今年のツール・ド・フランスにおいて最年長選手であるアイマル・スベルディア(スペイン、トレック・セガフレード)が引退を発表した。7月29日(土)にスペインで開催されるクラシカ・サンセバスティアンでプロトンを去る。



アルベルト・コンタドール(スペイン)と並ぶアイマル・スベルディア(スペイン)アルベルト・コンタドール(スペイン)と並ぶアイマル・スベルディア(スペイン) photo:CorVos
1998年に地元スペイン・バスクのトップチーム、エウスカルテルでプロ入りしたアイマル・スベルディア(スペイン、セガフレード)。それ以降20年に渡りトップカテゴリーで走ってきた大ベテランが引退する。

スベルディアは主要なレースでの勝利こそないものの、高い総合力とアシスト能力を請われてグランツールには通算26回出場。2009年にアスタナへと移籍してからはレディオシャック、トレック・ファクトリーレーシングとトレックがスポンサードするチームで9シーズンを走ってきた。今ツール・ド・フランスでもアンドレ・カルドソ(ポルトガル)のEPO陽性を受けて急遽メンバー入りし、アルベルト・コンタドール(スペイン)の重要なアシストを務めている最中だ。

スベルディアの引退レースは今月末7月29日(土)に地元バスクで開催されるクラシカ・サンセバスティアン(UCIワールドツアー)。以下、スベルディアのコメントを紹介しよう。

最後のツール・ド・フランスでプロローグの準備をするアイマル・スベルディア(スペイン、トレック・セガフレード)最後のツール・ド・フランスでプロローグの準備をするアイマル・スベルディア(スペイン、トレック・セガフレード) photo:Makoto.Ayano2009年にアスタナ入りしてから、常にトレックのチームに籍を置いた2009年にアスタナ入りしてから、常にトレックのチームに籍を置いた photo:CorVos


「これまで多くの距離を走り、多くの時間をペダルを回す事に費やしてきたが、クラシカ・サンセバスティアンで自転車競技にグッバイを伝えることにした。その時は20年という歳月を思い返し、様々な感情が溢れ出てくるかもしれないが、今は新たな夢のドアを開けることが楽しみだ。

20歳の時にエウスカディチームによってプロ入りしてから、パンターニ、ツェーレ、オラーノ、ジャラベールといった偉大な選手たちと走らせてもらった。その後ウルリッヒ、バッソ、アームストロング、ベロキとも共に走った20年はまるで魔法のようだ。そして今、フルームやコンタドールのいるプロトンを走れたことはとても光栄に思う。これら偉大なサイクリストたちと、この職と情熱を分かち合えたことは自転車選手になれた僕の特権だった。エウスカルテル、アスタナ、トレックは僕の家族同然の存在で、毎回、ファンの暖かさで私は忘れられない経験を積ませてもらった。長年、私を支えてきた全ての人、私の両親と私の家族に、感謝している」。

text:Kosuke.Kamata