2017/03/29(水) - 11:41
3月28日、ベルギー・フランドル地方で別府史之と小石祐馬が出場するデパンヌ〜コクサイデ3日間レース（UCI2.HC）が開幕。「ミュール」を含む難コースで独走に持ち込んだベルギーチャンピオンのフィリップ・ジルベール（クイックステップフロアーズ）が勝利した。
フランドル地方の丘陵地帯に向かう photo: TDWsport / KT
デパンヌ〜コクサイデ3日間レース2017第1ステージ image: www.driedaagse.be
トラック6日間レースのスペシャリストであるケニー・デケテレ（ベルギー、スポートフラーンデレン） photo: TDWsport / KTヘント〜ウェヴェルヘムとロンド・ファン・フラーンデレンの間に開催されるデパンヌ・コクサイデ3日間レース。その名の通り3日間のステージレースで、最終日には距離が短いロードレースと個人タイムトライアルが行われる。ロンドとパリ〜ルーベを狙う選手たちにとっての最終調整レースだ。
平日にもかかわらず観客が詰めかけた上りを進む photo: TDWsport / KT初日の第1ステージは北海に面したデパンヌからフランドルの平野を貫き、ロンドの舞台となる丘陵地帯を駆け抜ける206.2km。近年ロンドから姿を消している「ミュール・ド・ヘラールツベルヘン」を含む急坂が後半にかけて11ヶ所設定されている。
先行するフィリップ・ジルベール（ベルギー、クイックステップフロアーズ）ら photo: TDWsport / KT別府史之（トレック・セガフレード）と小石祐馬（NIPPOヴィーニファンティーニ）もスタートラインに並んだこの日、最初の1時間の平均スピード48km/hの中から逃げが生まれ、中盤から始まる丘陵地帯いわゆる「ヘーリンゲン」に入っていく。
「ミュール・ド・ヘラールツベルヘン」を駆け上がる photo: TDWsport / KTレースは131km地点から始まる「テンボッシュ（450m/平均6.9%/最大8.7%）」と「ミュール・ド・ヘラールツベルヘン（1075m/平均9.1%/最大20%）」の連続登坂で動いた。逃げを吸収し、セレクションがかかった状態で突入した「ミュール」でジルベールらを含む16名の先頭グループが形成される。
後方ではアレクサンドル・クリストフ（ノルウェー）をスプリントに導きたいカチューシャ・アルペシンが集団を牽引したものの、ジルベールグループのリードは拡大を続けて40秒台に。そして迎えた最後の「ミュール」で再びベルギーチャンピオンが動いた。
残り16km地点に位置する教会に向かう石畳の激坂でジルベールが抜け出し、追いすがるルーク・ダーブリッジ（オーストラリア、オリカ・スコット）と距離を保って独走を開始する。カチューシャ・アルペシン率いるメイン集団とのタイム差は40秒以上。TTスペシャリストのダーブリッジの追撃は届かず、ジルベールがそのままゾッテヘムのフィニッシュ地点に独走で飛び込んだ。
「クイックステップフロアーズのためにこの美しいリーダージャージを獲得することができて本当に嬉しい。チーム関係者全員に感謝。特に今日は（一緒に先頭グループに入った）ドリス・デヴェナインスの働きが素晴らしかった。今こうして総合首位に立ったけど、総合リードを守りきるのは簡単なことじゃない。ジャージにとらわれずに明日から一日一日をこなしていきたい」と、ベルギーチャンピオンジャージの上にリーダージャージを重ね着したジルベールは語る。
当然注目されるのは週末に迫ったロンドでのジルベールの活躍だ。クイックステップフロアーズのエースの一人として自身7回目のロンドに挑むジルベールは「優勝候補の1人に挙げられてもおかしくはないし、コンディションもとても良い。でも忘れてはいけないのは、ロードレースは個人戦ではなく、チームとしてレースに勝つことが重要。チームには調子の良い選手が大勢いるのでどのカードをどのタイミングで切るかが勝利の鍵を握るんだ」と語っている。
「ミュール・ド・ヘラールツベルヘン」を駆け上がるフィリップ・ジルベール（ベルギー、クイックステップフロアーズ） photo: TDWsport / KT
独走でフィニッシュしたフィリップ・ジルベール（ベルギー、クイックステップフロアーズ） photo: TDWsport / KT
リーダージャージを手にしたフィリップ・ジルベール（ベルギー、クイックステップフロアーズ） photo: TDWsport / KT
デパンヌ〜コクサイデ3日間レース2017第1ステージ結果
1位 フィリップ・ジルベール（ベルギー、クイックステップフロアーズ） 4h36'18"
2位 ルーク・ダーブリッジ（オーストラリア、オリカ・スコット） +17"
3位 シモーネ・コンソンニ（イタリア、UAEチームエミレーツ） +34"
4位 ジャスパー・デブイスト（ベルギー、ロット・ソウダル）
5位 マティアス・ブランドル（オーストリア、トレック・セガフレード）
6位 フレデリック・バカールト（ベルギー、ワンティ・グループグベルト） +53"
