ツール・ド・ランカウイ(UCI2.HC)2日目は今大会最長となる208kmのステージ。2つの山岳によって50名まで人数を減らした集団によるゴールスプリントをトラヴィス・マケイブが制した。



パラソルで日差しを避ける愛三工業レーシングのメンバーパラソルで日差しを避ける愛三工業レーシングのメンバー photo:SonokoTANAKA


高い気温と2つの山岳によりタフなレースとなったツール・ド・ランカウイ2日目高い気温と2つの山岳によりタフなレースとなったツール・ド・ランカウイ2日目 photo:Le Tour de Langkawi 2017集団を牽引するイタリアンチーム、アンドローニ・ジョカトリ集団を牽引するイタリアンチーム、アンドローニ・ジョカトリ photo:Le Tour de Langkawi 2017ツール・ド・ランカウイ第2ステージはマレーシアの北部ジェルテからゲリクまでをいく今大会最長距離の208.1km。気温も35度を越える暑さの中、1級山岳も含まれたコースで非常にタフなレースとなった。

アジアリーダージャージを着て走る黒枝士揮(愛三工業レーシング)アジアリーダージャージを着て走る黒枝士揮(愛三工業レーシング) photo:SonokoTANAKA序盤の平坦区間ではスタート後1時間で49kmもの距離を稼ぐハイペースとなり、なかなか逃げが決まらない状況で進む。1つ目のスプリントポイントを過ぎてからようやく16名のまとまった先頭集団ができ、プロトンから最大4分のタイム差を開くことに成功。その逃げにはNIPPOヴィーニファンティーニの伊藤雅和も加わった。

ゴールスプリントを制したのはトラヴィス・マケイブ(アメリカ、ユナイテッドヘルスケア)ゴールスプリントを制したのはトラヴィス・マケイブ(アメリカ、ユナイテッドヘルスケア) photo:Le Tour de Langkawi 2017一方メイン集団ではマンザナ・ポストボンやアンドローニ・ジョカトリらプロコンチネンタル勢がコントロールを担い、逃げ集団を吸収。その後も先行する数名の選手にブリッジがかかり最大19名の先頭集団ができあがるが、山岳に差し掛かるとそれも吸収され再度集団は1つになった。その中でもジョン・エブセン(デンマーク、インフィニットAISサイクリングチーム)が果敢に山岳ポイントを取りに行き、山岳賞を決めている。エブセンは第1ステージの落車に巻き込まれタイムを失ったため、総合順位争いから山岳賞争いに切り替えたという。

ツール・ド・ランカウイ2017第2ステージ 表彰ツール・ド・ランカウイ2017第2ステージ 表彰 photo:Le Tour de Langkawi 20172度に渡る山岳セクションの末、結果的に50名に絞られた集団によるゴールスプリント勝負となった。青いジャージのユナイテッドヘルスケアによるトレインから放たれたトラヴィス・マケイブ(アメリカ、ユナイテッドヘルスケア)がこれを制し勝利を収めている。また、フィリッポ・ポッツァート(イタリア、ウィリエール・トリエスティーナ)もスプリントに参加、2位の成績で終えている。

マケイブは「昨日のゴールスプリントでも上手くトレイン作ってくれたが、飛び出すタイミングが早すぎて沈んでしまった。でも今日は最後まで辛抱強く待ってから行くことができた。本当に上手くいったと思うよ」とスプリントを振り返る。

また、リーダージャージを着たスコット・サンダーランド(オーストラリア、アイソウェイスポーツ・スイスウェルネス)は山岳で大きく離れてしまい、替わりにこの日3位でフィニッシュしたライアン・ギボンズ(南アフリカ、ディメンションデータ)が総合首位に躍り出ている。ギボンズは2016年にプロ入りした22歳の若手有力株だ。

前日にアジアンライダー賞を獲得した黒枝士揮(愛三工業レーシング)はこの日98位でフィニッシュ。アジアリーダージャージはイェフゲニー・ギディッチ(カザフスタン、ヴィノ・アスタナモーターズ)へ移っている。日本人最高位21位でゴールした中根英登(NIPPOヴィーニファンティーニ)は総合10位へ浮上。アジアンライダー賞でもトップのギディッチに対し4秒差の2位に付けている。

中根は「今日の前半は身体が重たかったが、みんなにものすごく助けてもらえたお陰で、先頭集団に残ることができた。明日はフラットステージ。チーム一丸となって明日も頑張ってきます」とチームのHPでコメントしている。



談笑するNIPPOヴィーニファンティーニのリッカルド・スタッキオッティ(イタリア)と伊藤雅和談笑するNIPPOヴィーニファンティーニのリッカルド・スタッキオッティ(イタリア)と伊藤雅和 photo:SonokoTANAKA


ツール・ド・ランカウイ2017第2ステージ結果
1位 トラヴィス・マケイブ(アメリカ、ユナイテッドヘルスケア)           5h04’41”
2位 フィリッポ・ポッツァート(イタリア、ウィリエール・トリエスティーナ)
3位 ライアン・ギボンズ(南アフリカ、ディメンションデータ)
4位 アルベルト・チェッキン(イタリア、ウィリエール・トリエスティーナ)
5位 イェフゲニー・ギディッチ(カザフスタン、ヴィノ・アスタナモーターズ)
6位 マルコ・マロネーゼ(イタリア、バルディアーニCSF)
7位 リッカルド・スタッキオッティ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ)
8位 ラファエル・アンドリアート(ブラジル、ウィリエール・トリエスティーナ)
9位 キャメロン・べイリー(オーストラリア、アイソウェイスポーツ・スイスウェルネス)
10位 モハドシャフルル・マットアミン(マレーシア、トレンガヌサイクリングチーム)

個人総合成績
1位 ライアン・ギボンズ(南アフリカ、ディメンションデータ)            7h59’13”
2位 トラヴィス・マケイブ(アメリカ、ユナイテッドヘルスケア)             +03”
3位 フィリッポ・ポッツァート(イタリア、ウィリエール・トリエスティーナ)       +11”
4位 アルベルト・チェッキン(イタリア、ウィリエール・トリエスティーナ)
5位 イェフゲニー・ギディッチ(カザフスタン、ヴィノ・アスタナモーターズ)        +13”
6位 エンリーコ・バルビン(イタリア、バルディアーニCSF)               +16”
7位 ラファエル・アンドリアート(ブラジル、ウィリエール・トリエスティーナ)      +17”
8位 リッカルド・スタッキオッティ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ)
9位 クリス・ハーパー(オーストラリア、アイソウェイスポーツ・スイスウェルネス)
10位 中根英登(NIPPOヴィーニファンティーニ)

スプリント賞
1位 ライアン・ギボンズ(南アフリカ、ディメンションデータ)            26pts
2位 トラヴィス・マケイブ(アメリカ、ユナイテッドヘルスケア)           21pts
3位 アルベルト・チェッキン(イタリア、ウィリエール・トリエスティーナ)      17pts

山岳賞
1位 ジョン・エブセン(デンマーク、インフィニットAISサイクリングチーム)      21pts
2位 ロー・シーコン(タイ、タイコンチネンタルサイクリングチーム)         12pts
3位 ダニエル・ハラミーリョ(コロンビア、ユナイテッドヘルスケア)         10pts

text:Yuto.Murata
photo:SonokoTANAKA,Le Tour de Langkawi 2017

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