いよいよ5月21日(日)の堺ステージから今年のツアー・オブ・ジャパンが始まる。休みなしの8日間、ディフェンディングチャンピオンのオスカル・プジョル(チーム右京)は?、プロコンNIPPOのイヴァン・サンタロミータと中根英登は?。前日となる土曜日の記者会見でそれぞれの抱負を語った。



大阪府堺市の施設、さかい利晶の杜での公開記者会見大阪府堺市の施設、さかい利晶の杜での公開記者会見 photo:Hideaki.Takagi
いなべステージの一部がコース変更に

ディフェンディングチャンピオンのオスカル・プジョル(チーム右京)ディフェンディングチャンピオンのオスカル・プジョル(チーム右京) photo:Hideaki.Takagi5月21日(日)から8日間8ステージで行われるツアー・オブ・ジャパン(UCI2.1)。昨年から京都ステージが入り休息日なしのスケジュールだ。いなべステージのフィニッシュへ向けてのコースが一部変わったほかは、すべて昨年までと同じコース。富士山ステージが大きく成績に影響することは変わらない。昨年に富士山で優位に立ったオスカル・プジョル(チーム右京)そしてマルコス・ガルシア(キナンサイクリングチーム)はもちろん出場する。

ミルサマ・ポルセイエディゴラコールが立ちはだかる富士山

富士山と言えば2015年はそこで優位に立ったミルサマ・ポルセイエディゴラコール(タブリーズ・シャハルダリチーム)は今年も出場し、ピシュガマンチームが不在と言えど総合争いを演じるのは必至。もし富士山でのタイム差を1分程度以内に抑えれば次の伊豆ステージで挽回も可能だ。現に2015年も16年もアシストが全部削がれポルセイエディゴラコールもプジョルもエース自ら応戦して辛くも守り通した過去がある。プロコンのNIPPOは戦い慣れておりこのような展開が得意だ。

スプリンターステージはジャコッポ、アベラストゥリ、吉田隼人?

今年から初の冠スポンサーにNTNが。新しいロゴとルコック製ジャージ今年から初の冠スポンサーにNTNが。新しいロゴとルコック製ジャージ photo:Hideaki.Takagiスプリンターステージでは昨年2勝のアンソニー・ジャコッポ(アイソウェイスポーツ・スイスウェルネス)やジョン・アベラストゥリ(チーム右京)、吉田隼人(マトリックスパワータグ)、鈴木龍(ブリヂストンアンカー)、窪木一茂(NIPPO・ヴィーニファンティーニ)、水谷翔(シマノレーシング)、岡本隼(愛三工業レーシングチーム)、岡篤志(宇都宮ブリッツェン)、黒枝咲哉(日本ナショナルチーム)らの名前が挙げられよう。

前半のスプリンターステージで吉田ら日本人選手の活躍が、富士山では本命どころの登坂力が、そして伊豆ステージでは各チームによる総力戦が見どころだ。総合はプジョル、ガルシア、ポルセイエディゴラコールあるいは好調の土井雪広(マトリックスパワータグ)、西薗良太(ブリヂストンアンカー)、雨澤毅明(宇都宮ブリッツェン)ら日本人選手がどの順位につけるかが見どころだ。

有力選手7人の記者会見

有力選手たちが記者会見に臨んだ有力選手たちが記者会見に臨んだ photo:Hideaki.Takagi
大会に先立ち、前日の5月20日(土)に有力選手7人による記者会見が行われた。会場は千利休と与謝野晶子をフィーチャーした大阪府堺市の施設、さかい利晶の杜だ。会見UCIワールドチームのバーレーン・メリダから台湾出身でアジアツアーでもなじみのフェン・チュンカイ、ディフェンディングチャンピオンのオスカル・プジョル(チーム右京)。

そしてプロコンチネンタルチームのNIPPO・ヴィーニファンティーニからエースのイヴァン・サンタロミータと登坂力があり総合に期待できる日本人選手として中根英登、地元堺市拠点のシマノレーシング入部正太朗、増田成幸不在の中で若手で臨むアジア選U23TTチャンピオンの宇都宮ブリッツェン小野寺玲、アジア選U23ロードチャンピオン岡本隼(愛三工業レーシングチーム)だ。それぞれ以下のようにコメントしている。

お茶会に呼ばれた選手たち。右端のイヴァン・サンタロミータ(NIPPOヴィーニファンティーニ)は日本語で「めっちゃうまい!」お茶会に呼ばれた選手たち。右端のイヴァン・サンタロミータ(NIPPOヴィーニファンティーニ)は日本語で「めっちゃうまい!」 photo:Hideaki.Takagiフェン・チュンカイ(バーレーン・メリダ)は慣れたもの?フェン・チュンカイ(バーレーン・メリダ)は慣れたもの? photo:Hideaki.Takagiオスカル・プジョル(チーム右京)
3度目の参加で、リラックスして臨みたい。昨年の総合優勝は自分でも驚いている。今年はしっかり調整してきた。ヒルクライマーとして富士山ステージで頑張りたい。

フェン・チュンカイ(バーレーン・メリダ)
日本が大好きです。今回は若いメンバーでの参加で、どのステージもチームメイトと協力して上を目指したい。

イヴァン・サンタロミータ(NIPPOヴィーニファンティーニ)
日本にいいイメージを持っていて2010年のジャパンカップ3位だけれども今回はそれを超える成績を目指したい。

中根英登(NIPPOヴィーニファンティーニ)
アゼルバイジャンでの総合9位はチームの状態が良くて出た結果チームはいい状態。自分が総合を行くという指示が出れば富士山ステージ以降しっかり走りたい。

入部正太朗(シマノレーシング)
明日の堺は本社もすぐ近くにあるので絶対に勝ちたい。若手のスプリンターで平坦ステージを狙い、ほかは自分なりが逃げに乗るような走りをしたい。

小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)
3年連続日本人最高位でエースの増田選手が不在だけれどもチームはいい雰囲気。みんな調子よくて自分が調子悪いのかと思ってしまうほど。東京ステージで気持ちよくスプリントをして終えたい。どこかで目立つ走りができたら。

岡本隼(愛三工業レーシングチーム)
全ステージ頑張るが特に美濃ステージ、そして東京ステージではガンガン攻めたい。やるだけやって燃え尽きたい。

photo&text:Hideaki TAKAGI