コッピバルタリ第3ステージは強風分断によって20名が逃げ切り、チーム力を見せつけたディレクトエネルジーのトマ・ブダ(フランス)が勝利。トムス・クスインシュ(ラトビア、キャノンデール・ドラパック)は先頭集団でゴールし、危なげなく総合首位をキープしている。



沿道に翻る日本国旗沿道に翻る日本国旗 photo: TDWsport / KT横風で遅れたチームスカイのメンバー横風で遅れたチームスカイのメンバー photo: TDWsport / KT逃げグループのスプリント勝負を制したトマ・ブダ(フランス、ディレクトエネルジー)逃げグループのスプリント勝負を制したトマ・ブダ(フランス、ディレクトエネルジー) photo: TDWsport / KTステージ表彰 トマ・ブダ(フランス、ディレクトエネルジー)が中央に立つステージ表彰 トマ・ブダ(フランス、ディレクトエネルジー)が中央に立つ photo: TDWsport / KTイタリア中部エミリア・ロマーニャ州で開催中のセッティマーナ・コッピ・エ・バルタリ。後半戦を迎えた第3ステージのコースは1周17kmのサーキットを10周回=170kmを走るオールフラットステージで、スプリンター有利。各チームはスプリンターをエースに臨んだが、この日は強風と落車が大きく展開を左右することになった。

序盤からはダヴィデ・ヴァッレリーニ(イタリア、アンドローニ・ジョカトリ)ら3名が逃げたものの、集団が許したタイム差は3分半止まり。逃げ切りの可能性は限りなくゼロのまま距離を消化していった。

終盤に3名がキャッチされると、落車と横風により集団が大きく2つに分断され、総合リーダーのトムス・クスインシュ(ラトビア、キャノンデール・ドラパック)らを含むグループが先行し始める。

この20名強の先頭グループにはディレクトエネルジー7名(シカール、ケムヌール、イヴェール、カルメジャーヌ、トュリク、ナーロー、ブダ)が滑り込んだため、ここをチャンスと見たフランスチームはチームタイムトライアル状態で猛烈な牽引を開始。今ステージ有力と目されていたエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、チームスカイ)やマッテーオ・マルチェッリ(イタリア、アンドローニ・ジョカトリ)、エドゥアルド・グロス(ルーマニア、NIPPOヴィーニファンティーニ)らを含むメイン集団に対して徐々にリードを奪っていった。

メイン集団の追走むなしく先頭グループは37秒差で逃げ切りに成功し、最後はトマ・ブダ(フランス、ディレクトエネルジー)がチームの献身的な牽きに報いるようにスプリント勝利。ディレクトエネルジーの作戦が完璧に機能した1日となった。

また先頭集団に残ったクスインシュは危なげなくフィニッシュし、総合首位をキープ。横風分断にも対応する脚とレース勘を見せつけ、「今日は横風にも自力で上手く対応できた。チームメイトも強力で、総合優勝に向けてものすごく自信を持っているよ」よコメントしている。

また、不調からの回復の兆し見せる中根英登(NIPPOヴィーニファンティーニ)はチームメイトのアシスト役をこなしつつ、9分遅れた集団内で混沌とした1日を終えている。

「残り5周回を切って横風の吹く区間でメイン集団がペースアップ!1列棒状になり、ブチブチと千切れる選手がチラホラ出てくる。グロスの前だったので、気持ち分風上に位置取る。前が集団から外れたので、全開で穴埋め。距離を詰めたが詰めきれず、グロスを発射させて前に残した時に、前方で数名が落車。自分はもう出し切ってしまっていたので、前を追う力が無く集団から遅れた。そこで遅れた選手、その手前で遅れていた選手が20〜30人ほどいたため、なんとかそのグループに引っかかってゴール。相変わらず調子は良くないが、ギリギリのところで最終日まで進めた。明日も頑張ります」。とチームのレポート内でレースを振り返っている。



セッティマーナ・コッピ・エ・バルタリ2017第3ステージ結果
1位 トマ・ブダ(フランス、ディレクトエネルジー)             3h57’50”
2位 アラン・バナセク(ポーランド、CCCスプランディ・ポルコウィチェ)
3位 ウィリアム・クラーク(オーストラリア、キャノンデール・ドラパック)
4位 アルミンド・フォンセカ(フランス、フォルトゥネオ・ヴァイタルコンセプト)
5位 トムス・クスインシュ(ラトビア、キャノンデール・ドラパック)
6位 マキシム・ブエ(フランス、フォルトゥネオ・ヴァイタルコンセプト)
7位 スタンスラウ・バズコウ(ベラルーシ、ミンスクサイクリングクラブ)
8位 ジャスティン・オーイェン(アメリカ、カハルーラル・セグロスRGA)
9位 ニッコーロ・サルヴィエッティ(イタリア、サンジェミニ・MGクヴィス)
10位 リリアン・カルメジャーヌ(フランス、ディレクトエネルジー)

個人総合成績
1位 トムス・クスインシュ(ラトビア、キャノンデール・ドラパック)     9h53’13"
2位 リリアン・カルメジャーヌ(フランス、ディレクトエネルジー)        +16"
3位 ハイメ・ローソン(スペイン、カハルーラル・セグロスRGA)         +37”
4位 アーレイ・ベルナール(コロンビア、アンドローニ・ジョカトリ)       +54’
5位 ロドルフォ・トーレス(コロンビア、アンドローニ・ジョカトリ)       +1’01”
6位 イアン・ボスウェル(アメリカ、チームスカイ)               +1’10”
7位 ロメン・シカール(フランス、ディレクトエネルジー)            +1’21”
8位 マルコ・カノラ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ)         +1’32”
9位 フロリアン・ヴァション(フランス、フォルトゥネオ・ヴァイタルコンセプト) +1’39”
10位 メルハウィ・クドス(エリトリア、ディメンションデータ)         +2’00”

ポイント賞
1位 トムス・クスインシュ(ラトビア、キャノンデール・ドラパック)

山岳賞
1位 ブリース・フェイユ(フランス、フォルトゥネオ・ヴァイタルコンセプト)

ヤングライダー賞
1位 アーレイ・ベルナール(コロンビア、アンドローニ・ジョカトリ)

チーム総合成績
1位 フォルトゥネオ・ヴァイタルコンセプト

text:So.Isobe
photo:TDWsports