フィリップ・ジルベール(クイックステップフロアーズ)の独走劇で幕を閉じた第101回ロンド・ファン・フラーンデレン。バトルを繰り広げた主役たちのコメントをまとめてお届けします。



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1位 フィリップ・ジルベール(ベルギー、クイックステップフロアーズ)

大歓声を受けて独走するフィリップ・ジルベール(ベルギー、クイックステップフロアーズ)大歓声を受けて独走するフィリップ・ジルベール(ベルギー、クイックステップフロアーズ) photo: TDWsport / KTスペイン・デニアでの冬季トレーニングキャンプの時点で調子は良く、自分にはまだ何か成し遂げることができるというモチベーションを得た。同時に、クイックステップフロアーズが正しい所属チームであるという自信があった。オンループには調子良く挑んだものの落車のあおりを受けて勝負に絡めず。でも調子は常に上向きで、レースに出るたびに自信と調子を得ていった。

バイクを掲げてフィニッシュするフィリップ・ジルベール(ベルギー、クイックステップフロアーズ)バイクを掲げてフィニッシュするフィリップ・ジルベール(ベルギー、クイックステップフロアーズ) photo: TDWsport / KTミュールでのトムのペースアップを合図に攻撃を開始した。形成された精鋭グループの前をトムが長時間牽引してくれて、オウデ・クワレモントの登りで自分が前に出た。すると後ろとの距離が開いて単独で抜け出す形になったので、そこからは振り返ることなく踏み続けたんだ。

フィニッシュまで55kmを残したアタックは誰もがクレイジーだと思ったに違いないし、実際に走っている自分もそう思った。だから全開で踏むことなく逃げることにした。終盤に(後続が追いついて)役立てる可能性もあったので、力を温存しながら走ったんだ。

残り1kmの時点で後ろを振り向くと、追走グループがまだまだ遠くに見えた。だからこの勝利を祝福するために特別なポーズでフィニッシュしようと思った。自分がどうレースを動かして、どう走ったかを誇りに思う。そして今日の勝利はチームワークの賜物であり、メンバー全員が表彰台に値する。勝利のために働き続けてくれたメンバー全員に感謝したい。

2位 グレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシング)

テルプストラとともに2番手でパテルベルグをクリアするグレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシング)テルプストラとともに2番手でパテルベルグをクリアするグレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシング) photo: TDWsport / KT勝利を狙っていただけに不本意な結果になってしまった。高い目標を掲げ、そこに向かって全力を尽くすのがロードレース。今日は全力を尽くしたけど少しだけ運が足りなかった。まだまだ活躍できるレースは残っている。

2位争いのスプリントを制したグレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシング)2位争いのスプリントを制したグレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシング) photo: TDWsport / KTコース脇ぎりぎりを走っていたペテル・サガンがフェンスか観客に接触して落車。すぐ後ろを走っていた自分には避ける術がなかった。サガンとナーセンと一緒にレースを作る場面だったのに。協調して前を追い始めたタイミングで落車し、ストップし、30秒ほど失ってしまうと挽回は難しい。最終的なタイム差(ジルベールと29秒差)を考えると、落車が起こっていなければ十分にチャンスがあったと思う。

ジルベールはとても強力で、誰もが驚くポイントで独走を始めた。クイックステップフロアーズが攻撃を始めた時、BMCレーシングは後方に位置していたので反応できず、そこから他チームと長時間追走しなければならなかった。自分が動くタイミングを待ち続けたけど、タイム差は1分から中々縮まらなかった。落車がなければ違った展開になったと思うけど、とにかくフィリップ(ジルベール)の走りには脱帽だ。来年またトライしたい。

3位 ニキ・テルプストラ(オランダ、クイックステップフロアーズ)

表彰台 2位グレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシング)、1位フィリップ・ジルベール(ベルギー、クイックステップフロアーズ)、3位ニキ・テルプストラ(オランダ、クイックステップフロアーズ)表彰台 2位グレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシング)、1位フィリップ・ジルベール(ベルギー、クイックステップフロアーズ)、3位ニキ・テルプストラ(オランダ、クイックステップフロアーズ) photo: TDWsport / KTレース前半は比較的スローな展開だったので、多くの選手がフレッシュな状態で急坂をクリアしていた。だからミュールでのセレクションには残れなかったけど、チームとして完璧な1日だったと言える。チームワークでレースに勝利したんだ。今日はチーム力を生かして早めに攻撃を仕掛ける作戦で、調子の良いフィリップで勝負した。彼は本当に信じられないほど素晴らしい独走勝利を飾って見せた。

来週はトムで勝負する。チームで彼の走りをサポートしたい。歴史を作るために全力を尽くすよ。

4位 ディラン・ファンバーレ(オランダ、キャノンデール・ドラパック)

