「フィニッシュ地点に家族が来てくれていて、勝利を皆と祝うことができた。キャリア最高の1日だ」と語るのは、ローザを手に入れたフェルナンド・ガビリア。落車したローハン・デニスや総合勢らのコメントと合わせて紹介します。



フェルナンド・ガビリア(コロンビア、クイックステップフロアーズ)

マリアローザに袖を通したフェルナンド・ガビリア(コロンビア、クイックステップフロアーズ)マリアローザに袖を通したフェルナンド・ガビリア(コロンビア、クイックステップフロアーズ) photo:Kei Tsuji / TDWsport
ステージ優勝を飾ったフェルナンド・ガビリア(コロンビア、クイックステップフロアーズ)ステージ優勝を飾ったフェルナンド・ガビリア(コロンビア、クイックステップフロアーズ) photo:Kei Tsuji / TDWsport間違いなくキャリア最高の1日だ。ジロでステージ優勝し、マリアローザを手にするという夢が叶った。

今日は1日中風向きに注意をしていて、チームとして大きく戦局を変えることができたことにも満足しているよ。海岸線に出て右側から風が吹き付けた瞬間を狙い全速力で走り出したんだ。そこからフィニッシュまではチームタイムトライアル。チームメイトたちは一度も振り返ることなくハイペースを刻み続けた。まさに教科書通りの横風分断で、チームメイトに感謝するばかりだ。開幕してから2日間はうまくいかなかったが、今日のような走りができてとても満足しているよ。

今日はフィニッシュ地点に家族が来てくれていて、勝利を皆と祝うことができた。ここまで来るのに努力を惜しまなかったし、たくさんのことを犠牲にしてきた。その末にこうして結果を出せるなんて信じられないような気分さえしている。今夜はマリアローザと共に眠りにつくんだ。

リュディガー・ゼーリッヒ(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)

フェルナンド・ガビリア(コロンビア、クイックステップフロアーズ)の後ろではリケーゼが勝利を確信フェルナンド・ガビリア(コロンビア、クイックステップフロアーズ)の後ろではリケーゼが勝利を確信 photo:Kei Tsuji / TDWsport何としても表彰台に乗りたかったので死にもの狂いだった。ガビリアは強すぎたので結果には満足している。

ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、トレック・セガフレード)

クイックステップフロアーズのチームワークは素晴らしかった。残り10kmからは僕も持てる力を尽くして最後のスプリントに臨んだけれど、脚的にも勝利にはあと一歩届かなかった。でもこれ以上の結果を望まなかったし、フラストレーションを溜めたりはしていないよ。全力を尽くした末の3位だった。

6位のカンスタンティン・シウツォウ(ベラルーシ、バーレーン・メリダ)

チームはニーバリのためにこのジロに参加しているんだ。集団が分裂したときにニーバリと共に残れなかったのは痛恨。彼のそばで走り続けるべきだった。ラウンドアバウトを通過するタイミングで、4番手につけていることに気付いたんだ。多くの強豪スプリンターたちの中でポジションを保つのは簡単なことではなかった。

マリアローザを手放したアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル)

マリアチクラミーノに衣替えしたアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル)マリアチクラミーノに衣替えしたアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル) photo:CorVos
マリアローザのアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル)がハイタッチマリアローザのアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル)がハイタッチ photo:Kei Tsuji / TDWsport今日のステージは僕らにとって理想的な展開で幕を上げた。最初の逃げは4人と少人数で、最終的には3人しか残らなかったから、集団を率いてタイム差をコントロールするのは容易だった。

残り12km地点でエシュロンが形成されるというリスクは頭に入っていたんだ。でも、一人の選手が中切れを起こしたタイミングでペダルが外れてしまったんだ。それで先頭集団に入ることが出来なかった。集団には入れていれば、かなり理想的な状況だっただけに失望は大きかった。

クイックステップの選手が多かったから、集団の後ろで休めていただろうし、ステージ優勝は難しかっただろうけどマリアローザを手放すことは無かったはず。しかし起こったことを受け入れるのもスポーツマンにとって大切なことだ。マリアローザを着用してサルデーニャの空気を味わえたことは何よりも楽しかったよ。

途中落車したローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング)

落車したローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング)落車したローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング) photo:Kei Tsuji / TDWsport落車が起きたのは残り10kmあたり。逃げ始めたクイックステップ主導の先頭集団を追いかけようとした時に、前にいたバルディアーニの選手が突然進路を左に変え、僕の前輪がもっていかれてしまった。踏みとどまることもできないまま右側から落ちた。

(擦過傷)でシャワーも痛むけれど、一番は首。打ち付けてしまったので少し頭痛も出ている。そのうち治ると思うので第4ステージも普段通り出走するが、すでに3日目にして5分以上というビハインドを食らってしまった。何でも起こりうるのがレースであり、まだギブアップする気はない。チームとしてはティージェイの総合争いに向けて順調に進めているので、今僕にできることをしっかりと見定めつつ、3週間の内で経験を積んでいきたいと思う。

ステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ロットNLユンボ)

1日中強風だったので分断には警戒していた。総合有力勢たちと同じグループに入ることができたので順調に運んだ。開幕当日はあまり調子が良くなかったけれど、3日間が経過してコンディションは上がってきている。まだ何も総合争いについて語ることは無いけれど、火曜日のエトナ山ステージは集中して臨んでいく。そこでライバルたちの力を推し量ることができるだろう。

元世界王者のバッランと談笑するゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ)元世界王者のバッランと談笑するゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ) photo:Kei Tsuji / TDWsport
ゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ)

最終盤は緊張の連続だった。位置取りは問題なかったが、ランドアバウトでミスしてポジションを大きく下げてしまった。なんとか13秒遅れの集団内でフィニッシュしたが、もっと悪い結果になる可能性もあったんだ。総合ではユンゲルスが10秒先行したが、山岳ステージに入れば10秒という差はゼロに等しくなる。

text:So.Isobe,Naoki.Yasuoka