2017/06/30(金) - 10:51
6月29日、ツール・ド・フランス開幕を控えたドイツ・ デュッセルドルフにおいて恒例のチームプレゼンテーションが開催された。ベルリンに次いで30年ぶりにドイツで迎えるグランデパールで22チーム198人の選手たちがステージに立った。
7月1日に開幕するツール・ド・フランス104回大会のグランデパールとなるドイツの都市デュッセルドルフ。「小さなパリ」とも呼ばれるライン川沿いの大都市がツール・ド・フランスに出場する選手たちを迎えた。
プレゼンテーションが行われたのは市民の憩いの広場ブルクプラッツ。夜6時半からのステージに多くの市民や世界各国からのファンたちが詰めかけた。この日は夕方まで雨予報だったが、幸い天気は持ちこたえた。
チームサンウェブを皮切りに、第2ステージのスタート地点でもあるブルクプラッツに次々登るチームと選手たち。司会を務めるのは、選手会の元会長的存在だった「Shut Up Legs」のキャッチフレーズでおなじみイェンス・フォイクトと、2000年前後にスプリンターとして活躍したマルセル・ヴスト。ヴストはかつてフェスティナに所属して2000年にはツール・ド・フランスでもステージ優勝を挙げている。引退後も自転車雑誌のテストライダーを務めるなど活躍している。
市長のトーマス・ガイゼル氏、ツール総合ディレクターのクリスティアン・プリュドム氏が揃って登場し、この市でのグランデパールを宣言した。ドイツ語とフランス語で挨拶を交換した2人。ガイゼル市長は自らもツールファンだという。
かつてヤン・ウルリッヒが1997年にツール・ド・フランスに優勝したのを頂点に自転車レースフィーバーに沸いたドイツだが、ドーピングスキャンダルとウルリッヒの告白によりその熱は一気に冷めた。国営放送ARDがツールの放送を打ち切り、2015年までツールの映像が途絶えたが、近年のドイツ人選手の活躍により再び熱が戻ってきた。
マルセル・キッテル、アンドレ・グライペル、トニー・マルティン、ジョン・デゲンコルブら近代ドイツのヒーローたちは揃って参加する。チームサンウェブが一番乗りでステージに立ち、以降ドイツ人選手はステージ上で一言マイクを向けられることに。
新城幸也とバーレーン・メリダは第1グループでの早めの登壇。ベテランらしく2番めの並び順でステージに立ち、ヨン・イサギレがインタビューを受ける間に観客とフォトグラファーたちを壇上からスマホで撮影してご機嫌な笑顔を見せた。
ドイツチャンピオンジャージを来て登場したマークス・ブルグハートと、ペテル・サガンの属するドイツチームのボーラ・ハンスグローエの登場で会場は一気にヒートアップ。
このツールではじつに4つのチームがツールに特別ジャージで臨む。白いジャージになったチームスカイにトレック・セガフレード。ロットNLユンボはマイヨジョーヌと見分けがつきやすいように黒基調に。カチューシャ・アルペシンも白をベースとしたものに。数日前からSNSで発表が続いていたが、白ベースのジャージが増えたのは単なる偶然か? 予期せぬバッティングだろうが、一見して似ているためプロトン内で見分けにくそうだ。
また、6月末の各国ナショナル選手権を経て、このステージがナショナルチャンピオンジャージ姿の披露となる選手は例年数が多い。イタリアチャンピオンジャージ姿を披露したファビオ・アル(アスタナ)、ベルギージャージを着たオリバー・ナーセン(アージェードゥーゼル・ラモンディアール)、フランスジャージを着たアルノー・デマール(FDJ)etc...。
ステージとデュッセルドルフ旧市街をつなぐパレードコースが長く設定され、選手たちは市民の見守るなか走り抜けた。大勢の観客が詰めかけることを心配しての厳重な警備体制がしかれたが、ステージ以外の場所での観客はまばらで、ドイツにおける空白の時間が長かったことを再認識させられた。
ドイツがかつての自転車熱を取り戻すにはもう少し時間がかかりそうだが、プロローグはマルティンが、平坦ステージはグライペルやキッテル、デゲンコルブらに期待がかかる。ステージ勝利とマイヨ・ジョーヌを誰が着るかによって、その熱を取り戻すスピードが変わってくる。
photo&text:Makoto.AYANO
