ツール・ド・スイス最終日前日の第8ステージは危険な周回コースを考慮して総合争いはニュートラル扱いに。小集団スプリントでペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)が2勝目をマークした。


緑豊かな田園風景の中を走る緑豊かな田園風景の中を走る photo:TDWsport
ツール・ド・スイス2017第8ステージツール・ド・スイス2017第8ステージ image:Tour de Suisseスイス北部のシャフハウゼンを発着する12.5km周回コースを8周する100kmで行われたツール・ド・スイス第8ステージ。周回コースの中盤には3級山岳アルペンシュトラーセ(登坂距離1.2km/平均勾配5%)が組み込まれており、アムステルゴールドレースを彷彿とさせる曲がりくねったアップダウンコースが特徴だ。危険なコーナーが連続することからレース主催者とUCIコミッセールは最終周回のタイムをニュートラル扱いにすることを決めた。つまり、ステージ優勝は争われるものの、最終周回についたタイム差は総合成績に反映されない。

1ポイント差で山岳賞トップを争うラーセ・ノーマンハンセン(デンマーク、アクアブルースポート)とニック・ファンデルライク(オランダ、ルームポット)を含む4名が1周目にエスケープ開始。ノーマンハンセンはファンデルライクを寄せ付けず、3級山岳を合計7回先頭通過することに成功している。

17分強のラップタイムを刻みながら、ボーラ・ハンスグローエやサンウェブ、トレック・セガフレード、BMCレーシングがメイン集団を率いて逃げグループを追走する。最大2分あったタイム差が残り20km地点で1分を割り込むとメイン集団からカウンターアタックがスタート。ジャンルーカ・ブランビッラ(イタリア、クイックステップフロアーズ)らのアタックによって逃げグループのリードは急激に縮まった。

逃げるラーセ・ノーマンハンセン(デンマーク、アクアブルースポート)やニック・ファンデルライク(オランダ、ルームポット)逃げるラーセ・ノーマンハンセン(デンマーク、アクアブルースポート)やニック・ファンデルライク(オランダ、ルームポット) photo:TDWsport
イエロージャージを着て走るシモン・スピラク(スロベニア、カチューシャ・アルペシン)イエロージャージを着て走るシモン・スピラク(スロベニア、カチューシャ・アルペシン) photo:TDWsport
残り2周でアタックを仕掛けるジャンルーカ・ブランビッラ(イタリア、クイックステップフロアーズ)残り2周でアタックを仕掛けるジャンルーカ・ブランビッラ(イタリア、クイックステップフロアーズ) photo:TDWsport
最終周回突入を前に逃げグループは吸収。最後の3級山岳アルペンシュトラーセで動いたのは、大集団スプリントを避けたいマイケル・マシューズ(オーストラリア、サンウェブ)だった。マシューズのアタックにはグレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシング)ら7名が合流。ヴァンアーヴェルマートらは登坂距離1.2km/平均勾配5%の3級山岳を平均38.4km/hという猛スピードで駆け上がったが、リードを広げることができずにメイン集団に引き戻されている。

その後もボーラ・ハンスグローエがメイン集団をまとめ、フィリップ・ジルベール(ベルギー、クイックステップフロアーズ)を先頭に残り1kmアーチを通過。クイックステップフロアーズがトレインを組んでマッテオ・トレンティン(イタリア、クイックステップフロアーズ)をリードアウトする。トレンティンの後ろにサーシャ・モードロ(イタリア、UAEチームエミレーツ)とサガンが控える形でスプリントが始まった。

残り250mでモードロと同時に腰を上げたサガンが一瞬にして先頭に立つと、そのまま下ハンドルでフィニッシュラインまでもがき切った。ポイント賞ジャージを着る世界チャンピオンの加速にはモードロもトレンティンも歯が立たなかった。

最終周回の3級山岳でアタックを仕掛けるマイケル・マシューズ(オーストラリア、サンウェブ)最終周回の3級山岳でアタックを仕掛けるマイケル・マシューズ(オーストラリア、サンウェブ) photo:TDWsport
モードロを下したペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)モードロを下したペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) photo:TDWsport
2011年から毎年欠かさずツール・ド・スイスに出場しているサガンが今大会2勝目をマーク。ステージ通算勝利数を15まで伸ばしている。「今日もまたチームメイトに感謝しないといけない。レースをコントロールしていたのは我々ボーラ・ハンスグローエだけだった。今大会ステージ2勝目で、通算15勝目を飾ったことを嬉しく思う。大好きなツール・ド・スイスで結果を残すことができて嬉しいし、まだ気が早いけど来年もまた出場したい」とポイント賞ランキングでトップを快走中のサガンは語る。

総合成績はニュートラル扱いとなったためシモン・スピラク(スロベニア、カチューシャ・アルペシン)がイエロージャージをキープ。スピラクはダミアーノ・カルーゾ(イタリア、BMCレーシング)から52秒、ステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ロットNLユンボ)から1分05秒のリードで28.6kmの最終個人タイムトライアルに挑むことになった。

スロバキア応援団の声援を受けてペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)が登場スロバキア応援団の声援を受けてペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)が登場 photo:TDWsport


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ツール・ド・スイス2017第8ステージ結果
ステージ成績
1位 ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) 1:57:34
2位 サーシャ・モードロ(イタリア、UAEチームエミレーツ)
3位 マッテオ・トレンティン(イタリア、クイックステップフロアーズ)
4位 マグナスコルト・ニールセン(デンマーク、オリカ・スコット)
5位 ニッコロ・ボニファツィオ(イタリア、バーレーン・メリダ)
6位 マイケル・マシューズ(オーストラリア、サンウェブ)
7位 ジョン・デゲンコルブ(ドイツ、トレック・セガフレード)
8位 オスカル・ガット(イタリア、アスタナ)
9位 ケヴィン・レザ(フランス、エフデジ)
10位 サルヴァトーレ・プッチョ(イタリア、チームスカイ)
個人総合成績
1位 シモン・スピラク(スロベニア、カチューシャ・アルペシン) 27:59:50
2位 ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、BMCレーシング) 0:00:52
3位 ステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ロットNLユンボ) 0:01:05
4位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、アージェードゥーゼール) 0:02:28
5位 ルイ・コスタ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ) 0:02:35
6位 マティアス・フランク(スイス、アージェードゥーゼール) 0:02:51
7位 ミケル・ニエベ(スペイン、チームスカイ) 0:02:54
8位 ヨン・イサギレ(スペイン、バーレーン・メリダ) 0:03:51
9位 マルク・ソレル(スペイン、モビスター) 0:04:07
10位 ペリョ・ビルバオ(スペイン、アスタナ) 0:04:10
ポイント賞
1位 ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) 37pts
2位 ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、BMCレーシング) 19pts
3位 マイケル・マシューズ(オーストラリア、サンウェブ) 18pts
山岳賞
1位 ラーセ・ノーマンハンセン(デンマーク、アクアブルースポート) 54pts
2位 ニック・ファンデルライク(オランダ、ルームポット) 45pts
3位 ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、BMCレーシング) 31pts
スイスライダー賞
1位 マティアス・フランク(スイス、アージェードゥーゼール) 28:02:41
2位 ミヒャエル・シェア(スイス、BMCレーシング) 0:30:14
3位 シュテファン・キュング(スイス、BMCレーシング) 0:52:08
チーム総合成績
1位 アージェードゥーゼール 84:18:34
2位 モビスター 0:04:16
3位 カチューシャ・アルペシン 0:16:58

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