7位 アレクサンドル・クリストフ（ノルウェー、カチューシャ・アルペシン） +58"
8位 エドワード・トゥーンス（ベルギー、トレック・セガフレード）
9位 マルコ・カノラ（イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ）
10位 サーシャ・モードロ（イタリア、UAEチームエミレーツ）
69位 別府史之（日本、トレック・セガフレード） +9'31"
137位 小石祐馬（日本、NIPPOヴィーニファンティーニ）
個人総合成績
1位 フィリップ・ジルベール（ベルギー、クイックステップフロアーズ） 4h36'05"
2位 ルーク・ダーブリッジ（オーストラリア、オリカ・スコット） +22"
3位 シモーネ・コンソンニ（イタリア、UAEチームエミレーツ） +43"
4位 マティアス・ブランドル（オーストリア、トレック・セガフレード） +46"
5位 ジャスパー・デブイスト（ベルギー、ロット・ソウダル） +47"
6位 フレデリック・バカールト（ベルギー、ワンティ・グループグベルト） +1'06"
7位 アレクサンドル・クリストフ（ノルウェー、カチューシャ・アルペシン） +1'11"
8位 エドワード・トゥーンス（ベルギー、トレック・セガフレード）
9位 マルコ・カノラ（イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ）
10位 サーシャ・モードロ（イタリア、UAEチームエミレーツ）
ポイント賞
1位 フィリップ・ジルベール（ベルギー、クイックステップフロアーズ） 20pts
2位 ルーク・ダーブリッジ（オーストラリア、オリカ・スコット） 18pts
3位 シモーネ・コンソンニ（イタリア、UAEチームエミレーツ） 16pts
山岳賞
1位 ブリース・フェイユ（フランス、フォルトゥネオ・ヴィタルコンセプト） 16pts
2位 フィリップ・ジルベール（ベルギー、クイックステップフロアーズ） 15pts
3位 ルーク・ダーブリッジ（オーストラリア、オリカ・スコット） 12pts
ヤングライダー賞
1位 シモーネ・コンソンニ（イタリア、UAEチームエミレーツ） 4h36'48"
2位 オーレ・フォルファング（ノルウェー、チームジョーカー） +28"
3位 ニルス・ポリッツ（ドイツ、カチューシャ・アルペシン） +2'54"
チーム総合成績
1位 トレック・セガフレード 13h51'24"
2位 UAEチームエミレーツ +04"
3位 オリカ・スコット +2'30"
text:Kei Tsuji
photo:TDWsport
フランドル地方の丘陵地帯に向かう photo: TDWsport / KTデパンヌ〜コクサイデ3日間レース2017第1ステージ image: www.driedaagse.beトラック6日間レースのスペシャリストであるケニー・デケテレ（ベルギー、スポートフラーンデレン） photo: TDWsport / KTヘント〜ウェヴェルヘムとロンド・ファン・フラーンデレンの間に開催されるデパンヌ・コクサイデ3日間レース。その名の通り3日間のステージレースで、最終日には距離が短いロードレースと個人タイムトライアルが行われる。ロンドとパリ〜ルーベを狙う選手たちにとっての最終調整レースだ。平日にもかかわらず観客が詰めかけた上りを進む photo: TDWsport / KT初日の第1ステージは北海に面したデパンヌからフランドルの平野を貫き、ロンドの舞台となる丘陵地帯を駆け抜ける206.2km。近年ロンドから姿を消している「ミュール・ド・ヘラールツベルヘン」を含む急坂が後半にかけて11ヶ所設定されている。先行するフィリップ・ジルベール（ベルギー、クイックステップフロアーズ）ら photo: TDWsport / KT別府史之（トレック・セガフレード）と小石祐馬（NIPPOヴィーニファンティーニ）もスタートラインに並んだこの日、最初の1時間の平均スピード48km/hの中から逃げが生まれ、中盤から始まる丘陵地帯いわゆる「ヘーリンゲン」に入っていく。「ミュール・ド・ヘラールツベルヘン」を駆け上がる photo: TDWsport / KTレースは131km地点から始まる「テンボッシュ（450m/平均6.9%/最大8.7%）」と「ミュール・ド・ヘラールツベルヘン（1075m/平均9.1%/最大20%）」の連続登坂で動いた。逃げを吸収し、セレクションがかかった状態で突入した「ミュール」でジルベールらを含む16名の先頭グループが形成される。後方ではアレクサンドル・クリストフ（ノルウェー）をスプリントに導きたいカチューシャ・アルペシンが集団を牽引したものの、ジルベールグループのリードは拡大を続けて40秒台に。そして迎えた最後の「ミュール」で再びベルギーチャンピオンが動いた。