最後のオウデ・クワレモントを前にハムストリングが攣りかけたんだ。「ダメだダメだダメだ」と言って拳で叩くと痙攣が和らいで助かった。残り5kmの時点でもう脚に力が残っていなかったんだ。

スプリントに向けてのゲームに加わりたかったけど、後ろから追いついてきたニキ(テルプストラ)がフレッシュなのは間違いなかったし、ヴァンアーヴェルマートはスプリントの巧者。自分は4位に入るのがやっとだった。もちろん表彰台に上ることができていればもっと気持ちよかったと思う。勝利を狙った結果の4位。走りには満足しているけど結果には満足していない。

5位 アレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ・アルペシン)

苦しみながら上りをクリアするアレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ・アルペシン)苦しみながら上りをクリアするアレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ・アルペシン) photo: Makoto Ayanoミュールで形成された精鋭グループに入ったことで有利な展開に持ち込んだけど、ジルベールのアタックには反応できず。サガンとヴァンアーヴェルマートを振り切ったまませめてクルイスベルグまで行きたかったけど、パテルベルグで差を詰められ、苦手なターインベルグまでに追いつかれてしまった。そしてターインベルグでの彼ら(サガンら)のアタックに遅れてしまった。今のコンディションでは集団スプリントに持ち込むことしかできなかった。

5年連続のトップ5は良い結果。でも今日はもっと上を目指していたし、表彰台は十分に狙えたと思う。

7位 ジョン・デゲンコルブ(ドイツ、トレック・セガフレード)

パテルベルグをクリアするジョン・デゲンコルブ(ドイツ、トレック・セガフレード)パテルベルグをクリアするジョン・デゲンコルブ(ドイツ、トレック・セガフレード) photo: Makoto Ayano今まで出場したロンドの中で最も厳しい展開だった。有力選手の戦いが始まるタイミングがいつもより早く、先頭に追いつかないことを悟るのも早かった。それでも結果を残すために追走を続けたんだ。トップ10の結果には満足すべきなのだと思う。ターインベルグまで作戦通りだったけど、終盤は脚に力が残っていなかった。

23位 オリバー・ナーセン(ベルギー、アージェードゥーゼール)

多くのサポートに感謝している。こんなに残念な気持ちは人生で初めて。でもそれ以上にフィリップ・ジルベールの素晴らしい走りにリスペクトだ。

27位 ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)

オウデ・クワレモントで落車するペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)オウデ・クワレモントで落車するペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) photo: TDWsport / KTどうやって落車したのか分からないけど、これもロードレースの一部だ。

調子も良く、ジルベールに追いつけると確信していたけど、オウデ・クワレモントの落車でレースが終わってしまった。それまでチームが素晴らしいサポートをしてくれていただけに残念だった。

落車した時、大勢の観客が声援を送ってくれて、フランドルがロードレースの中心地だと今一度気付かされたよ。

37位 トム・ボーネン(ベルギー、クイックステップフロアーズ)

先行するフィリップ・ジルベールやトム・ボーネン(ベルギー、クイックステップフロアーズ)先行するフィリップ・ジルベールやトム・ボーネン(ベルギー、クイックステップフロアーズ) photo: Makoto Ayanoずっとバイクの調子が良かったのに、肝心のところで突然メカトラが発生した。何が起こったのか分からなかった。チェーンが落ちて挟まってしまうなんて今まで起こったことがないのに。そしてスペアバイクで再スタートするとまた同じトラブルが発生。不運が連続してしまい、その時点で自分のレースは終わってしまった。

今日はフィリップ・ジルベールをエースに据えていたので、彼の活躍に救われたよ。調子が良いというフィリップを信頼し、全力でアシストした。オウデ・クワレモントでぐんぐんと先行する彼の姿を見るのは清々しかった。フィリップが先行して自分が後方で待機する夢のようなシナリオで、チームにとって素晴らしい1日になった。最後のロンドで結果を残したかったので残念だけど、パリ〜ルーベには調子良く挑めそうだ。


DNF セップ・ヴァンマルク(ベルギー、キャノンデール・ドラパック)

ここ最近は運に見放されている。今日は落車でチャンスを失った。擦過傷と小指の骨折という結果に終わってしまった。

元シクロクロス世界チャンピオンのスヴェン・ネイス(ベルギー)

メルクスを彷彿とさせる走りだった。残り55km地点でアタックして独走するなんて、そんな勇敢な走りは中々見られるものじゃない。他の有力選手が展開に恵まれなかっただけと言う人もいるかもしれないが、ずば抜けたパフォーマンスがなければ成し得なかった。

コメントは各チーム公式サイトやSporza、各選手Twitterより。

text:Kei Tsuji

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