ツール・ド・フランスを走るプロバイクを紹介する第6弾は、グレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシング)の新型Teammachine SLR01。リオ五輪金メダリストを讃えるゴールドカラーバイクだ。



グレッグ・ヴァンアーヴェルマートのBMC Teammachine SLR01グレッグ・ヴァンアーヴェルマートのBMC Teammachine SLR01
今年パリ~ルーベやオンループ・ヘット・ニュースブラッドで勝利するなど春のクラシックレースを得意とするワンデーレーサー、グレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシング)。2016年のリオオリンピックではサバイバルレースとなった男子ロードレースで金メダルを獲得しており、今年のツールではその偉業を記念したスペシャル仕様の新型Teammachine SLR01を駆っている。

トップチューブ上にはグレッグ・ヴァンアーヴェルマートの名前をデザインしたGVAのロゴマークが入るトップチューブ上にはグレッグ・ヴァンアーヴェルマートの名前をデザインしたGVAのロゴマークが入る スプリンタースイッチを使用するスプリンタースイッチを使用する


バイクはチームカラーの赤をベースに、リオ五輪金メダルをイメージしたゴールドが加えられている。ちなみにツール第1週と第2週でバイクの塗り分けが変化しており、1週目はBMCロゴのみゴールドだったが、2週目はトップチューブの両サイドやシートステー上面にまでその面積が増えている。これまでヴァンアーヴェルマートはシルバー一色、もしくはゴールド一色の先代SLR01を好んで使っていたものの、ツール前哨戦に当たるツール・ド・スイスにて新型SLR01を実戦デビューさせていた。

先月発表されたばかりのBMCの新型フラッグシップモデルは、各チューブ形状を見直すことで剛性値などを最適化。BB周りに関しては10%剛性アップを果たしている。一方で、D型断面形状のシートポストと臼式クランプ、扁平形状のシートステーが衝撃を和らげる役割を持つ。また新モデルではワイヤーやケーブル類の内装化が推し進められており、ハンドル周りはスッキリとした印象だ。

ゴールドカラーのフィジーク Antares R1ゴールドカラーのフィジーク Antares R1 Di2ケーブルをフル内装するBMCの専用品ICSステムDi2ケーブルをフル内装するBMCの専用品ICSステム

ダイレクトマウントタイプのエンド金具ダイレクトマウントタイプのエンド金具 ホイールはシマノのWH-R9100-C60-TUにヴィットリアCORSAタイヤをアッセンブルホイールはシマノのWH-R9100-C60-TUにヴィットリアCORSAタイヤをアッセンブル


シマノがサポートを担うだけに、メインコンポーネントはR9150系DURA-ACEで、スプリンタースイッチを使用する点が特徴。ブレーキはダイレクトマウント仕様だ。SRMのパワーメーターを使用するが、同社のカーボンクランクではなく、先代DURA-ACEのSRM対応クランクを使用している。フロントの歯数は53-39T。

ハンドルとバーテープは3T。ステムはBMCの専用品ICSを使用している。写真の第11ステージでは高速巡航を想定したC60ホイールを選んだ。タイヤはヴィットリアのCORSA(25c)。サドルはフィジーク Antares R1のゴールドカラーモデルだ。

第8ステージで逃げグループを牽引するグレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシング)第8ステージで逃げグループを牽引するグレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシング) photo:Tim de Waele / TDWsport
なおBMCレーシングはリタイアに終わってしまった総合エース、リッチー・ポート(オーストラリア)が緊急バイク交換を行うための工夫を、彼のアシストが乗るバイクに施していたことは辻啓による現地レポートでお伝えした通り。現在ポートは自宅のあるモナコの病院で療養を続けている段階で、「景色も料理も素晴らしいので少し気を紛らわすことができる」とTweetしている。

text:Gakuto.Fujiwara,So.Isobe
photo:Makoto.Ayano