フランス勢で唯一総合トップ10にいるロマン・バルデ(アージェードゥーゼール)の走りを支える、スペシャルペイントのファクターO2を紹介しよう。イギリスの新興ブランドながらツール初出場を決めた話題のモデルだ。



ロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール)のファクター O2ロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール)のファクター O2
TAKE THE RISK OR LOSE THE CHANCE(チャンスを逃すかリスクを取るか)の格言が入るトップチューブTAKE THE RISK OR LOSE THE CHANCE(チャンスを逃すかリスクを取るか)の格言が入るトップチューブ ロマン・バルデのイニシャルをデザインしたロゴマークロマン・バルデのイニシャルをデザインしたロゴマーク


ファクターはF1やWRCといったモータースポーツから、航空宇宙産業まで深く関わるエンジニアリング企業をルーツとするロードバイクブランド。最新鋭の技術を使った独創的なデザインと性能で、創業10年と歴史が浅いながらも、トップチームであるアージェードゥーゼルとの機材供給契約を締結した新進気鋭のメーカーだ。

アージェードゥーゼルが駆るのは軽量オールラウンダーのO2。フレーム重量740gを誇り、ヒルクライムはもちろん、パヴェを始めとする悪路の走行にも対応する汎用性を持つバイクとして開発されている。

総合エースを担うロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール)のO2は他のチームメンバーとは異なり、ホワイトベースにスカイブルーのロゴや差し色が入るスペシャルカラー。トップチューブ上にはロマン・バルデのイニシャルをデザインしたロゴマークが入り、サドル側にはTAKE THE RISK OR LOSE THE CHANCE(チャンスを逃すかリスクを取るか)というバルデのツールに向けた意気込みがあしらわれる。

臼式シートクランプでスッキリした印象のシートチューブ集合部臼式シートクランプでスッキリした印象のシートチューブ集合部 ハンドル類はデンマークのパーツメーカー、ブラックインクで統一ハンドル類はデンマークのパーツメーカー、ブラックインクで統一

SRMパワーメーター搭載の9000系DURA-ACEクランクを使用。リアディレイラーにはサードパーティ製プーリーも見えるSRMパワーメーター搭載の9000系DURA-ACEクランクを使用。リアディレイラーにはサードパーティ製プーリーも見える ハンドルを大きくしゃくった独特なポジションハンドルを大きくしゃくった独特なポジション


コンポーネントはシマノR9150系DURA-ACEで組まれるが、リアディレイラーのテンションプーリーのみサードパティー製。またクランクはSRMパワーメーターを使用する関係で9000系DURA-ACEのクランクとなっている。なおスペアバイクにはカーボン仕様のSRMクランクがアッセンブルされていた。

ハンドル、ステム、シートポストはファクターのオーナーが所有するデンマーク発のパーツメーカー、ブラックインクで統一。バルデのバイクはハンドルを大きくしゃくった独特のポジションで、ハンドルの肩部分にブラケットをセットしているのが特徴だ。コラムトップキャップにはAllez Romain(頑張れロマン)の文字も入る。

第9ステージで攻撃を仕掛けたロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール)第9ステージで攻撃を仕掛けたロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール) photo:Tim de Waele / TDWsport
ホイールはマヴィックの軽量オールラウンドホイール、Cosmic Ultimateをメインに使用。前後重量1250gで、リムハイト40mmと山岳でも平坦でもこなす万能ホイールで、高速平坦コースではComete Pro Carbonなども使用するようだ。タイヤはプロトンでも非常に高い使用率を誇るコンチネンタルのプロ供給専用品「COMPETITION PROLTD」。

text:Kosuke.Kamata
photo:Makoto.Ayano