3日間で栃木県を一周するUCIステージレース「ツール・ド・とちぎ」が、3月31日にスタートする。コースの見どころや出場チームを紹介する。



ツール・ド・とちぎ コースマップツール・ド・とちぎ コースマップ (c)ツール・ド・とちぎ「ツール・ド・とちぎ」は、今年初開催されるUCI2.2クラスのステージレース。国内ではツアー・オブ・ジャパン、ツール・ド・北海道、ツール・ド・熊野に続く4つめのステージレースだ。3月31日(金)から4月2日(日)までの3日間で、栃木県内を「の」の字を逆さに描くように1周する。主催者の「特定非営利法人ツール・ド・とちぎの会」は、このステージレースを通じて自転車先進県「とちぎ」を世界に向けて発信し、開催地域の歴史・文化・食などの新たな魅力を創造し、栃木県の活性化を図るとしている。

3日間の総距離は320.8km。コースの最大の特徴は、周回コースではなくワンウェイのラインレースである事と、栃木県内のおよそ全ての市町村を通過する事だ。距離は短めで全体的に平坦基調な部分が多いものの、その分スピードの速いレース展開が期待される。各ステージのコースを紹介しよう。



第1ステージ 日光市〜足利市 115km

第1ステージ スタート地点の日光だいや川公園第1ステージ スタート地点の日光だいや川公園 photo:Satoru KATOUスタート直後、晴れれば男体山や女峰山が迎えるスタート直後、晴れれば男体山や女峰山が迎える photo:Satoru KATOU


第1ステージ コース序盤に通過する日光杉並木は、東照宮への参道第1ステージ コース序盤に通過する日光杉並木は、東照宮への参道 photo:Satoru KATOU
初日の第1ステージは、国内外に知られた観光地・日光市から、室町幕府を開いた足利尊氏ゆかりの地である足利市までの115km。日光市のだいや川公園をスタートし、観光客で賑わう日光東照宮前や日光駅前をパレードしたのち、一路南下。樹齢400年近い杉の木が並ぶ日光杉並木を通り、最初のKOM(山岳賞)を通過して鹿沼市へ。

その後栃木市、2つめのKOMとHS(スプリント賞)が設定された佐野市を経て、足利市総合運動公園にゴールする。KOM後の下りと平坦区間が長いので集団ゴールになる事が予想される。しかし足利市に入る手前、残り10kmにある短い登りで不意をついたアタックが決まると、ゴールまで逃げ切る可能性もある。

41km付近日光市と鹿沼市の境が最初のKOMポイント41km付近日光市と鹿沼市の境が最初のKOMポイント photo:Satoru KATOU84km付近の2つめのKOMはつづら折れの登り84km付近の2つめのKOMはつづら折れの登り photo:Satoru KATOU

ゴールの足利市への入口となるトンネルゴールの足利市への入口となるトンネル photo:Satoru KATOUゴールの足利市総合運動公園前の道路。この先を左折してゴールゴールの足利市総合運動公園前の道路。この先を左折してゴール photo:Satoru KATOU




第2ステージ 茂木町〜那須町102.3km

第2ステージ 那珂川を渡る烏山大橋第2ステージ 那珂川を渡る烏山大橋 photo:Satoru KATOU45km付近からKOMに向かう登りは12%の標識45km付近からKOMに向かう登りは12%の標識 photo:Satoru KATOU

左に那須岳が見えると残り2km左に那須岳が見えると残り2km photo:Satoru KATOUゴールの道の駅那須高原友愛の森ゴールの道の駅那須高原友愛の森 photo:Satoru KATOU


2日目は、ツインリンクもてぎのある茂木町から、高原の観光地・那須高原のある那須町までの102.3km。SLで有名な真岡鉄道の茂木駅近くからスタートし、栃木県東部を流れる那珂川をさかのぼるように北上。那須烏山市、1つめのHSが設定された那珂川町を経て、KOMが設定された大田原市へ。

コース終盤の那須町では、2015年の全日本選手権ロードレースのスタート・ゴール地点に設定されたHSを通過し、最後はゴールのある那須高原に向けての登り。特に残り10km付近からゴールまで続く長い登りは、総合首位争いに向けての勝負が展開されるだろう。



