今大会最後の山岳ステージで2度目のステージ優勝を飾ったワレン・バルギル(フランス、チームサンウェブ)。マイヨジョーヌを守り続けるフルームや、それを追うバルデらのコメントをお届けします。



ステージ優勝を飾ったワレン・バルギル(フランス、チームサンウェブ)

ステージ2勝目を飾ったワレン・バルギル(フランス、サンウェブ)ステージ2勝目を飾ったワレン・バルギル(フランス、サンウェブ) photo:Tim de Waele / TDWsport
ファンタスティックな勝利で、未だに信じられないよ。まさか2勝目を挙げられるなんて本当に夢みたいだ。総合でのタイム差を少しでも縮められればと思って、フィニッシュまで自分のペースをキープし続けたんだ。フルームから離れずに走っていたけれど、まだ脚に余裕があると感じたんだ。これでチームにとっては4つ目のステージ優勝になる。本当に信じられないくらい素晴らしいツールになっている。

2位に入ったダルウィン・アタプマ(コロンビア、UAEチームエミレーツ)

バルギルに交わされたダルウィン・アタプマ(コロンビア、UAEチームエミレーツ)バルギルに交わされたダルウィン・アタプマ(コロンビア、UAEチームエミレーツ) photo:Makoto.AYANO
今日のステージのために僕らはしっかりと準備してきたし、実際に素晴らしい結果を残すことが出来たと思っている。ステージ優勝できなかったことは残念だけれど、ステージ2位という結果も僕にとっては十分すぎるほど。ほとんど優勝したも同然の結果だと思っているんだ。

マイヨジョーヌを守り続けるクリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ)

バルデから4秒失いながらもマイヨジョーヌを守ったクリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ)バルデから4秒失いながらもマイヨジョーヌを守ったクリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ) photo:Tim de Waele / TDWsport今日のステージで僅かながらタイム差を付けることが出来たのは良かった。特にウランに対して2秒のアドバンテージを獲得できたのは、大きいよ。彼はタイムトライアルでもっとも強力なライバルになるだろうから。そして、チームがイゾアールで見せてくれた素晴らしいパフォーマンス、そしてランダが総合でも有力なライバルとして存在することで戦略に幅を持たせることが出来ることも、僕にとっては大きな武器になる。

ウランに対してタイム差をもっと付けたかったけれども、彼は差を詰めることに成功したね。ウランとバルデはとてもいいレース運びをしているね。特にバルデはボーナスタイムを獲得できたから、彼にとっては成功したステージになったのではないだろうか。
同タイムでフィニッシュするロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール)とクリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ)同タイムでフィニッシュするロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール)とクリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ) photo:Tim de Waele / TDWsport
きっとマルセイユへのタイムトライアルまで、総合争いは分からないだろう。まだレースは終わっていないし、総合トップには多くの選手がひしめき合っている。ここからのステージを上手くこなすことが出来れば、タイムトライアルはきっと僕にとって有利に働くはず。でも、何が起きるのかは分からない。

ボーナスタイムを獲得したロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール)

このイゾアールで、劇的な走りを見せつけて逆転に持ち込むことを皆夢見ていた。でも、実際にそれは夢のようなもの。僕が本当に成し遂げたかったのは、ただ一つの鋭く、効果的なアタックだった。イゾアールは向かい風で、チームスカイは多くのアシストを残していたけれど、僕らのチームは勝利のために素晴らしい働きをしてくれた。

マイヨジョーヌ集団からアタックするロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール)マイヨジョーヌ集団からアタックするロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール) photo:Makoto.AYANOフルームを振り切ることは出来なかったけれど、自分の走りにはとても満足している。全てを出し切ったけれど、まだあと少しレースは続くから、集中力を切らさずに慎重に走っていく必要がある。タイムトライアルへのモチベーションはかなり高いよ。最後にタイムトライアルで締めくくられるのは、とても良いレイアウトだと思っている。まだ逆転するチャンスは残されているから、残りの日々も今日の様な高いモチベーションで走り続けるさ。

昨ステージに続き遅れてしまったファビオ・アル(イタリア、アスタナ)

