ツール・ド・ルクセンブルク3日目は登坂スプリントに持ち込まれ、26歳のネオプロ、アンソニー・ペレス(フランス、コフィディス・ソルシオンクレディ)が嬉しい初勝利。2位に食い込んだグレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシング)が総合首位に浮上した。



ルクセンブルク北部の丘陵地帯を駆け巡るツール・ド・ルクセンブルク(UCI2.HC)第3ステージ。ウィルツの街に用意された周回コースには平均勾配6.58%の登坂「ヘレンベルグ」が組み込まれており、最後はこの坂を駆け上がった先にフィニッシュラインが引かれる192,9kmだ。

山岳賞、ブリース・フェイユー(フランス、フォルトゥネオ・ヴィタルコンセプト)を含む逃げ集団山岳賞、ブリース・フェイユー(フランス、フォルトゥネオ・ヴィタルコンセプト)を含む逃げ集団 photo:CorVos総合リーダー、ジャンピエール・ドリュケール(ルクセンブルク)を守りながら走るBMCレーシング総合リーダー、ジャンピエール・ドリュケール(ルクセンブルク)を守りながら走るBMCレーシング photo:CorVos


30kmに渡るアタック合戦からは山岳賞を確定させたいブリース・フェイユー(フランス、フォルトゥネオ・ヴィタルコンセプト)4名が飛び出し、3分半までタイム差が広がると総合首位のジャンピエール・ドリュケール(ルクセンブルク)を抱えるBMCレーシングがコントロールを開始。暫くは平穏なまま距離数を減らしていった。

しかし周回コースに入り、最初のヘレンベルグに到達した段階(残り40kmほど)でリードは30秒以下に減少。集団からは第1ステージで逃げたファビアン・ダービー(フランス、ワンティ・グループグベルト)ら4名がブリッジを仕掛けて追いつき、新たな機関車を連結した先頭グループは再びタイム差を1分ほどまでに広げていく。

逃げ切りの可能性が高まったかに思えたが、唯一のワールドチームとして参加しているBMCが猛烈なペースアップを図り、目論見通り残り2kmで全員をキャッチ。ペースを落とすことなく登坂スプリントになだれ込んでいった。

BMCレーシングを先頭に「ヘレンベルグ」の登坂を進むプロトンBMCレーシングを先頭に「ヘレンベルグ」の登坂を進むプロトン photo:CorVos早めに仕掛けたグレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシング)を振り切るアンソニー・ペレス(フランス、コフィディス・ソルシオンクレディ)早めに仕掛けたグレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシング)を振り切るアンソニー・ペレス(フランス、コフィディス・ソルシオンクレディ) photo:CorVos

3名の登りスプリントを制したアンソニー・ペレス(フランス、コフィディス・ソルシオンクレディ)3名の登りスプリントを制したアンソニー・ペレス(フランス、コフィディス・ソルシオンクレディ) photo:CorVos
2連勝を狙ったグレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシング)が早めに仕掛けたものの、コフィディスのアンソニー・ペレス(フランス)の加速が五輪金メダリストを上回った。逃げ続けるペレスはヴァンアーヴェルマート、サンドロ・メウリーズ(ベルギー、ワンティ・グループグベルト)を振り切ってガッツポーズ。26歳と遅咲きのネオプロが大金星のキャリア初優勝を飾った。

リーダージャージのドリュケールは1分半遅れ、総合首位はヴァンアーヴェルマートにチーム内移動。ここ数年僅か10秒以内で総合優勝が決してきたルクセンブルクにあって22秒を稼ぎ出してはいるものの、明日はより急峻な頂上フィニッシュが待ち構えており、油断はならない。



ツール・ド・ルクセンブルク2017第3ステージ結果
1位 アンソニー・ペレス(フランス、コフィディス・ソルシオンクレディ)    4h58’16”
2位 グレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシング)
3位 サンドロ・メウリーズ(ベルギー、ワンティ・グループグベルト)
4位 ニコラ・エデ(フランス、コフィディス・ソルシオンクレディ)         +01”
5位 マキシム・ブエ(フランス、フォルトゥネオ・ヴィタルコンセプト)
6位 アレクサンダー・カンプ(デンマーク、ヴェロコンセプト)
7位 ラスムス・グィルドハマー(デンマーク、ヴェロコンセプト)
8位 ヒューブ・デュイン(オランダ、ヴェランダスヴレムス・クレラン)
9位 ルイスアンヘル・マテ(スペイン、コフィディス・ソルシオンクレディ)
10位 ジュリアン・ルーブ(フランス、エキップシクリズム・アルメ・ド・テール)
38位 小石祐馬(NIPPOヴィーニファンティーニ)                +1’19”
52位 窪木一茂(NIPPOヴィーニファンティーニ)                +3’59”

個人総合成績
1位 グレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシング)     13h41’52”
2位 アンソニー・ペレス(フランス、コフィディス・ソルシオンクレディ)      +22”
3位 ベンジャミン・トマ(フランス、エキップシクリズム・アルメ・ド・テール)   +23”
4位 サンドロ・メウリーズ(ベルギー、ワンティ・グループグベルト)
5位 ヒューブ・デュイン(オランダ、ヴェランダスヴレムス・クレラン)       +26”
6位 ヨアン・バゴ(フランス、コフィディス・ソルシオンクレディ)         +28”
7位 ピエト・アレガールト(ベルギー、スポートフラーンデレン・バロワーズ)
8位 ラファエル・フレイエンシュタイン(ドイツ、ロット・ケルンハウス)      +29”
9位 ルイスアンヘル・マテ(スペイン、コフィディス・ソルシオンクレディ)     +30”
10位 ジュリアン・ルーブ(フランス、エキップシクリズム・アルメ・ド・テール)  

ポイント賞
グレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシング) 

山岳賞
ブリース・フェイユー(フランス、フォルトゥネオ・ヴィタルコンセプト)

ヤングライダー賞
アンソニー・ペレス(フランス、コフィディス・ソルシオンクレディ) 

チーム総合成績
コフィディス・ソルシオンクレディ

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photo:CorVos