ツール・ド・ランカウイ第7ステージは大会6度目の集団スプリントに持ち込まれ、ヤコブ・マレツコ(イタリア、ウィリエール・トリエスティーナ)が勝利。ゴール前の4級山岳では早川朋宏(愛三工業レーシング)がアタックを試みた。



総合首位ライアン・ギボンズ(南アフリカ、ディメンションデータ)やアジアンリーダー中根英登(NIPPOヴィーニファンティーニ)ら、各賞ジャージを着用する選手たち総合首位ライアン・ギボンズ(南アフリカ、ディメンションデータ)やアジアンリーダー中根英登(NIPPOヴィーニファンティーニ)ら、各賞ジャージを着用する選手たち photo:SonokoTANAKAパラソルの下でスタートを待つ愛三工業レーシングパラソルの下でスタートを待つ愛三工業レーシング photo:SonokoTANAKA

歴史を感じさせる街並みを駆け抜けていく歴史を感じさせる街並みを駆け抜けていく photo:SonokoTANAKA


序盤はアタック合戦が長く続いた。一時はジャコモ・ベルラート(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ)らが飛び出す場面も序盤はアタック合戦が長く続いた。一時はジャコモ・ベルラート(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ)らが飛び出す場面も photo:SonokoTANAKAアジアンリーダーの中根英登を守って走るNIPPOヴィーニファンティーニ。その後ろに愛三工業レーシングがつけるアジアンリーダーの中根英登を守って走るNIPPOヴィーニファンティーニ。その後ろに愛三工業レーシングがつける photo:SonokoTANAKAボトルを運んで集団に戻る住吉宏太(愛三工業レーシング)ボトルを運んで集団に戻る住吉宏太(愛三工業レーシング) photo:SonokoTANAKA「明日の最終ステージを中根さんが無事に乗り切れるようにサポートします」小林海(NIPPOヴィーニファンティーニ)「明日の最終ステージを中根さんが無事に乗り切れるようにサポートします」小林海(NIPPOヴィーニファンティーニ) photo:SonokoTANAKAレース後半には強く雨が降りつけたレース後半には強く雨が降りつけた photo:SonokoTANAKA8日間に渡って続く「アジア最大のステージレース」、ツール・ド・ランカウイ(UCI2.HC)も終盤戦。最終日を前にした第7ステージの舞台は、マレー半島西海岸南部に位置し、古くから東西交通の要衝として栄えてきたマラッカからレンバウへと至る148.1km。

後半には3つの4級山岳が組み込まれ、最後の山岳はゴールまで8km地点となっており、山頂からゴールまで一気に下るレイアウトが特徴。降りしきる雨の中でのダウンヒル〜ゴールスプリントが繰り広げられる、危険をはらんだレースが繰り広げられた。

この日もアタック合戦が長く続き、一時はジャコモ・ベルラート(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ)を含む6名が逃げたもののすぐに吸収。ハイスピードな展開の中で愛三工業レーシングの小森亮平と渡邊翔太郎が落車に巻き込まれ、渡邊は集団に復帰できずDNFとなってしまう。

新たに形成された5名の逃げを総合リーダーのライアン・ギボンズ(南アフリカ)率いるディメンションデータ、そして2つ目のスプリント勝利を狙うウィリエール・トリエスティーナが追う展開で最後の4級山岳に突入した。

雨が激しく降りだす中、まず集団は逃げグループを吸収。登りでは早川朋宏(愛三工業レーシング)がアタックしたものの決まらず、人数を減らしながらも大きな動きの無いまま、スピードメーターが時速100km/hを指すダウンヒルをクリア。ハイペースのままゴール勝負へともつれ込んだ。

スプリントを狙った愛三工業の列車は位置取りで弾かれてしまい、完璧なトレインを組んだウィリエール・トリエスティーナのエースを担ったヤコブ・マレツコ(イタリア)が今大会2度目のステージ優勝。「強烈な雨の影響もあり残り500mの最終コーナーでライン取りを誤ってスリップしてしまった」と振り返るリッカルド・スタッキオッティ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ)は9位だった。

