モルティローロやガヴィア、ゾンコラン、プラン・デ・コロネスなど難関山岳ステージが多数登場するジロでは、総合優勝候補の筆頭。先に出場を発表しているカデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム)との対決にも注目したい。

text:Kei Tsuji
photo:Makoto Ayano, Kei Tsuji