超級山岳イゾアール峠でメイン集団から脱落するファビオ・アル(イタリア、アスタナ)超級山岳イゾアール峠でメイン集団から脱落するファビオ・アル(イタリア、アスタナ) photo:Tim de Waele / TDWsportマイヨジョーヌを獲得したステージのあたりで体調を崩しており、何度もタフな展開に苦しめられた。とにかく、今日はベストを尽くして戦ったし、100%の力を発揮することが出来た。とにかくこのステージを無事にこなせたこと、そしてまだ総合成績で上位につけていることは喜ぶべきことだろう。病気にかかってしまったけれど、このツールをあきらめはしない
よ。

逃げ続けたアレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ)

先頭でイゾアール峠を登るアレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ)先頭でイゾアール峠を登るアレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ) photo:Tim de Waele / TDWsport今日は調子の良さを感じたから、積極的なレース展開に持ち込んだ。多くのアタックがヴァール峠で繰り広げられ、先頭4名の中に入ることが出来た。ダウンヒルを経てイゾアールに登る直前には2人になり、登り始めたら一人になった。最後の登りは本当に厳しかったね。持てる力を出し尽くしたけれど、アタプマたちに捕まってしまった。最後の区間でアルのグループに合流し、全力で彼をサポートしたんだ。

アタックを試みたアルベルト・コンタドール(スペイン、トレック・セガフレード)

イゾアール峠でアタックしたアルベルト・コンタドール(スペイン、トレック・セガフレード)イゾアール峠でアタックしたアルベルト・コンタドール(スペイン、トレック・セガフレード) photo:Tim de Waele / TDWsport
昨日、追走したおかげで、今日は悪い感覚が1日通してあった。終盤では誰もが疲れている事は知っていたけど、残念ながら昨日のような脚は残っていなかった。バルギルは何度もペースを変える走りをしていて、その動きに対応するためにバウケ(モレマ)と出来る限りの準備をしていたけど、彼はとても強かった。素直に彼をおめでとうと言いたい。

自分が望んでいたツールにならなかったことは事実。走りに満足しているかではなく、勝利について話すならば、今年は最悪のツールだったかもしれない。昨日、長い距離のアタックを仕掛けた時、観客たちが支えてくれたし、愛情のある応援をしてくれた。スポンサーが勝ちを望んでいる事は知っているが、宣伝にはなった。昨日は誰もがサイクリングを楽しんでいたし、その1人になれたことに誇りに思う。

ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)


11位でイゾアール峠山頂フィニッシュに向かうナイロ・キンタナ(モビスター)11位でイゾアール峠山頂フィニッシュに向かうナイロ・キンタナ(モビスター) photo:Makoto.AYANO戦えるだけの脚が無ければ、望むような結果を得ることは不可能だ。チームとしては、可能な限り前方で展開することにした。皆にも明らかなとおり、僕は万全の状態じゃない。でも、今の身体の状態を言葉で表現するのは難しいんだ。ただ一つ言えることは、フィニッシュするために持てる全ての力と勇気を振り絞ったということだ。僕らの今の目標は、皆で無事にパリまで走り切ることだよ。

グルペットでフィニッシュした新城幸也(バーレーン・メリダ)

イゾアール峠フィニッシュに向かう新城幸也(バーレーン・メリダ)イゾアール峠フィニッシュに向かう新城幸也(バーレーン・メリダ) photo:Makoto.AYANO今日で山岳ステージが全て終わった。残すは明日のアップダウンステージと個人タイムトライアルとシャンゼリゼの3つ。逃げるなら今日が最後のチャンスだったが、50人に入り損ねた。でも、逃げ集団はアタック合戦で落ち着きが無かったみたいで、かなり消耗戦だったらしい。アージェードゥゼールのペースアップでメイン集団から遅れ、下りで復帰を試みたが届かず、グルペットでゴールした。

昨日、今日でかなり消耗するステージとなった。もう少しで2017年のツールが終わる。そう思えば痛い脚もどうにか動く。最後まで諦めず勝利を目指して残りステージ頑張ります。(チームユキヤ通信より)

text:CW編集部