「ポッツァートを含むメンバーが上手くリードアウトをしてくれ、自分のスプリントに持ち込むことができた。ステージ優勝してからは目標を総合ポイント賞に切り替えていたが、今日の勝利でランキング1位に浮上できたのでスーパーハッピーだ」と勝利を喜ぶマレツコは、今年のジロ・デ・イタリアへと出場を予定している。

また、アジア人最高位につける中根英登は総合成績をキープ。引き続き、明日の最終日もアジアンリーダーとしてスタートを切る。横風が強くなりそうな区間では、(小林)マリノがタイミング良くポジションを上げてくれたりと助けてもらう。レース後半の山岳地帯は昨年のランカウイでも使われた場所で、昨年走っている伊藤さんがコース状況を教えながら、ずっと近くにいてくれた。かなり心強かった」とレースを振り返っている。



ステージ2勝目を挙げたヤコブ・マレツコ(イタリア、ウィリエール・トリエスティーナ)ステージ2勝目を挙げたヤコブ・マレツコ(イタリア、ウィリエール・トリエスティーナ) (c)www.ltdl.com.my
スプリントに加わった住吉宏太(愛三工業レーシング)スプリントに加わった住吉宏太(愛三工業レーシング) photo:SonokoTANAKAステージ表彰台ステージ表彰台 (c)www.ltdl.com.my




ツール・ド・ランカウイ2017第7ステージ結果
1位 ヤコブ・マレツコ(イタリア、ウィリエール・トリエスティーナ)
2位 トラヴィス・マケイブ(アメリカ、ユナイテッドヘルスケア)
3位 アンドレア・パリーニ(イタリア、アンドローニ・ジョカトリ)
4位 セオ・ジョンヨン(韓国、KSPO)
5位 ライアン・ギボンズ(南アフリカ、ディメンションデータ) 
6位 マクセブ・ドゥバサイ(エリトリア、ディメンションデータ) 
7位 エンリーコ・バルビン(イタリア、バルディアーニCSF)  
8位 パオロ・シモン(イタリア、バルディアーニCSF)
9位 リッカルド・スタッキオッティ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ)
10位 アルベルト・チェッキン(イタリア、ウィリエール・トリエスティーナ)

個人総合成績
1位 ライアン・ギボンズ(南アフリカ、ディメンションデータ)              26h26’06”
2位 キャメロン・バイリー(オーストラリア、アイソウェイスポーツ・スイスウェルネス)    +24”
3位 アルベルト・チェッキン(イタリア、ウィリエール・トリエスティーナ)          +28”
4位 マクセブ・ドゥバサイ(エリトリア、ディメンションデータ)               +33”
5位 クリス・ハーパー(オーストラリア、アイソウェイスポーツ・スイスウェルネス)      +34”
6位 ダニエル・ハラミーリョ(コロンビア、ユナイテッドヘルスケア)    
7位 アーレイ・ベルナール(コロンビア、アンドローニ・ジョカトリ)
8位 ティモシー・ロー(オーストラリア、アイソウェイスポーツ・スイスウェルネス)
9位 ベン・オコーナー(オーストラリア、ディメンションデータ)
10位 フェルナンド・オルジュエラ(コロンビア、マンサナ・ポルトボン)           +41”

ポイント賞
1位 ヤコブ・マレツコ(イタリア、ウィリエール・トリエスティーナ)            54pts
2位 ライアン・ギボンズ(南アフリカ、ディメンションデータ)               53pts
3位 トラヴィス・マケイブ(アメリカ、ユナイテッドヘルスケア)              47pts

山岳賞
1位 ジョン・エブセン(デンマーク、インフィニットAISサイクリングチーム)         32pts
2位 マクセブ・ドゥバサイ(エリトリア、ディメンションデータ)              25pts
3位 ジャヒール・ペレツ(コロンビア、チームサプラサイクリング)             24pts

チーム総合成績
1位 アイソウェイスポーツ・スイスウェルネス
2位 ディメンションデータ
3位 マンザナ・ポストボン

text:So.Isobe
photo:SonokoTANAKA,Le Tour de Langkawi 2017