ツアー・オブ・ジャパン2日目の京都ステージが行われ、最終周回に単独アタックを決めたマルコ・カノラ(NIPPOヴィーニファンティーニ)がステージ優勝。個人総合でも首位に立った。序盤からの逃げに乗った初山翔(ブリヂストンアンカーサイクリングチーム)が山岳賞を獲得した。



ALLEZ Tシャツで決めた同志社大チアリーディング部の皆さんALLEZ Tシャツで決めた同志社大チアリーディング部の皆さん photo:Makoto.AYANO日本チャンピオンジャージを着た初山翔(ブリヂストンアンカー)日本チャンピオンジャージを着た初山翔(ブリヂストンアンカー) photo:Makoto.AYANO

京田辺名産のお茶が選手たちにも振る舞われた京田辺名産のお茶が選手たちにも振る舞われた photo:Makoto.AYANOTOJ京都アンバサダーの三船雅彦さんTOJ京都アンバサダーの三船雅彦さん photo:Makoto.AYANO


ツアー・オブ・ジャパンの第2ステージは、昨年から加わった京都ステージ。京都市の南に位置する京田辺市と精華町にまたがる1周16.8kmのコースで最初のロードレースステージが行われる。

「普賢寺ふれあいの駅」をスタートし、同志社大学の京田辺市キャンパス内を通って周回コースまでパレードしたのち、半周+6周・105kmのレースがスタートする。周回コースは2級山岳が設定された前半と、道幅が狭く曲がりくねった後半で構成される。今年アンバサダーを務める三船雅彦さんはこのコースの近くに住み、よく走る場所だという。

同志社大学京田辺キャンパス構内をパレード走行同志社大学京田辺キャンパス構内をパレード走行 photo:Hideaki.Takagi
兄・山本元喜(キナンサイクリングチーム)が引き、弟・大喜(日本ナショナルチーム)が続く逃げ集団兄・山本元喜(キナンサイクリングチーム)が引き、弟・大喜(日本ナショナルチーム)が続く逃げ集団 photo:Satoru.Kato逃げを見送ってペースダウンするメイン集団逃げを見送ってペースダウンするメイン集団 photo:Satoru.Kato


前日同様に朝からよく晴れ、京田辺市の最高気温は7月中旬並みの30.7℃を記録。この暑さにより、佐野淳哉(マトリックスパワータグ)が熱中症のためレース序盤でリタイアする事になってしまった。

リアルスタート直後、マリオ・ヴォクト(アタッキ・チームグスト)の飛び出しに反応して山本大喜(日本ナショナルチーム)、山本元喜(キナンサイクリングチーム)、田窪賢次(マトリックスパワータグ)が飛びつく。さらに初山翔(ブリヂストンアンカーサイクリングチーム)が山頂までに合流して5人の逃げ集団が形成される。リーダーチームのユナイテッドヘルスケアは、集団の前に1人を出すものの、チームとして集団コントロールをしない事もあって、差は4分近くまで開く。

1周目、逃げる先頭集団が丘陵地帯を行く1周目、逃げる先頭集団が丘陵地帯を行く photo:Hideaki.Takagi2級山岳を通過するメイン集団2級山岳を通過するメイン集団 photo:Satoru.Kato

コース沿いには蔵などの伝統的な建物が並ぶコース沿いには蔵などの伝統的な建物が並ぶ photo:Satoru.Katoお揃いのルコックのALLEZ Tシャツを着た精華町ひかり台保育所 4歳5歳のみんなお揃いのルコックのALLEZ Tシャツを着た精華町ひかり台保育所 4歳5歳のみんな photo:Makoto.AYANO


「ヴォクトはポイント賞狙いで、自分は山岳賞狙い。目指しているものが違うのでローテーションもうまく回った」と、レース後に初山が話したように、途中2回設定されたポイント賞はヴォクトが、同じく2回設定された山岳賞は初山が先頭通過。初山が山岳賞ジャージ獲得を決める。

レースが後半に入ると、逃げ集団とメイン集団との差が縮まり始める。5周目にはヴォクトと田窪が遅れ、逃げ集団は3人に。最後まで抵抗するものの、ステージ優勝を狙う各チームがペースアップして逃げを全て吸収し、レースは振り出しに戻る。

逃げ切って両手を挙げたマルコ・カノーラ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ)逃げ切って両手を挙げたマルコ・カノーラ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ) photo:Makoto.AYANO
2位争いのゴールスプリント2位争いのゴールスプリント photo:Makoto.AYANOマルコ・カノーラの勝利に歓喜するNIPPOヴィーニファンティーニ)マルコ・カノーラの勝利に歓喜するNIPPOヴィーニファンティーニ) photo:Makoto.AYANO


