2017年2月に開催されたドバイツアーのレース中にキッテルを殴ったアンドリー・グリブコ(ウクライナ、アスタナ)に対し、UCI(国際自転車競技連盟)は45日間の出場停止処分を与えた。処分期間は5月1日から6月14日まで。



グリブコに殴られて傷を負ったマルセル・キッテル(ドイツ、クイックステップフロアーズ)グリブコに殴られて傷を負ったマルセル・キッテル(ドイツ、クイックステップフロアーズ) photo:TDWsport


事件は2月2日に行われたドバイツアー第3ステージで起こった。横風走行時のポジション争いの最中に、マルセル・キッテル(ドイツ、クイックステップフロアーズ)の左こめかみが流血しているシーンが国際映像で流れた。

キッテルはグリブコに殴られたとUCIコミッセールに主張。キッテルは「ポジションを争っている際に身体が接触するのはよくあること。グリブコと彼の若いチームメイトの間に入った際、彼は気に入らなかったようでパンチを繰り出してきた。感情が高ぶっている状況だったとは言え、拳を上げるのは許されない」と、殴られた状況を説明している。また「彼はこの美しいスポーツのイメージを汚した」とも。

当時、グリブコは「自分のポジションを奪おうと彼は何度も何度も押してきた。手で押し返す以外に方法がなかったんだ。スプリント中なら理解できるけどレース中盤にやるべきことじゃない」とコメントしている。レース後にUCIコミッセールはグリブコに失格処分と200スイスフラン(約22,000円)の罰金を言い渡し、アスタナはクイックステップフロアーズに正式に謝罪した。

事件発生から2ヶ月半が経った4月20日、UCIはプレスリリースを出し、グリブコに45日間の出場停止処分を与えることを明らかにした。処分は5月1日に始まり、6月14日に明ける。UCIは「暴力的態度で接した者、もしくは中傷的言葉を使用した者、もしくは悪態をついた者」および「自転車競技またはUCIのイメージ、評判、または利益を損なうような振る舞いをする者」に対して「1ヶ月以上、6ヶ月以内の資格停止処分とする」と定めるUCI規約12.1.005(JCFの日本語訳より抜粋)に沿ってグリブコに処分を与えたと発表している。

アンドリー・グリブコ(ウクライナ、アスタナ)アンドリー・グリブコ(ウクライナ、アスタナ) photo:TDWsportアンドリー・グリブコ(ウクライナ、アスタナ)アンドリー・グリブコ(ウクライナ、アスタナ) photo:TDWsport

text:Kei Tsuji
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