第3ステージ 矢板市〜宇都宮市 103.5km

第3ステージ 最終日は矢板市役所からスタート第3ステージ 最終日は矢板市役所からスタート photo:Satoru KATOUコース中盤は開けた平坦地が続くコース中盤は開けた平坦地が続く photo:Satoru KATOU

37km付近、タイミングが合えば新幹線との共演も?37km付近、タイミングが合えば新幹線との共演も? photo:Satoru KATOU清原球場横の交差点を右折し、宇都宮クリテリウムと逆向きにゴールする清原球場横の交差点を右折し、宇都宮クリテリウムと逆向きにゴールする photo:Satoru KATOU


3日目は、7月にJプロツアーが開催される矢板市から、自転車のまち宇都宮市までの103.5km。矢板市役所をスタートしていったん北上。KOMを通過した後は南下しつつ、ひとつめのHSが設定された塩谷町、さくら市、那須烏山市、高根沢町、2つめのHSが設定された市貝町、芳賀町を経て、先日の宇都宮クリテリウム会場にもなった宇都宮市の清原工業団地にゴールする。

序盤に登場するKOM以外は平坦基調に見えるが、コースプロフィールでは小さな凸凹が実は10%の登りを含んでいたりと、道幅が急激に変化する場所があったりと、最後まで気を抜けないコースだ。



国内10チーム、海外4チームの計14チームが出場

昨年のツール・ド・北海道で総合優勝した増田成幸を筆頭とするブリッツェン昨年のツール・ド・北海道で総合優勝した増田成幸を筆頭とするブリッツェン photo:Hideaki TAKAGI宇都宮ロードレースで勝利を確信してガッツポーズをする吉岡直哉(那須ブラーゼン)宇都宮ロードレースで勝利を確信してガッツポーズをする吉岡直哉(那須ブラーゼン) photo:Satoru.Kato地元栃木県からは、宇都宮ブリッツェン、那須ブラーゼン、それに加えて栃木県選抜チームの3チームが出場する。昨年のツール・ド・北海道で総合優勝した増田成幸を筆頭とするブリッツェン、先日の宇都宮ロードレースで吉岡直哉が優勝した勢いに乗りたいブラーゼン、小坂光(宇都宮ブリッツェンシクロクロスチーム)や、阿部航大(ホンダ栃木)らが出場する栃木県選抜チームは、地元から大きな期待がかかる。

他に、国内レースは今年初となるチーム右京とブリヂストンアンカー、今年からUCI登録するインタープロサイクリングアカデミー、ツール・ド・フィリピンを制したキナンサイクリングチーム、Jプロツアー宇都宮2連戦でチームの好調ぶりを見せたマトリックスパワータグが出場。さらに、鹿屋体育大学、明治大学の大学チーム2校が出場する。

海外チームは、台湾からスロベニアに拠点を移したアタッキ・チームグストと、トレンガヌ・サイクリングチーム(マレーシア)、日本初登場となるHKSIプロサイクリングチーム(香港)と、オリヴァーズ・リアルフード・レーシング(オーストラリア)の4チームが出場する。オリヴァーズ・リアルフードはクラブチームではあるが、ニュージーランドでのUCIステージレースで個人総合2位の成績を出している。強豪選手の多いオーストラリアのチームだけに、侮れない存在だ。

レースの模様はライブ中継で

各ステージのゴール地点では、Jスポーツのロードレース中継でもおなじみ栗村修氏の解説を交えて大型ビジョンによる実況解説が行われるほか、地元特産品の出店やステージイベントなどが予定されている。レースがスタートするのは各ステージ午前10時頃だが、ゴール地点でのイベントは午前9時半から始まる。

現地で観戦するなら、ゴール地点でイベントや中継を楽しみつつ、レースがゴールするのを待つのがお勧めだ。また、インターネットテレビ局「FRESH!( https://freshlive.tv/roadrace )」が全ステージをライブ中継するほか、栃木県内ではとちぎテレビが毎日30分のダイジェスト番組を放送する。

詳しくは、ツール・ド・とちぎ大会公式サイト http://www.tourdetochigi.com/ を、ご参照頂きたい。

text&photo:Satoru.Kato

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