photo:Kei.TSUJI in Dusseldorf Germany
7月1日に開幕するツール・ド・フランス104回大会のグランデパールとなるドイツの都市デュッセルドルフ。「小さなパリ」とも呼ばれるライン川沿いの大都市がツール・ド・フランスに出場する選手たちを迎えた。
プレゼンテーションが行われたのは市民の憩いの広場ブルクプラッツ。夜6時半からのステージに多くの市民や世界各国からのファンたちが詰めかけた。この日は夕方まで雨予報だったが、幸い天気は持ちこたえた。
チームサンウェブを皮切りに、第2ステージのスタート地点でもあるブルクプラッツに次々登るチームと選手たち。司会を務めるのは、選手会の元会長的存在だった「Shut Up Legs」のキャッチフレーズでおなじみイェンス・フォイクトと、2000年前後にスプリンターとして活躍したマルセル・ヴスト。ヴストはかつてフェスティナに所属して2000年にはツール・ド・フランスでもステージ優勝を挙げている。引退後も自転車雑誌のテストライダーを務めるなど活躍している。
市長のトーマス・ガイゼル氏、ツール総合ディレクターのクリスティアン・プリュドム氏が揃って登場し、この市でのグランデパールを宣言した。ドイツ語とフランス語で挨拶を交換した2人。ガイゼル市長は自らもツールファンだという。
かつてヤン・ウルリッヒが1997年にツール・ド・フランスに優勝したのを頂点に自転車レースフィーバーに沸いたドイツだが、ドーピングスキャンダルとウルリッヒの告白によりその熱は一気に冷めた。国営放送ARDがツールの放送を打ち切り、2015年までツールの映像が途絶えたが、近年のドイツ人選手の活躍により再び熱が戻ってきた。
マルセル・キッテル、アンドレ・グライペル、トニー・マルティン、ジョン・デゲンコルブら近代ドイツのヒーローたちは揃って参加する。チームサンウェブが一番乗りでステージに立ち、以降ドイツ人選手はステージ上で一言マイクを向けられることに。
新城幸也とバーレーン・メリダは第1グループでの早めの登壇。ベテランらしく2番めの並び順でステージに立ち、ヨン・イサギレがインタビューを受ける間に観客とフォトグラファーたちを壇上からスマホで撮影してご機嫌な笑顔を見せた。
ドイツチャンピオンジャージを来て登場したマークス・ブルグハートと、ペテル・サガンの属するドイツチームのボーラ・ハンスグローエの登場で会場は一気にヒートアップ。
このツールではじつに4つのチームがツールに特別ジャージで臨む。白いジャージになったチームスカイにトレック・セガフレード。ロットNLユンボはマイヨジョーヌと見分けがつきやすいように黒基調に。カチューシャ・アルペシンも白をベースとしたものに。数日前からSNSで発表が続いていたが、白ベースのジャージが増えたのは単なる偶然か? 予期せぬバッティングだろうが、一見して似ているためプロトン内で見分けにくそうだ。
また、6月末の各国ナショナル選手権を経て、このステージがナショナルチャンピオンジャージ姿の披露となる選手は例年数が多い。イタリアチャンピオンジャージ姿を披露したファビオ・アル(アスタナ)、ベルギージャージを着たオリバー・ナーセン(アージェードゥーゼル・ラモンディアール)、フランスジャージを着たアルノー・デマール(FDJ)etc...。
ステージとデュッセルドルフ旧市街をつなぐパレードコースが長く設定され、選手たちは市民の見守るなか走り抜けた。大勢の観客が詰めかけることを心配しての厳重な警備体制がしかれたが、ステージ以外の場所での観客はまばらで、ドイツにおける空白の時間が長かったことを再認識させられた。
ドイツがかつての自転車熱を取り戻すにはもう少し時間がかかりそうだが、プロローグはマルティンが、平坦ステージはグライペルやキッテル、デゲンコルブらに期待がかかる。ステージ勝利とマイヨ・ジョーヌを誰が着るかによって、その熱を取り戻すスピードが変わってくる。
photo&text:Makoto.AYANO
photo:Kei.TSUJI in Dusseldorf Germany
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