2日目を迎えたセッティマーナ・コッピ・エ・バルタリは、厳しい登坂コースでの力勝負に持ち込まれ、ゴールへと続く急勾配で仕掛けたトムス・クスインシュ(ラトビア、キャノンデール・ドラパック)が勝利し、総合首位へと浮上。中根英登は苦しみながらもグルペットに入り完走している。



厳しい登坂を含む周回コースを3周する第2ステージ厳しい登坂を含む周回コースを3周する第2ステージ 集団前方に位置取るトムス・クスインシュ(ラトビア、キャノンデール・ドラパック)集団前方に位置取るトムス・クスインシュ(ラトビア、キャノンデール・ドラパック) photo:CorVos後続を引き離してフィニッシュしたトムス・クスインシュ(ラトビア、キャノンデール・ドラパック)後続を引き離してフィニッシュしたトムス・クスインシュ(ラトビア、キャノンデール・ドラパック) photo:CorVos表彰台でシャンパンを開けるトムス・クスインシュ(ラトビア、キャノンデール・ドラパック)表彰台でシャンパンを開けるトムス・クスインシュ(ラトビア、キャノンデール・ドラパック) photo:CorVosセッティマーナ・コッピ・エ・バルタリの第2ステージは、サンマリノ共和国にほど近い沿岸都市リッチョーネをスタートし、ソリアーノ・アル・ルビコーネへとゴールする130km。距離こそ短いものの後半には険しい山岳を含む周回コースを3周するため、実力者しか残れない厳しいレースが繰り広げられることとなった。

序盤のアタック合戦から逃げたのは、ジャコーモ・ベルラート(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ)を含む7名。しかし3分半以上の差は許されず、ベルラートは途中体調不良を訴えてリタイアとなってしまう。

メンバーが少なくなったことも合わさって、先頭グループは周回コースのラストラップで活性化した集団にキャッチされる。ここから一気に力勝負が勃発し、カハルーラル・セグロスRGAによる猛烈なペースアップからハイメ・ローソン(スペイン、カハルーラル・セグロスRGA)がアタック。このペースアップで集団が散り散りとなり、トムス・クスインシュ(ラトビア、キャノンデール・ドラパック)は4名の追走集団を率いて抜け出した5名を追いかけた。

結局スクインシュらは逃げメンバーを最終局面でキャッチし、9名がなだれ込むようにゴールまで250m続く石畳急登坂の麓に到達。すると「麓から後ろを振り返らずに思いっきりアタックした」スクインシュが発進。追撃したアルノー・ジャヌソン(フランス、フォルトゥネオ・ヴァイタルコンセプト)らを大きく引き離す脚を見せ、7秒差でステージ優勝。ここまで勝利がなかったチームに今シーズン初勝利をもたらした。

「シーズン序盤に素晴らしい勝利を飾ることができてハッピーだ。このまま良い波に乗ってシーズンをこなしていきたい」と語るスクインシュは、リリアン・カルメジャーヌ(フランス、ディレクトエネルジー)に代わって総合首位にも浮上している。

スクインシュは昨年から現チームに所属している25歳で、ヒンカピーレーシングチーム時代の2015年にツアー・オブ・カリフォルニアでステージ優勝を挙げるなど注目されていた選手。昨年も同じくカリフォルニアで勝利しているが、ヨーロッパでの勝利は初めてだ。

また、中根英登(NIPPOヴィーニファンティーニ)は不調に苦しみながらもグルペットに入り、翌日につなげている。「今日も最初から自分の身体ではないのでは?と思いたいくらい調子が悪く苦しむ。グルペットに入るどころか、まさかの最初の山岳ポイントの上りで遅れてしまった。残り約80km、そこで一緒に遅れた選手らとゴールを目指した。先日のレースから苦しい日々が続いているが、少しでも回復するように努めてまた明日に備えたい」とチームのリリース内でコメントしている。



セッティマーナ・コッピ・エ・バルタリ2017第2ステージ結果
1位 トムス・クスインシュ(ラトビア、キャノンデール・ドラパック)         3h31’26”
2位 アルノー・ジャヌソン(フランス、フォルトゥネオ・ヴァイタルコンセプト)      +07”
3位 マッテーオ・ブザート(イタリア、ウィリエール・トリエスティーナ)
4位 ハイメ・ローソン(スペイン、カハルーラル・セグロスRGA)
5位 エデュアルド・セプルヴェダ(アルゼンチン、フォルトゥネオ・ヴァイタルコンセプト)
6位 アーレイ・ベルナール(コロンビア、アンドローニ・ジョカトリ)
7位 キリル・ポズディヤノフ(ロシア、シナジーバク・サイクリングプロジェクト)
8位 ダニーロ・チェラーノ(イタリア、アモーレ&ヴィータセラSMP)
9位 ロドルフォ・トーレス(コロンビア、アンドローニ・ジョカトリ)           +14”
10位 マウロ・フィネット(イタリア、イタリアナショナルチーム)            +26”

個人総合成績
1位 トムス・クスインシュ(ラトビア、キャノンデール・ドラパック)     5h55'23"
2位 リリアン・カルメジャーヌ(フランス、ディレクトエネルジー)        +16"
3位 アーレイ・ベルナール(コロンビア、アンドローニ・ジョカトリ)       +17"
4位 ロドルフォ・トーレス(コロンビア、アンドローニ・ジョカトリ)       +24" 
5位 ハイメ・ローソン(スペイン、カハルーラル・セグロスRGA)         +37"
6位 アルノー・ジャヌソン(フランス、フォルトゥネオ・ヴァイタルコンセプト)  +52"
7位 マルコ・カノラ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ)         +55"
8位 マウロ・フィネット(イタリア、イタリアナショナルチーム)         +1'03"
9位 マヌエル・センニ(イタリア、イタリアナショナルチーム)          +1'10"
10位 イアン・ボスウェル(アメリカ、チームスカイ)

ポイント賞
1位 トムス・クスインシュ(ラトビア、キャノンデール・ドラパック)

山岳賞
1位 ブリース・フェイユ(フランス、フォルトゥネオ・ヴァイタルコンセプト)

ヤングライダー賞
1位 アーレイ・ベルナール(コロンビア、アンドローニ・ジョカトリ)

text:So.Isobe
photo:CorVos

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