最終周回の6周目、登り区間でマルコ・カノラ(NIPPOヴィーニファンティーニ)がアタック。山頂をクリアした後の下りでメイン集団に20秒以上の差をつける。道幅が細く曲がりくねった下り区間で差を広げたカノラはそのまま逃げ切り。ゴールのけいはんなプラザ前のストレートでは直後に集団が迫る中、ガッツポーズでゴールラインを越えた。このステージ優勝により、カノラは個人総合とポイント賞で首位に立ち、一気に2賞のジャージを獲得した。

「その時に感じた『風』をつかんで、チャンスだと思って飛び出した」と、アタックを決めた時を振り返るカノラ。「最終周回に入ったところで調子の良さを感じていたので、最後の登りに入ったところでアタックした。誰かついてくるかと思ったのだけれど1人で行く事になり、ハードだったけれど全力で逃げ続けた。チームにとって重要なレースとして臨んだツアー・オブ・ジャパンで優勝できてとても嬉しい。」とコメント。リーダージャージを着て臨む明日以降については「昨年優勝しているオスカル・プジョルとチーム右京は強いので要注意だと考えている。やはり富士山ステージが勝負の要になると思うので、そこまでは堅実なレースをしていきたい」と語った。

第2ステージ優勝で個人総合首位に立ったマルコ・カノラ(NIPPOヴィーニファンティーニ)第2ステージ優勝で個人総合首位に立ったマルコ・カノラ(NIPPOヴィーニファンティーニ) photo:Satoru.Katoリーダージャージと一緒にポイント賞ジャージも獲得したマルコ・カノラ(NIPPOヴィーニファンティーニ)リーダージャージと一緒にポイント賞ジャージも獲得したマルコ・カノラ(NIPPOヴィーニファンティーニ) photo:Satoru.Kato

山岳賞ジャージを獲得した初山翔(ブリヂストンアンカーサイクリングチーム)山岳賞ジャージを獲得した初山翔(ブリヂストンアンカーサイクリングチーム) photo:Satoru.Kato新人賞ジャージはイヴァン・ガルシア(バーレーン・メリダ)新人賞ジャージはイヴァン・ガルシア(バーレーン・メリダ) photo:Satoru.Kato


一方、山岳賞ジャージを獲得した初山は、「チームとしてはステージ優勝が目標ではあったが、自分が序盤の逃げに乗る事は予定していませんでした。でもとっさに体が反応してしまい、水谷監督からも山岳賞は絶対に取れと言われたので全力で取りに行く事にしました。結果としてジャージを獲得出来たので、チームにとっても自分にとっても良かったと思います。」と語った。

明日の第3ステージは三重県いなべ市。アップダウンに富むコースと、タイム差が確実につく登りゴールがどのような結果となるのか注目だ。



ツアー・オブ・ジャパン2017第2ステージ 京都結果
1位 マルコ・カノラ(NIPPOヴィーニファンティーニ)  2h44'17"
2位 ジョン・アベラストゥリ(チーム右京)         +7"
3位 セバスチャン・アエド(ユナイテッドヘルスケア)
4位 岡篤志(宇都宮ブリッツェン)
5位 窪木一茂(NIPPOヴィーニファンティーニ)
6位 イヴァン・ガルシア(バーレーン・メリダ)
7位 鈴木龍(ブリヂストンアンカー)
8位 ロビー・ハッカー(アイソウェイスポーツ・スイスウェルネス)
9位 ミルサマ・ポルセイェディゴラーホル(タブリーズ・シャハルダリ)
10位 横山航太(シマノレーシング)

個人総合順位
1位 マルコ・カノラ(NIPPOヴィーニファンティーニ) 2h47'25"
2位 ジョン・アベラストゥリ(チーム右京)         +9"
3位 ダニエル・サマーヒル(ユナイテッドヘルスケア)    +14"
4位 イヴァン・ガルシア(バーレーン・メリダ)       +15"
5位 オスカル・プジョル(チーム右京)           +18"
6位 ネイサン・アール(チーム右京)
7位 岡篤志(宇都宮ブリッツェン)
8位 ロビー・ハッカー(アイソウェイスポーツ・スイスウェルネス)
9位 ラクラン・ノリス(ユナイテッドヘルスケア)
10位 ベンジャミ・プラデス(チーム右京)          +19"

個人総合新人賞
1位 イヴァン・ガルシア(バーレーン・メリダ)      2h47'40"

ポイント賞
1位 マルコ・カノラ(NIPPOヴィーニファンティーニ) 31pt
2位 ジョン・アベラストゥリ(チーム右京)      27pt
3位 イヴァン・ガルシア(バーレーン・メリダ)    18pt

山岳賞
1位 初山翔(ブリヂストンアンカー)        10pt
2位 山本大喜(日本ナショナルチーム)        6pt
3位 山本元喜(キナンサイクリングチーム)      1pt

チーム総合
1位 チーム右京                  8h23'06"
2位 アイソウェイスポーツ・スイスウェルネス

text&photo:Satoru.Kato
photo:Hideaki.Takagi、Makoto.AYANO
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