各メーカーの2010年モデルへの注目集まる中、コルナゴ・ジャパンは今年サイクルモードに出展せず、より身近にコルナゴの各モデルを体感して欲しいと、精力的に取扱ディーラーへの試乗車の貸出しを行っている。今回は京都府長岡京市のショップ「チクロ・イプシロン」が主催した試乗会を紹介しよう。

今回の案内は左から岡崎和也・中田真琴氏今回の案内は左から岡崎和也・中田真琴氏 photo:Akihiro.NAKAO話題の新モデル「ACE」や上位機種の「EPS」「C50」「CX-1」、マイナーチェンジをした「CLX」「ARTE」とロードはほぼ全車種を用意。また装着コンポはカンパニューロとシマノ(Di2も含む)も試せるので両者のフィーリングの違いも試せる。

開催場所は関西の自転車コースでは定番の滋賀県・信楽で、普段の練習コースに近い走りで試せるめったにないチャンス。今回の製品紹介は今季限りで選手活動を引退し、コルナゴ・ジャパンで第二の自転車人生を始めた“熱い男”こと岡崎和也氏と、現役選手でもある中田真琴氏が務めた。

ここで岡崎氏に2010年モデルの見どころとエントリーユーザーへの購入アドバイスを聞いた。

コルナゴ・ACEコルナゴ・ACE photo:Akihiro.NAKAO
― 2010年モデルの中からまず新製品のACEの特徴を教えてください。

岡崎 : 従来のスケルトンからヘッドチューブを約3センチ伸ばしてアップライトなポジションをとることができます。コラムにスペーサーを入れてポジションを作る所を、スペーサーを入れずに見た目がすっきりしたフォルムにすることができるのがACEの特徴です。

― グランフォンド等の長距離を走る仕様ということですか?

岡崎 : 自転車に初めて乗られる方にはロードレースの前傾姿勢はなかなか辛いと思います。ACEはそんな方でも違和感無く乗れるスタイルだと思います。

コルナゴ・CLXコルナゴ・CLX photo:Akihiro.NAKAO
― CLXが2.0にマイナーチェンジしたことで、よりレース仕様になったということですが、どういう棲み分けでしょう?

岡崎 : 去年までのCLXはACEの役割も担っていたと言えるのですが、今回それが二極化したので、CLXはさらに軽量化と反応性を高めて、よりレースに対応したモデルになっています。

― これから自転車を始める方でもいい自転車が欲しいからと、EPSに目を向ける方も多いと思います。レースモデルには他にもC50等がありますが、選ぶ基準はどのあたりにありますか?

岡崎 : そこまで来ると予算の兼ね合いにもなるのですが、C50ですと普遍といいましょうか完成されたものがありますし、エンドユーザーの20万円、30万円といった予算の中でも吟味して選ぶことができるラインナップがコルナゴにはあります。

コルナゴ・ARTEコルナゴ・ARTE photo:Akihiro.NAKAO
― 初心者でもARTEならお勧めできるということですか?

岡崎 : お勧めできますね。ARTEなら20万円台ですから。CLXは2010年モデルで安くなって30万円台。ARTEとCLXの価格差は約10万円ですが、その差は実感できますよ。

― 価格帯に見合った魅力があるということですね。

岡崎 : そのとおりです。ただ、いきなり高いモデルから始めるのではなく、2〜3年乗っていただいてからステップアップする方が、コルナゴの良さをより実感してもらえると思います。

コルナゴ・C50コルナゴ・C50 photo:Akihiro.NAKAO
― 今年コルナゴ・ジャパンはサイクルモードへの出展が無く、試乗車を取扱ディーラーでの試乗会に回しているということですが、どういう反応がありますか?

岡崎 : 全国から引き合いが多くて、今回の10台を集めるのに苦労しました。適正サイズを揃えることが難しいくらいです。

― 一般路で走ってもらって良さを確認してもらう事に重点を置くという事ですよね。

岡崎 : もちろんそうです。最近は関東開催が多かったのですが、今後は関西でも重点的に展開していきます。コルナゴホームページのブログで告知しています。ショップさんの希望がありましたら、貸出しの状況を見てご返事させていただきます。




ミニインプレッション ACEとEPSに試乗


コルナゴ・ACE ヘッドチューブが他のモデルより高いのが特徴コルナゴ・ACE ヘッドチューブが他のモデルより高いのが特徴 photo:Akihiro.NAKAOせっかくなので自ら体験してみようと、今回は記者に合うサイズ(身長180cm)のACEとEPSで乗り比べを行ってみた。

まずEPSはプロスペックということで硬い予想をしていたが、思っていたほど硬すぎるというものでは無かった。
フレームは丸パイプ断面らしく、段差へのいなし方が優しく、過度の剛性は感じない。しかし、坂道や平坦路でギアを掛けると脚力負けをしてしまい、真価というのを味わうにはほど遠い感じがした。きっと私には他のモデルが適しているのかもしれない。

コルナゴ・EPS 各モデルのバックはEPSに準するのが多いコルナゴ・EPS 各モデルのバックはEPSに準するのが多い photo:Akihiro.NAKAOACEは初めの印象ではヘッドチューブの高さを感じるものの、他社のコンフォートモデルのバイクにありがちな腰高さはない。走らせてみると直進安定性の良さの前に違和感が消えた。登りにおいてもアップライトポジションで無理な姿勢を強いられる事は無い。下り、平坦路も余裕を持って走れる感じがした。

EPSとACE、両車とも乗ったフィーリングはとても似ていて、トルクを掛けたペダリングで走るほうが得意であるし、段差のいなし方にも大きな差は感じない。ロングライド向けであっても同じ走り・乗り味を提供するコルナゴらしさを感じた。ACEはEPSの格下モデルであるとは言えないだろう。

ACEに乗った参加者が口々にその扱いやすさを話すところを見ると、狙った通りのモデルに仕上がっているということが言えるだろう。ロングライドはもとよりアップライトなポジョンで走るレーサーであり、ヒルクライムなどのレースにも使える。2010モデルではは完成車販売のみなので、できたらフレーム販売で好みのACEが作れればいいとも思ったが、それは記者の贅沢な悩みだろう。

サイクルモードは人気の試乗会である反面、試乗コースが易しすぎてスポーツバイクの乗り味を確かめるには至らないという声は多く聞く。目当てのモデルに公道で納得いくまで試乗してもらいたいというコルナゴ・ジャパンのこの方針は、真剣に品定めをしたいコンシュマーにとって本当に有難いものだ。自分のエリア近くで開催されるチャンスがもしあるなら、ぜひ利用してみてはどうだろう。開催情報はコルナゴジャパンオフィシャルサイトから確認できるオフィシャルブログでチェックしたい。



photo&text:Akihoro.Nakao

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