5月3日、ジロ・デ・イタリアの主催者RCSスポルトがプレスリリースを出し、新設された「ベストダウンヒラー賞」をキャンセルすることを発表した。下り区間でタイムを争うことはレースの危険性を上げるとして、選手側から批判の声が集まっていた。



先頭グループを追うマリアローザのステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ロットNLユンボ)先頭グループを追うマリアローザのステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ロットNLユンボ) photo:Kei Tsuji「主催者とスポンサーが話し合った結果、新たに導入予定だったベストダウンヒラー賞を削除し、賞金も含めて争わないことを決定した」。主催者RCSスポルトは物議を醸した賞のキャンセルを開幕2日前に発表した。

RCSスポルトは「賞のコンセプトはロードレースに欠かせない(ダウンヒルの)スキルにスポットライトを当てるものだったが、最優先事項である選手の安全を脅かす可能性があるため、今回の決定に至った」としている。

特別賞「プレミオ・ミリオール・ディセンシスタ」と呼ばれるベストダウンヒラー賞導入の発表以降、選手やチーム側から批判の声が相次ぎ、UCI(国際自転車競技連盟)のトム・ヴァンダム副会長も「容認できない」として主催者に中止を求めていた。

ベストダウンヒラー賞はキャンセルされるが、対象となる峠の10ヶ所の下りタイムの計測は当初の予定通り行われ、計測タイムは公開される予定だ。

text:Kei Tsuji in Alghero, Italy

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