5月1日、今季エキップアサダからフランスへと派遣されている渡邉歩(La Bande/EQADS準所属)が、フランスのアマチュアレースGPコロミエで勝利した。前日、日本代表としてパリ〜マント(UCI1.2)に出場した際も逃げを見せていた渡邉が、この日は所属チームのレオ・マンヴィル(フランス、La Bande)とともに快走、ワンツーフィニッシュでレースを締めた。



チームメイトのレオ・マンヴィルと手を繋ぎながら、ワンツーフィニッシュを決めた渡邉歩(La Bande/EQADS準所属、写真右)チームメイトのレオ・マンヴィルと手を繋ぎながら、ワンツーフィニッシュを決めた渡邉歩(La Bande/EQADS準所属、写真右) Photo: Xavier Marie
曇り空に時々晴れ間が差す中、フランス南部の都市トゥールーズのコロミエで行われたGPコロミエ(2,3,Juniors)は、2kmのコースを43周する合計86kmで行われた。渡邉歩は、エキップアサダのEQADSからフランスに派遣されている選手として、先日ロメット・シャイヨールで優勝した石上優大(AVCAIX/EQADS準所属)に続く勝利となった。このクリテリウムのようなショートサーキットのレースの模様を、渡邉本人から届いたレポートによりお伝えする。

GPコロミエ レースレポートby渡邉歩

このレースに出るのは2回目。去年は2位に終わったこのレース。何が何でも勝つという思いでレースに向かった。前日にパリでレースを走り、限界まで追い込み700kmの移動を経てのレースになったが、自分の調子は良くレース前から勝つことをイメージできていた。

コースは3つのロータリーを繫いだブーメランのような形で1カ所上るクリテリウムに近いコースだった。レース前は中学生以下のレースが行われ15周30kmで行われていた。その最中に雨が降るものの自分がゼッケンをもらいに行く頃には雨が上がり、路面も乾いてきていた。

当日受付で8ユーロを払った際の写真。フランスではライセンスとゼッケンが交換になり、ゼッケンを返さないとライセンスが戻ってこないシステムもいいですね(渡邉歩)当日受付で8ユーロを払った際の写真。フランスではライセンスとゼッケンが交換になり、ゼッケンを返さないとライセンスが戻ってこないシステムもいいですね(渡邉歩) Photo: Ayumu Watanabe今回は当日参加で8ユーロを払い、ゼッケンを受け取る。出走人数は63名だった。

レーススタート直後は前日の疲れもあり動きが悪く辛かったが、5周ほど経つと身体が慣れてきた。2カテゴリーのレースは、始め速いものの徐々にその勢いは弱る。力の差が大きいため絶対に勝負が決まるタイミングがどのレースでもある。身体を慣らすために自分から前で動き、様子を見る。

レースが動いたのは10周を過ぎた頃で、6名ほどが勢いよく飛び出し集団と5秒ほど差が開く。ここにはチームメイトのレオが乗る。

集団が止まるところを見て上り区間からアタック。ついてきた選手3名ほどを引きちぎり前に合流し、そのままペースを上げて逃げを決めに行く。7名の先頭になり、徐々に集団との差が開いていく。自分が保つことができるペースでグループを回し安定させ、周回を消化する。スプリントポイントは気にせずに、勝つことだけを考えてレースを進めた。

残り半分を切った段階で逃げ切りが濃厚になる。ここからは自分の脚を残しつつレースを進める。ドゥニーも自分に抑えろとジェスチャーを送ってくる。

勝負をかけたのは残り5周。ペースが落ちた上り区間でスピード差を付けてアタックすると、抜け出しに成功し単独で半周ほどを走った。後ろを見るとポイント賞狙いの選手とレオがしっかりと追走に入ってくれたため、その2人と合流し3名になる。選手をふるいにかけるがポイント賞だけが欲しいらしく、3名でペースを作り逃げる。最後のポイント賞を取らせペースを刻み、最後に2人で抜け出しゴール。勝ちを貰った。

優勝後の車中にて、フランスでお世話になっているドゥニ・ゴンザレス監督と勝利の喜びを分かち合う渡邉歩。監督の口癖は「勝たない者は食うべからず(pas gagner, pas manger パ・ガニェ、パ・マンジェ)」優勝後の車中にて、フランスでお世話になっているドゥニ・ゴンザレス監督と勝利の喜びを分かち合う渡邉歩。監督の口癖は「勝たない者は食うべからず(pas gagner, pas manger パ・ガニェ、パ・マンジェ)」 Photo: Ayumu Watanabe
今年2回目の第2カテゴリーをしっかりと勝って終わることが出来た。低いカテゴリーだったが今年初勝利。レースを展開、そして勝つことで自力を証明することが出来た。

1年前のレースと比べても展開は似ているものの、勝負をしかける際の強度が格段に上がっておりしっかりと成長を感じられた。この先のレースに向けてもいい流れをつかむことが出来た。この勝利を喜び、次の大きなレースへ向けて調子を上げていきたい。



GPコロミエ2017 結果
1位 渡邉歩(La Bande/EQADS準所属)
2位 レオ・マンヴィル(フランス、La Bande)



photo: Xavier Marie, Ayumu Watanage
text: Ayumu Watanage, Yuichiro Hosoda