6月9日、理事会を開催した国際オリンピック委員会が、東京2020オリンピックにてBMXフリースタイルのパークとトラックレースのマディソンを競技種目に追加することを決定した。



トリッキーな技が見どころのBMXフリースタイルトリッキーな技が見どころのBMXフリースタイル (c)UCI
国際オリンピック委員会がスイスのローザンヌにて理事会を開催し、東京2020オリンピック競技大会の全種目を決定。自転車競技は既存の種目にBMXフリースタイル・パーク(男子、女子)とトラックレース・マディソン(男子、女子)の2種目が追加されることになった。

BMXフリースタイルは20インチ径のホイールを持つBMXバイクを使用し、ジャンプやトリックなどの技を決めその難易度、独創性を競う競技。中でも今回追加されたのはスケートパークという専用の施設を使用し行われる「パーク」と呼ばれる種目だ。

1分の走行を2回行い、そこで行われたジャンプやトリックなどを審査し、100点満点で順位を決める。クォーターやピラミッドと呼ばれる専用のジャンプ台を駆使し繰り広げられる迫力あるジャンプやテクニカルなトリックが見物の注目種目となっている。若年層が活躍している種目でもあり、15歳にして国内トップクラスのスキルを持つとされる中村輪夢が、メダル獲得最有力候補として期待されている。

空に届くような高いジャンプが見られるだろう空に届くような高いジャンプが見られるだろう (c)UCI国内屈指のスキルを持つ15歳中村輪夢によるジャンプ国内屈指のスキルを持つ15歳中村輪夢によるジャンプ (c)全日本フリースタイルBMX連盟

トラック種目のマディソンは、ニューヨークのマディソンスクエアガーデンにて行われたレースにちなんで命名された競技。2008年の北京オリンピックまで正式種目として実施されていたが、男子だけの種目であったため、国際オリンピック委員会の男女同数の趣旨にそぐわないとして除外されていた。東京2020オリンピックでは男子と女子の両方で競技が行われることになり、競技種目として復活する。

マディソンは2人1組のポイントレース。どちらか一方の選手のみがレースインして周回を重ね、チームとして最終的に獲得したポイントを競う。2人の間で定期的に交代が行われ、その際手を繋いで力強く引き放つタッグと呼ばれる行為が行われる。このタッグは高速走行中に行われるため、エキサイティングかつ迫力ある競技として楽しめるのが特徴だ。ロードレース界でも有名なマーク・カヴェンディッシュとブラドレー・ウィギンズ(イギリス)がペアを組んでおり、東京でも彼らのスピードを味わえることが期待できる。

マディソンは選手交代時に行われる「タッグ」が見物マディソンは選手交代時に行われる「タッグ」が見物 (c)UCIロードレースの世界でも有名なマーク・カベンディッシュ、ブラドレー・ウィギンス(イギリス)ペアロードレースの世界でも有名なマーク・カベンディッシュ、ブラドレー・ウィギンス(イギリス)ペア (c)UCI

今回の追加種目正式決定を受け日本自転車競技連盟(JCF)の橋本会長は「本日の発表を受け、BMX のフリースタイルとトラックレースのマディソンを追加種目とするために、応援いただいたすべての皆様に心から感謝申し上げます。今後は日本代表選手のメダル獲得に向け、様々な強化プログラムを展開していく所存であります。引き続き、皆様方の熱いご声援のほど何卒よろしくお願いいたします」とコメント。

また世界自転車競技連盟(UCI)理事長であるブライアン・クックソン氏はUCIホームページにて「IOCのトーマス・バッハ会長とIOC理事に感謝し、東京2020オリンピックの自転車競技が大成功を収めるためのUCIによる全面的な支援を改めて約束したい。また過去20年に及びBMXフリースタイルの発展に尽力したFISE(BMXやスケートなどの国際大会を主催する競技団体)に感謝を表明したいと思います。

長年に渡って今の形が確立されたマディソンは迫力あるエキサイティングなレースを展開することでしょう。BMXフリースタイル・パークは新世代のアスリートやファンを生み出すことに繋がるかもしれません。競争の激しいオリンピック競技の中で、自転車競技の4つのメダル獲得の機会が増えた事を歓迎しましょう」とコメントしている。


text:Kosuke.kamata