残り16km地点に位置する教会に向かう石畳の激坂でジルベールが抜け出し、追いすがるルーク・ダーブリッジ（オーストラリア、オリカ・スコット）と距離を保って独走を開始する。カチューシャ・アルペシン率いるメイン集団とのタイム差は40秒以上。TTスペシャリストのダーブリッジの追撃は届かず、ジルベールがそのままゾッテヘムのフィニッシュ地点に独走で飛び込んだ。
「クイックステップフロアーズのためにこの美しいリーダージャージを獲得することができて本当に嬉しい。チーム関係者全員に感謝。特に今日は（一緒に先頭グループに入った）ドリス・デヴェナインスの働きが素晴らしかった。今こうして総合首位に立ったけど、総合リードを守りきるのは簡単なことじゃない。ジャージにとらわれずに明日から一日一日をこなしていきたい」と、ベルギーチャンピオンジャージの上にリーダージャージを重ね着したジルベールは語る。
当然注目されるのは週末に迫ったロンドでのジルベールの活躍だ。クイックステップフロアーズのエースの一人として自身7回目のロンドに挑むジルベールは「優勝候補の1人に挙げられてもおかしくはないし、コンディションもとても良い。でも忘れてはいけないのは、ロードレースは個人戦ではなく、チームとしてレースに勝つことが重要。チームには調子の良い選手が大勢いるのでどのカードをどのタイミングで切るかが勝利の鍵を握るんだ」と語っている。
「ミュール・ド・ヘラールツベルヘン」を駆け上がるフィリップ・ジルベール（ベルギー、クイックステップフロアーズ） photo: TDWsport / KT独走でフィニッシュしたフィリップ・ジルベール（ベルギー、クイックステップフロアーズ） photo: TDWsport / KTリーダージャージを手にしたフィリップ・ジルベール（ベルギー、クイックステップフロアーズ） photo: TDWsport / KTデパンヌ〜コクサイデ3日間レース2017第1ステージ結果
1位 フィリップ・ジルベール（ベルギー、クイックステップフロアーズ） 4h36'18"
2位 ルーク・ダーブリッジ（オーストラリア、オリカ・スコット） +17"
3位 シモーネ・コンソンニ（イタリア、UAEチームエミレーツ） +34"
4位 ジャスパー・デブイスト（ベルギー、ロット・ソウダル）
5位 マティアス・ブランドル（オーストリア、トレック・セガフレード）
6位 フレデリック・バカールト（ベルギー、ワンティ・グループグベルト） +53"
7位 アレクサンドル・クリストフ（ノルウェー、カチューシャ・アルペシン） +58"
8位 エドワード・トゥーンス（ベルギー、トレック・セガフレード）
9位 マルコ・カノラ（イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ）
10位 サーシャ・モードロ（イタリア、UAEチームエミレーツ）
69位 別府史之（日本、トレック・セガフレード） +9'31"
137位 小石祐馬（日本、NIPPOヴィーニファンティーニ）
個人総合成績
1位 フィリップ・ジルベール（ベルギー、クイックステップフロアーズ） 4h36'05"
2位 ルーク・ダーブリッジ（オーストラリア、オリカ・スコット） +22"
3位 シモーネ・コンソンニ（イタリア、UAEチームエミレーツ） +43"
4位 マティアス・ブランドル（オーストリア、トレック・セガフレード） +46"
5位 ジャスパー・デブイスト（ベルギー、ロット・ソウダル） +47"
6位 フレデリック・バカールト（ベルギー、ワンティ・グループグベルト） +1'06"
7位 アレクサンドル・クリストフ（ノルウェー、カチューシャ・アルペシン） +1'11"
8位 エドワード・トゥーンス（ベルギー、トレック・セガフレード）
9位 マルコ・カノラ（イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ）
10位 サーシャ・モードロ（イタリア、UAEチームエミレーツ）
ポイント賞
1位 フィリップ・ジルベール（ベルギー、クイックステップフロアーズ） 20pts
2位 ルーク・ダーブリッジ（オーストラリア、オリカ・スコット） 18pts
3位 シモーネ・コンソンニ（イタリア、UAEチームエミレーツ） 16pts
山岳賞
1位 ブリース・フェイユ（フランス、フォルトゥネオ・ヴィタルコンセプト） 16pts
2位 フィリップ・ジルベール（ベルギー、クイックステップフロアーズ） 15pts
3位 ルーク・ダーブリッジ（オーストラリア、オリカ・スコット） 12pts
ヤングライダー賞
1位 シモーネ・コンソンニ（イタリア、UAEチームエミレーツ） 4h36'48"
2位 オーレ・フォルファング（ノルウェー、チームジョーカー） +28"
3位 ニルス・ポリッツ（ドイツ、カチューシャ・アルペシン） +2'54"
チーム総合成績
1位 トレック・セガフレード 13h51'24"
2位 UAEチームエミレーツ +04"
3位 オリカ・スコット +2'30"
text:Kei Tsuji
photo:TDWsport
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